福岡空港から車で1時間半弱。電車だと、JR久大本線の天ケ瀬駅まで、博多からも別府からも特急で1時間半。駅からは無料送迎あり。
筑後川の上流、玖珠川の両岸にホテルや旅館が建ち、岩だらけの河川敷に露天風呂が点在する天ヶ瀬温泉。
温泉街の中心部から少し離れた、合楽川に面し桜滝を望む山荘天水は、1万坪の敷地にわずか19室の静かな宿。
門をくぐると足湯、
売店とあり、その奥に母屋が現れる。
夕食を食べ始めて気付いたのだけど、先月泊まった日田市の琴平温泉 旅籠 かやうさぎ(大分)-温泉手帖♨︎ と同じ経営者だった。
別府、由布院とあわせて豊後三大温泉に数えられる日田市の天ヶ瀬温泉。
奈良時代の「豊後国風土記」に“天武天皇の時代、大地震でこの辺りの山が崩れ熱湯が湧き出した”と記載が残る古くからの湯治場で、開湯1300年。
山荘天水は1995年創業の新しい宿。
大浴場が3箇所。帳場の奥の廊下から、左手にある出入り口がひとつ。それから2階から行く露天風呂、もうひとつの内湯はさらに廊下を進んだところに。
まずは廊下をこのまま進んだ右手にある「内湯」。宿泊者専用の2つの大浴場のひとつ。
内湯の利用時間は夜24時まで。翌朝は男女入れ替えで、6時から11時まで。
蔵みたいな空間。まずは左手の檜風呂。
シンプルな脱衣所。棚に籠が置いてあるのだけど、少し小さめの籠。
フェイスタオルは備えついてる。アメニティはなく、ドライヤーのみ。
シャワーは3つで、豆乳のシャンプー。
かけ湯らしき壺があり、少量のお湯が注がれてる。パイプに白い析出物が付いていていかにも温泉なんだけど、33度とかなりのぬる湯。木で囲わなくても大丈夫なような。
ゆったり広い檜の湯船。全てのお風呂が独泉で、脱衣所でさえ人とかぶらなかったので、ひとりで広々。
湯口からは48度弱の湯がどばどば投入されていて、湯船は42.5度くらい。誰も入ってないっぽくて湯揉みが出来てないから、もう少し混ざれば下がるのかも。
源泉温度が64.5度なので加水して湯温調整されてる。
岩で謎に囲まれてるけど、しっかりかけ流されてる。
翌朝の男女入れ替えで向かいのタイル風呂。
タイルだけど清潔感がある綺麗な水色の湯船。
これって暖炉かな。そういえば部屋のトイレの手洗いがミシンだった。
かけ湯の石桶には白い析出物。単純温泉と言ってしまうのも残念なしっかり成分を含む源泉。
宿泊者専用の大浴場がもうひとつ。利用時間は内湯と同じ。
帳場近くの廊下にある出入り口から外に出て、屋根付きの外廊下を進む。
男女別で男湯は「竹さんすい」、女湯は「ひびきの湯」。入れ替えはなし。
ここもフェイスタオルは備えついてる。
この大浴場は内風呂と露天風呂がある。
洗い場も石だし、縁も切石に見えるので、足をつけるタイミングで、お、木造りだと気付きうれしくなる。
横長のがっちりした木の湯口からは49.5度の源泉が注がれてた。
湯船は42度で少しほっとする。熱すぎなくて。
もちろんここもかけ流し。
外にもシャワー。これからの季節は無理だけど。ちゃんと屋根までついてる。
林の中の自然を感じる露天風呂。
岩にはぶつぶつの析出物。
溶存物質の総計が864mgの単純温泉。もう少し濃ければナトリウム-塩化物泉。
竹の湯口からは53度の源泉がざばざば注がれていて、広い湯船だけど、42.7度もあり熱め。
最後にもう一つ男女別の露天風呂があり、そこは日帰り入浴も可能。
客室棟からは2階の出入り口から
露天風呂「滝観庵」へ。スリッパのまま行ける。
48段の長い階段。屋外だけど屋根も付いてるし、滑りにくい歩きやすい階段。
屋根付き廊下が終わって、ほんの少しだけ外を歩く。
男女入れ替えはなく、利用時間は他の大浴場と同じ、夜は24時までで朝は6時から。日帰り入浴は10時から15時。
他より少し広めの脱衣所。こちらにはタオルは置いてない。
やっぱり屋根付きのシャワーもある。
かけ湯はぬるめで35度。他の大浴場のもそうだけど、すっごい加水してるってことなのかな。
かけ湯の横に、同じ35度のぬるいのが湯船に投入されていて、この辺りだけ41度くらい。
かなり広い湯船だけど、この隅以外は41.5度。
湯口は64.4度なので、これが加水してない源泉そのものなんだろうな。ここだけなのかな。
眼下に流れ落ちる桜滝を見ながらとあるけど、座ってると見えない。滝の音は聞こえる。
隅っこのややぬるめのところで、やっとゆっくり湯を感じる。といっても加水されてるけど。泡付きがあるみたいなふんわり感があり、ふわつるの肌触り。沼みたいな匂いがする。
ここもざばざばかけ流し。
貸切家族風呂があるので、ひとつ行ってみた。予約時間に帳場で鍵をもらって行く。母屋から予想以上に離れてる。
利用時間は7時から22時までの受付で、1回45分無料。10時から15時の日帰り入浴でも借りられる。
かま湯・きり湯・かわ湯・やま湯・ひのき湯の5つ。
1番奥のひのき湯。
半露天風呂で、屋根はついてるのだけど、着替えもシャワーもこの時期は寒い。脱衣場にストーブがあるのが有り難かった。
檜と岩でできたちょっと珍しい作り。檜の湯船なのに、足場は大きな石。縁の一部も岩というか巨石。
大きな岩と飛び石みたいなのが、脱衣場と同じ高さにある。
溢れたお湯はこの岩を超えて溢れていく。
中は檜の湯船なんだけど。
目に見える調整のバルブはここが初めて。湯船は41.5度割れと適温。湯口は44度から49度くらいをいったりきたり。バルブを閉めると59.5度だったので、加水のバルブ。貸切風呂以外は全体で加水の調節をしてるのかな。
貸切はご自由にどうぞ式ではなく、予約制なので、その都度きちんと清掃に入りバスマットも交換してくれて、当たり前に湯温もちゃんと調節してくれてるのが、すごくいい。
明るい時間に入った方がいいかな。
部屋にもかけ流しの内風呂と露天風呂がある。露天風呂の東屋みたいなの見えてるけど、テラスからは行けない。
まずは内風呂から。レトロな扉がいい。
湯口は44度から46.5度、湯船は41度から42度。おそらく加水の調整しながら注がれてるのかと。
ほのかに硫黄が香ると書いてあるけど、滞在中は感じられなかった。
天ヶ瀬温泉の中には硫黄泉のところもあるみたい。ここも、総硫黄が2mg/kg以上で硫黄泉のところ1.6mgなので、あり得ることなのかと。
常にかけ流されていて、湯に入ると縁全体からざばあっと溢れる。
こちらの扉から外へ。雪がちらつく寒さだったので、
あまり外には出たくなかったけど。
露天風呂には屋根があり、横も2面が囲まれてる。深めの湯船で、階段で上がって入る。
かなり大きい湯船。
窓を開けて覗くと
滝が見えるけど、ほんと寒くてすぐ閉める。
こんなに大きな湯船もかけ流し。
湯口で45.5度。翌朝は48.5度。湯船は41.5度から43度弱だった。
大好きな檜の湯船。こんな大きくて立派で、お湯も新鮮で綺麗だけど、寒くて入りにくる気力がなくてもったいない。
単純温泉かぁと思いがちだけど、天然の保湿成分のメタケイ酸が157mgと多く含まれる美肌の湯だし、加水してるのかぁと思いがちだけど、ざばざばかけ流しのせいかあまり嫌な感じがない。
天ヶ瀬温泉 山荘天水
★★★
単純温泉
64.5度
pH 7.3
男女別大浴場3(内風呂のみ 露天風呂のみ 内風呂と露天風呂)貸切露天風呂5
加水あり 加温循環消毒なし
2023.12 宿泊
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