3ヶ月ちょっとで再訪。なんと3ヶ月しか経ってないのに今回なんと、温泉分析書が掲示されてた。もしかして、前回もあったのに見落としてたのかなと思うほど、普通にあった。
ただ、どれがどの湯か書いてあるわけじゃないので、答え合わせが正しいかは分からない。というか、3本とも泉質は同じだし、ほぼ同じような。
川沿いにある宿泊者専用の「ねむの湯」。今回もやっぱり確信犯的なひとが入ってた。ハイヒールって‥さすがに宿泊者じゃないよね。
今回、こちらの浴室ばかりに入っていて、シャワーのある「神経痛の湯」の方でシャンプーしなかった。
滝行のように強めの打たせ湯(しかも源泉)で髪の毛洗って、しかも宿でくれるリンスインシャンプー。そのあと、手前の唯一のカラン、湧水なのかな、水道水とは思えないほど冷たい水が出る蛇口の下に頭突っ込んで濯ぐという修行みたいな洗髪だった。
手前のきず湯の湯口。湯面には湯膜が張ってる。
奥の胃腸湯の湯口。
ぼっこぼっこいってるし、泡がすごくて水中の泡がじゅわじゅわぱちぱちと上がってくる。湯量も相変わらずすごい。
前回は熱すぎて全く入れなかった胃腸湯に入ることができた。
なんと41.5度から42度。水が投入された感じでもなかったのだけど。え〜なんでなんだろ。夏場は加水されていても45度はあった。
湯口に湯温計を突っ込んで測ると42.5度。時間によっては44度の時もあったけど。
肌触りはきしむ感じが強い。きしむけどふわつる感もある。透明感のあるお湯は、きず湯には到底及ばないけど、混ぜるとオレンジ色の粒状の湯の花が舞い上がる。
こっちかな。源泉温度55度のpH 6.7のナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。源泉と湯船が1km離れてるから、湯温にばらつきがあるのか、とも考えた。遊離二酸化炭素は512mgと多く、保湿成分のメタケイ酸は267mg、消毒効果のあるメタホウ酸も26mgと多い。
となると、こちらの自噴泉がきず湯かな。
遊離二酸化炭素は704mgとさらに多く、メタケイ酸は211mg、メタホウ酸も20mg含まれてる。鉄イオンが5.2mgで3源泉の中で一番多いのがこれ。金気臭が強い。甘みがあるけど渋さもある。
泉質名は同じ。源泉温度45.4度、pH 6.2の中性。きず湯の湯船は前回42.5度から43度弱だったけど、今回は43度から44度と熱く、夏場の胃腸湯と逆転してた。
湯口の温度も前より熱くて44.5度超え。自噴泉だから、大雨の影響とかもあるのかな。前回すごい雨だった。
大量の湯の花。オレンジ色の粒状のが多い。静かにしてると、肌にどんどん積もってく。ざらっとした粒子が肌にざらりとするけど、ふわふわの泡のベールがすごくて、ふわつるの肌触り。泡をはらうときゅうっとするけど、すぐにあわあわベールが包んでくれる。湯上がりにじっとり感もある。
「神経痛の湯」が掘削自噴の妙見16号かな。全部同じナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉。源泉温度は40.7度でpH 6.4。遊離二酸化炭素は537mgも含まれる。湯口のじゅわじゅわがこれか。
妙見温泉 忘れの里 雅叙苑(鹿児島)-温泉手帖♨︎ の混合泉のうち1本が本館から引いてるっぽいのは、この源泉?いや、分からんけど。
ここが程よい適温で安心して入れるけど、冬にはちょっとぬるめなのかな。
なんか遠いのに妙に気軽に来たい不思議な湯治宿。冬にも来てみたい。
妙見温泉 田島本館
★★★★★
[妙見16号]神経痛の湯
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉
40.7度
pH 6.4
[妙見39号]胃腸湯?
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉
55.3度
pH 6.7
[妙見?号自噴]きず湯?
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉
45.4度
pH 6.2
「神経痛の湯」内風呂(男1 女1)「ねむの湯」内風呂(男2 女2)
加水加温循環消毒なし
2024.11 宿泊
♨︎ ♨︎ ♨︎ ♨︎ ♨︎
鹿児島空港から車で15分。最強アクセスの妙見温泉。アクセスの良さも超いいし、泉質も好きな温泉地。
日帰りで利用した妙見温泉 石原荘(鹿児島)-温泉手帖♨︎ 、キズ湯がだいすきな妙見温泉 おりはし旅館(鹿児島)-温泉手帖♨︎ など。
今回は妙見温泉 忘れの里 雅叙苑(鹿児島)-温泉手帖♨︎ の田島さんの田島本館へ。いつかいつかと思ってたお宿。
明治時代の創業だけど、江戸末期に田島本館の創始者 田島十郎次が水田に湧く源泉を発見したことが妙見温泉の始まりで、約170年もの間、地元に愛されてきた湯治場なのだそう。
おりはし旅館では、宝暦2年(1752年)に、折橋左門が川岸に家源を発見し湯壺を作ったのが始まりだと言われてるけど、それはまあ置いておいて。
おりはし旅館が右手にある妙見大橋を渡ると、左に妙見温泉 妙見田中館(鹿児島)-温泉手帖♨︎ があり、その奥にあるのが田島本館。
素敵な佇まいの玄関。食事処でもあり、日帰りの受付や飲み物の注文など人の出入りが多い。外のテラス席でひと休みしてるの気持ちよさそう。
左側に建物が繋がっていて、その中の廊下はこんな感じに続き、
あ、途中には看板猫のすずめさんがいて、
突き当たりの風呂場の矢印の看板から外へ出ると
湯小屋がある。これは外から見えてる小屋で、日帰り入浴もできる「神経痛の湯」。
田島本館は3本の源泉を持つ宿。浴室は2つで、神経痛の湯ときず湯・胃腸湯に分かれてる。
以前はそれぞれ250円で両方日帰り入浴できてたけど、今はこちらのみ300円。
日帰り入浴の時間は8時半から19時まで。その間はめっちゃ混んでるとの噂通り、次から次へと車の出入りがある。この時間は避けるべき。
どちらも男女別で24時間入れる。
朝ごはん前とかは宿泊者で混むのかなと思いながら行ってみたら独泉。
真ん中が抜けていて土足でベンチに座れるという珍しい造りの脱衣所。
昨夜は雰囲気のある薄暗い中で入ったけど、やっぱり光が差し込むと全然違う雰囲気で素敵。
小さな水風呂もかけ流し。
7、8人くらいはゆったり入れるサイズの大きな湯船。縁の周りが掘られてる造り、久々かも。基本、湯船から洗面器で湯をすくいながら、身体を洗ったりするのかな。
奥と手前にシャワーが1つずつあり、髪の毛とかも洗えるけど、シャンプーや石鹸は置いてない。
宿泊者にはボディソープとリンスインシャンプーの小袋をくれる。
1箇所、縁が低い排湯口があり、絶えずかけ流されてるけど、ひとりでも湯船に入ると全然間に合わなくて、縁からわさっと溢れ出る。
縁は、脱衣所側が高く、
こちらからは溢れず、
低くなってる奥側の縁から溢れるようになってる。
でも、この細い溝では排湯が間に合わなくて
ざばざばと溢れたお湯が大渋滞。眺めてるだけで至福のかけ流し。
どれくらいの湧出量なんだろ。一応、分析書あるか聞いてみたけど、すぐに見せられるところにないと言われた。そうかなと思ってたし、ここまでクリアなかけ流しだと、別になくても構わない気になる。
薄濁り。笹濁りというのかな。座って伸ばした足先がちゃんと見えるくらい。いかにも妙見温泉の炭酸水素塩泉で、嫌味のないくらいの鉄の香り。“神の湯”と称される神経痛に効くとされるお湯。
パイプの先は湯の中だけど、ものすごい泡あわ。ぽこぽこじゅわじゅわと泡立ちながら湯船の中に直接注がれてる。身体に泡付きはない。
湯口の辺りで41.5度、湯船は40.5度といい具合。きゅうきゅうと掌が吸い付くような肌触りで、湯上がりの肌はねっとり。
毎日結構な雨が降ったので、帰る日の朝は40度割れだった。夏の嵐の中で静かに浸かるの最高だった。
この湯小屋の横の通路を下に降りたところに、もうひとつの宿泊者専用の浴室がある。
左が「神経痛の湯」の湯小屋で、右下がきず湯・胃腸湯の「ねむの湯」。どの湯のパイプなのかな。
3本の源泉はそれぞれ神経痛の湯、きず湯、胃腸湯と効能の違いがあるとされてる。おそらく全部、泉質は炭酸水素塩泉だろうけど、泉温や細かな成分に違いがあるんだろうな。
妙見大橋が見える天降川沿いの湯小屋。
宿泊者専用って書いてあるけど、確信犯的な人が入ってる時もある。
こじんまりした脱衣場には、一応ドライヤーと鏡があるけど、
こちらの浴室にシャワーはなく、一つだけあるカランは水。打たせ湯は温泉。
あぁ、これこれ。訪れて自分で見てみたかった光景。
木造りの湯小屋だけど、上と奥の上が抜けていて、雨などは入らないけど、ほんのり半露天風呂感。
すぐ真横に川の流れを感じてるのもあり、自然の中で入ってる感じ。男湯は川沿い感が強いそう。
細長い浴室に湯船が2つ。手前がきず湯、奥が胃腸湯。さらに奥には打たせ湯がある。
小さな2つの湯船からは、さらさらと湯が溢れ出ていて、トド寝の古遠部温泉(青森)-温泉手帖♨︎ みたいになってる。
湯の花も積もってぬるりと滑るほど。
特に胃腸湯側は、はっきりと足形がつくくらい湯の花が溜まってる。けど、その足形が見にくいくらい溢れた湯がざばざば押し寄せてくる。
湯船の外を歩くとこんな。そして歩くだけでもあちち。
奥の打たせ湯はばちばちとマットを打ち付けていて、脱衣所まで滝のような音が響いてる。
まわりの床や壁には様々な析出物が育ってる。シャワーはないので、この打たせ湯で髪の毛洗ってた人もいた。もちろん打たせ湯も源泉。ネットで見つけた打たせ湯の分析書、pH 6.7のカルシウム-炭酸水素塩泉ってあった。源泉温度は49.1度。
カランは出入り口のところの一つだけで、お水。
このお水は胃腸湯の加水に使われているので、誰かが蛇口を洗い場側に動かして使っている間は、加水が止まるしくみ。
誰かというか、2泊滞在したけど一度だけ宿泊者じゃない親子と一緒になっただけで、それ以外は誰ともかぶらなかった。
きず湯を飛び越えて加水してる胃腸湯。
ものすごい勢いで湯が投入されてるので、多少の加水は意味ない感じ。
湯船の中の湯口がこれだもの。ものすごい勢いでどばどばぼっこぼっこ源泉が投入されてるので、加水されていても45度はあり、熱すぎて入れない。足をちょっとつけただけで、顔から汗が出てくる。泡付きはなさそう。
もしかしたら混ぜたらもう少し低いのかもだけど、混ぜるのは無理。外に溢れたお湯の湯の花から、こちらの方が成分が濃いのかなと思える。
2つの湯船はそれぞれ源泉が違い、異なる給湯管から注がれてる。
きず湯の湯船はほんと小さくて、1人サイズと言いたいけど、まぁ2人サイズ。誰か入ってたら私は入れないけど。
前はここに湯口があったのかなと思える壁の鱗のような析出物。
西南戦争で傷ついた兵士の治療に使用された歴史があるお湯で、切り傷や肌荒れ、湿疹に効果がある。
透明感があるので、お湯の中にある茶褐色に色付いたパイプの湯口がはっきり見える。湯口で43.5度強。じゅわじゅわと泡が上がってくる。きつくないけど、しっかり金気臭。
妙見温泉には“きず湯”と呼ばれるお湯がもう一つ、すぐそば橋の袂の妙見温泉 おりはし旅館(鹿児島)-温泉手帖♨︎ にも。しっかり泡付きのあるぬる湯の名湯。
こちらのきず湯は、小さな湯船に熱めの源泉がざばざば注がれているので、42.5度から43度弱くらいでめっちゃ熱い。のに、一瞬で泡まみれになる。こんなに熱いのに炭酸が生きてるってどういうことか分からないけど、とにかく泡付きすごい。
お湯の中にも無数の泡が漂ってるのが見える。あっという間に泡まみれで、手を揺すると泡が離れ上っていく。
ふわふわの泡を掌ではらうと、じっとりとしてきゅうきゅうした肌触り。湯が馴染むように染み込む感じがする。
湯からあがると、ねっとり感がすごい。ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉かと思ってたけど、塩化物泉も入ってるかな。遊離二酸化炭素の量は?ん〜、気になる。妙見温泉 石原荘(鹿児島)-温泉手帖♨︎と同じくらいとのグラフを見かけたので、500mgくらいなのかも。
泡に混じって湯の花もすごい量。一回浸かっただけで、爪が黒くなる。鉄分だよね。
大雨で涼しくて過ごしやすく、ゆっくりのんびり温泉堪能できて、すごく良かった。連泊して正解。次はもう少し寒い季節に。
帰りに、お初にお目にかかるつばめさん。
居たんだねと話しかけるも、知らんがにゃ。
妙見温泉 田島本館
★★★★
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-炭酸水素塩泉?
49.1度?
pH 6.8?
ℓ/分?
「神経痛の湯」内風呂(男1 女1)「ねむの湯」内風呂(男2 女2)
加水加温循環消毒なし
2024.7 宿泊
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