天草最古の下田温泉は、740年ほど前に傷ついた白鷺が湧き出た湯で傷を癒していたことから発見された、白鷺温泉とも呼ばれる温泉地。
下津深江川の河口近くの温泉街に10軒ちょっとの温泉施設があり、内1軒は日帰り入浴施設の白鷺館。
天草空港からだと車で40分だけど、熊本空港からは2時間半もかかる天草下島の西海岸に位置する“天草の奥座敷”。
雲仙天草国立公園の中心部で、日本の夕日百選の天草灘に面してる。
鬼海ヶ浦展望所の向かいの坂を登ったところにある石山離宮 五足のくつ。下田温泉街からは車で3分ほど離れた、東シナ海を望む山の中に佇む。
下田温泉一の老舗旅館、明治創業の旅館 伊賀屋の六代目が2002年に開業した全室離れ、露天風呂付きの宿。
ちなみに、明治40年にここを訪れた北原白秋や与謝野鉄幹など5人の詩人が記した紀行文が『五足の靴』。
客室は全部で15棟。
大浴場はなく、各部屋の露天風呂が天然温泉。お部屋ごとに趣向が異なるので、どのお風呂がいいかで部屋を決めた。
ライブラリーとバーを備えたレセプションのヴィッラ・コレジオ。古い近代建築に見えるけど新しいお洒落な建物。裏手のドアを出てすぐのデラックスVilla A6に。
天草の歴史“OLD天草”がテーマの部屋。リビングルームからも東シナ海が見える。
洗面所のガラス戸も
タオル干しの
脚も
浴室の扉もお洒落可愛すぎる。
内風呂は沸かし湯だけど、
東シナ海が見える。
内風呂から外へ出たところに、露天風呂。
扉から出ると、飛び石があるのだけど、湯船の周りは小石を埋めてるような足場で、ちょっと足裏に刺激が強い。
手前側が段差になってる、結構大きめの湯船。源泉かけ流しで、左端の縁の角からざばざばと湯が溢れ出てる。
毎分2,000ℓもの湧出量がある源泉を、10数軒で利用しているみたい。
湯口は湯船の中で見えないけど、出ていく湯量で投入量が分かる。この隙間から熱いのが出てきてる。
加温した50度の熱い湯が絶えず投入されていて、湯船は43度以上。熱くて入れないので、水で埋めるしかない。
横の地面にあるこれが水の蛇口。水を足すとあっという間に好みの適温に下がる。
源泉温度が50.5度なので、下の温泉街でかけ流しにするのは湯量を絞って調整し、加水しないようにしているそう。
でも、ここまで2kmも配湯してくると湯温が下がるので、加温するしかないのだそう。せめて、加温したものを加水しなくていいくらいの湯温にできてたらいいのに、残念。
この部屋のキャッチコピーは、“東シナ海の水平線を見ながらお風呂に浸かりたいという方に”。
しっかり海が見える。冬とは思えない気候と景色。いろんな鳥の鳴き声を聞きながら浸かる。
無色透明で無臭。塩素消毒ありだけど、ほとんど匂いはない。
pH 7.5の弱アルカリ性で、泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。ふわとろの湯感触で、重曹泉のぬるつる肌触り。
伊賀屋の新しいのはこれ。
地下数百mにあるマグマが固まってできた天草陶石層から湧出してる、250mほどの掘削泉。
岩は薄茶色に染まり、ぶつぶつの析出がある。湯の中には、白と薄茶の細かい湯の花が少し舞ってる。
脱衣所にあった簡素な分析書。pH値が違うなぁと思ってたのだけど、帰ってから知った。
Villa A/BとVilla Cは源泉が違い、Cの方はななななんと自家源泉なのだそう。pH 8.07の単純温泉らしいので、多分これ。自家源泉の方は鉄分が含まれてるとのこと。何度なんだろ、これも加温なのかな。
まいっか。綺麗な夕焼けも見れたし。食事も美味しいし。
下田温泉 石山離宮 五足のくつ
★★★
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
50.5度
pH 7.5
約2,000ℓ/分
客室露天風呂15
加水循環なし 加温消毒あり
2022.1.1 宿泊
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