戸倉上山田温泉 笹屋ホテル 豊年虫(長野)

善光寺詣りの精進落としの湯として昔から親しまれてきた、開湯120 年を超える戸倉上山田温泉。

千曲川沿いの旧戸倉町と旧上山田町にまたがる温泉地で、平成15年に2つの町が合併。それぞれ明治時代中頃に開湯した戸倉温泉・新戸倉温泉・上山田温泉の総称が戸倉上山田温泉で、信州有数の温泉街があることで知られてる。

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東京から新幹線で1時間半の上田駅から車で30分ちょっと。

老舗旅館の笹屋ホテルは明治36年、千曲川右岸に「清涼館笹屋ホテル」として開業した、戸倉温泉で最初の旅館で、創業者が戸倉温泉の開祖。

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創業100年の2003年に、別荘と呼ばれていた築70年目の豊年虫が登録有形文化財の指定を受け、笹屋ホテル内の旅館「豊年虫」として開業。

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この変わった名称は、志賀直哉が逗留中に執筆した短編「豊年蟲」から。

豊年虫はフランク・ロイド・ライトに師事した最初の日本人建築家 遠藤新の設計で、数寄屋造りの8室の宿。

全室に自家源泉のお風呂があり、好きな時にいつでも入ることができるけど、笹屋ホテルの大浴場も入れる。

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玄関ロビーのそばにある廊下の先に「石の湯」があり、階段を上がったところに「木の湯」がある。

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男女入れ替え制で、奇数月の1月は夜時間(14時から夜中の3時まで)、2階の大浴場「木の湯」が女湯。ほぼ一晩中入ることができる。

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広くて、とにかく清潔で綺麗な脱衣所。稀に見る綺麗さで、つま先歩きしなくていい。

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棚に間引いて脱衣籠が置いてある。左手に鍵付きロッカーもある。

木で作られた棚の数字がめちゃくちゃ可愛い。

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バスタオルもフェイスタオルも大量に積んであり、奥のパウダールームには化粧水などアメニティが揃ってる。至れり尽くせり。

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木の格子が入ったガラス戸の向こうに、ゆったりした浴室が広がってる。真正面がガラス窓で奥行きがあり、さらに広く感じる。そして誰もいない、独泉。開放感というのか、なんだろ、とても贅沢な空間。

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正面の窓際に大きな内風呂。ガラス窓の向こうには露天風呂。左右に洗い場。

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シャワーは左右合わせて10個。かけ湯もある。

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敷地内に源泉があり、毎分328ℓと豊富な湯量。実際にはさらに100ℓほど湧出しているそう。

ほぼ一晩、男女入れ替えの3時から4時以外、朝の9時半までずっとかけ流しを楽しめる。

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源泉温度は44.3度で、冬季のみ加温してる。もしかして、かけ湯は源泉そのままなのかと思ったけど内風呂の湯口と同じ47度の加温湯。残念だな。絶妙に加温しないでぬるめな季節に来たいな。

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黄緑と深緑のツートンに色付いた湯口。とろりとしたお湯が勢いよく投入されてる。

硫黄の匂いがする無色透明のお湯で、つるつるぬるぬるの肌触り。pH 8.7のアルカリ性単純硫黄泉。

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かなり大きい湯船。なのに独泉。こんなに広いのに、湯口と逆の端っこまでほぼ同じ42度。湯量のなせる技かな。新鮮なお湯で溢れ、

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奥からざばざばかけ流されていく。

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露天風呂には3つの湯船。

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手前にゆったりサイズの四角い檜の湯船。

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湯口からは内風呂と同じ47度の加温湯が注がれ、湯船は42度超え。

壁際の縁の全面からどんどん湯がかけ流されてる。縁も側面も底も全部檜。いいなぁ。

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他にも1人用の檜の樽風呂が2つ。

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こちらも全部が檜で作られていて、気持ちいい。

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奥の方は、他と同じ47度の加温湯が結構しっかり投入されていて、湯温が43度にせまる熱さ。

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真ん中の樽だけ、湯口で46.5度と若干ぬるめ。

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湯量も絞ってあるのか、湯船の温度が40度と、拍子抜けするほどのぬるさ。くー。たまらん。外気が冷えてるけど、顔が冷た過ぎるほどでもなく。硫黄の匂いを嗅ぎながらいつまでも入っていられる。誰も来ないので、遠慮して湯船替えする必要もないし。

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樽に入ると、縁からざばーっと溢れる。その後は、この排湯口へどんどん吸い込まれてく。

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ほんのりっていうより、しっかり硫黄。硫黄泉だけど、アルカリでぬるぬるって一番すき。ぬるつるの肌触りで、ずっと浸かってずっとさすっていたい。

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いかにも硫黄泉の白い大きめの湯の花が漂ってる。

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消しかすみたいなタイプ。

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2階にある大浴場なので、雪が残る山々が臨める。

ぬるいし、顔は涼しいけど、長湯するとやっぱり身体にぐっとくる。

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1階にあるもうひとつの石の湯は、朝の4時から男女が入れ替わってる。

こちらもかなり広く、すごく清潔な脱衣所。一段降りた奥のスペースにパウダールーム。

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木の湯同様、脱衣所からガラス戸越しに広々した浴室が見えるのだけど、入るとさらに圧倒されるほどの広い空間。

ここに数十人がごった返していれば、それなりの広さだと思うのだけど、ほぼ独泉にしてこのスペース。

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洗い場は左右の壁際で、シャワーが8個ずつの計16個。

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左手前にはサウナもある。

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水風呂も。

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湯船は石造りの円形のものが大小ひとつずつ。大きな湯船は手前のこちらから、湯がかけ流されている。

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レトロなタイル貼りの縁の部分から。

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中央にある三角形のピラミッドみたいな形の湯口は窓側を向いていて、47.5度前後の加温湯が勢いよく投入されてる。大きな湯船は40度割れと、気持ちのいいぬるさ。

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ふわふわの湯感触で、少し煙たいくらい香ばしいお湯。

もっと早起きして、朝から入ってればよかった。こんなにゆったりした湯船で心地いい湯温で入れるなんて、思いもしなかった。

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奥にある小さめの半円形の湯船は、43度と熱め。

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湯船の境は低めのタイル貼りの縁で、湯の行き来がある。

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窓際にある湯口は、大きな湯船のと同じ形で、湯温も同じ。

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こちらには周りに薄茶色の析出物が付いてる。窓の向こうには庭園のような露天風呂が見える。

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大きな露天風呂に驚く。

この温泉地には、戸倉が14本、上山田が38本で計52本の源泉があり、2つ合わせると毎分約8,000ℓ以上の湯量がある。

あらためて、豊富な湯量を惜しみなく利用し、広い湯船にしっかり源泉かけ流ししてるんだな。他にもいいお湯の温泉宿がありそうだけど、あまりにゆったり広々で、なにより清潔なここがいいな。

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石造りの湯船が3つ。大きさはこの左のが中くらい、真ん中に1人サイズの小、右側のが大サイズ。

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湯口は内風呂より1度ほど高めの48.5度前後。湯船は43度弱ありかなり熱い。

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湯口の石にふぁさふぁさと張り付いてるたくさんの白い湯の花。

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湯船の中にもたくさん漂ってる。

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真ん中の湯船は、右側に石、左隅には湯口のようなのがあり、実質スペースが狭く1人サイズ。入っていいのかなと躊躇するような形。

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でも、入ってみたら、40度と適温のぬる湯で極楽。

丸くくり抜かれた四角いこれ。真ん中の穴からは42.5度のお湯が出てる。左側の熱湯から流れ込んでるみたい。

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排湯はこの筒から。

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右側の湯船は浅く広め。そして、びっくりするほどぬるい。朝は38度割れだった。いろんな湯温の湯船があるので、長湯するには最高。

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奥にある湯口からは熱湯と同じ加温湯が、石を伝って注がれている。

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こんなに素晴らしい大浴場のある宿を、今まで知らなかったのかと驚愕する。

他にも3つの貸切露天風呂があり、チェックインからアウトまでの1泊貸切り(5,500円)ができるそう。最高の仕組みだなぁ。

さて、豊年虫は全室温泉付き。

間取りと、湯船の材質と湯使いで決めた部屋は、萩の部屋。

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唯一の檜風呂で内風呂。

チェックイン時にお湯は溜まってなくて、自分で入れ始める。蛇口をひねると、ほわっと硫黄の香り。うーん、いい感じ。

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蛇口がふたつあり、赤が加温源泉、青が水。すごい勢いで出せるので、あっという間に溜まる。

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48.5度の加温源泉を勢いよく溜めてしまったので、湯船は46.5度。冷まして入ればいいやと、止めておいておく。

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源泉の蛇口は、必要ない時は閉じるように注意書きがあるけど、仲居さんが今日の泊まり客は少ないから、かけ流してても大丈夫だよと言ってくれた。

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かけ流し感を撮ったあとは、ぬる湯好きなので、適宜投入しながら、ちゃんと止めます。

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部屋によっては、蛇口がなくずっとかけ流しのお風呂もある。調整できる方がいいので、このタイプを選択。

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予想以上のいい源泉とお湯使いに感動した。加温せずのぬる湯の時季に再訪したい。

 

戸倉上山田温泉 笹屋ホテル
★★★★
アルカリ性単純硫黄温泉
44.3度
pH 8.7
328ℓ/分
露天風呂付き大浴場2 貸切露天風呂3
加温あり 加水循環消毒なし ※加温は冬季のみ
2022.1.22 宿泊

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