上越国境にまたがる名峰、谷川岳のふもと、上毛高原駅からバスかタクシーで10分ほどの上牧温泉。旧月夜野町上牧駅近くの利根川を挟んで旅館がある。現在は4軒なのかな。
辰巳館は、歩いて5分くらいの上牧駅だと随時送迎あり。帰りは上毛高原駅まで送迎してくれる。新幹線駅から10分かからない温泉地ってすごいありがたや。
上牧温泉の開湯は大正13年、辰巳館の初代深津謙三が田畑の中に熱源を発見したのが始まり。火山性ではなく、谷川岳の雪解け水が地中に染み込み、17年の歳月をかけて湧き上がってきている温泉。
大浴場は3つあり、全部1階の同じ場所にまとまってる。あと別の階に有料(1時間3,000円)の貸切風呂が2つ。
お茶が置いてある大浴場入り口には、飲泉所の跡がある。
分析書もちゃんと掲示してある。もしかしたら明日温泉粥出るのかなと期待。
大浴場は3つあるけど「ひすいの湯」は終日女性専用。
残りの2つ、隣り合った「はにわ風呂」と「かわせみの湯」は男女入れ替え制で、夜の8時と朝の8時に30分の掃除時間とともに暖簾交換。
「かわせみの湯」には露天風呂の「たまゆらの湯」がついてる。
まずは階段を上った先にある女性専用のひすいの湯へ。
チェックイン直後、めっちゃ空いてた。みんなとりあえず、はにわ風呂に行くみたいで。
洗面台には化粧水などのアメニティが並び、ドライヤーもある。体重計だけじゃなく、身長測るのがあったので、嬉しくなって測ってみた。なぜか伸びてた。
2面がガラス窓で、とても明るく気持ちのいい浴室。清潔感があり整頓されていて爽やか。
左の壁際に洗い場。シャワーが4つ。
右側にL字型の湯船。タイルが翡翠色なのかな。薄い黄緑が明るさを増して見せる。
洗い場側にどんどん湯がかけ流されてる。切り込みの排湯口からはもちろん、
サイフォン式でも。これは気持ちよく入れる。
角にある湯口は、石に囲まれた
なんと、埴輪。なんか溺れてるみたいで気の毒。頭上の湯温は43.5度弱。源泉温度が41度なので、熱交換器で加温してる。
この日の湯船は40.5度弱。ここが一番ぬるめの湯船だった。
泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉。じっとり肌に沁み入るような肌触りで、湯から上がるとねっとり肌の塩化物泉。pH 7.9の弱アルカリ性。
埴輪の周りはカルシウムの析出物のような白い塊が、がっちり付いてる。
塩素じゃない消毒剤を使用していて、何かの匂いは感じるけど、塩素臭ほど気にならない。
湯底からも加温湯が投入されてるのか、もしかしたら循環併用なのか分からなかったけど、
湯に浸かると排湯口じゃないところの縁からもざばっと湯が溢れ出て、すごく気持ちのいい湯船。翌朝10時までずっと利用できる。全41室だけど、この女湯のおかげで、混雑を回避できる。
次に真ん中のはにわ風呂。チェックイン直後は混んでたけど、その後はすっかり空いてて独泉。
広い脱衣所で奥にベンチやベビーベッド。ただ、脱衣籠のある棚がL字型なので、脱衣スペースは何人か先客がいたら狭くて使いづらい。
はにわ風呂は、上牧温泉に所縁があり、辰巳館にも訪れていた山下清氏の大壁画『大峰沼と谷川岳』がある。
湯船の中の埴輪は、群馬で出土した古墳時代の珍しいはにわの農夫を模造制作したものらしい。
埴輪の足元の前後に湯口がある。
湯口の周りは白い析出が、湯の通り道は焦茶色に染まってる。この湯船は循環はなく、源泉かけ流し。焦茶色の湯の花がちらほら。
湯口はひすいの湯と同じ43.5度弱の加温湯。湯船が少し深めだからか湯船は40.5度ちょいだった。
縁が手彫りのように抉られてるところが2箇所あり、湯がどんどん溢れかけ流されてる。
硫酸塩泉は肌のハリや弾力アップする美肌の湯で、鎮静作用もある。一番かけ流し感の強いこの湯船にできるだけたくさん浸かりたい。
源泉蒸し風呂付き。
3つ目のかわせみの湯は、3段ほどの階段の下に脱衣所。
朝の8時に再度男女入れ替えがあるので、夕食後から朝食前までの時間に入らなければ逃してしまう。
やはり整頓された清潔感ある浴室。
正面に長方形の内風呂があり、シャワーが8個。手前の2つは手すりや椅子があり、
囲むように2面の壁際が洗い場。湯船に飛び散らないように目隠しか、衝立がある気配り。
総檜の湯船が心地いい。縁からしっかり溢れるかけ流しだけど、循環と併用みたい。
段差の下からも加温湯が投入されてるみたいだった。
戦国武将の兜みたいだなと思ってた湯口は「月夜野びーどろパーク」で制作したオリジナルの特注品だそうで、
月の形を模したガラス工芸と御影石。
湯口から注がれる加温湯は42度弱で、湯船は41度ほどだった。
こちらの浴室には、庭園露天風呂のたまゆらの湯がある。
東屋風の屋根付きで、雰囲気のいい露天風呂。
こちらの湯口も湯船の中も40.5度だったので、一番循環っぽさのある湯船だった。
出入り口側に少しずつ湯が流れ出ていて、ちゃんとかけ流しを併用してるのが、徹底してお湯を管理してるなぁと思えた。
ずっと前からチェックしてた宿だったのだけど、今まで部屋風呂が白湯だったような。リニューアル工事が終わったみたいで、かけ流し温泉付きの部屋が出来たので今回そちらに。
これくらいの大きさの大浴場の宿ある。大きな湯船。
びっくりするほどの湯量のかけ流し。
湯口は42.5度ちょいで、湯船は40.5度と適温。加温してるとはいえ、調節がすごく上手。
湯口に焦茶色の湯の花が溜まってる。
はにわ風呂に浮いてたような焦茶色の湯の花。部屋風呂にも少し。
循環かと思うような湯の流れがあり、ふわふわゆらゆらと心地よく湯が揺れる。ふんわり肌心地。
ふわふわゆらゆらの正体は、湯口下の段差の隙間や、逆サイの湯船の中の湯口からも湯が出てるからかな。
部屋風呂は石と沼の間のような匂い。消毒の匂いなのかな。分からない。
写真撮り忘れたけど、予想通り朝ごはんに温泉粥出た。源泉せいろ蒸しも。夜ごはんの郷土料理いろり献残焼も良かった。
上牧温泉 辰巳館
★★★
ナトリウム・カルシウム–硫酸塩・塩化物泉
41.0度
pH 7.9
160ℓ/分
内風呂3 露天風呂1 貸切風呂2
加温消毒あり 加水なし 湯船によって循環あり
2025.7 宿泊
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