日本三景のひとつ松島は、10年ちょっと前に温泉掘削に成功、現在4本の源泉があり松島温泉組合の加盟施設は7館ある。
2007年(平成19年)にまず最初に仙台急行が掘り当てた源泉名が「松島温泉1号泉」。これが松島としては初めての天然温泉。その後2008年(平成20年)に一の坊、2009年(平成21年)にはホテル壮観が温泉掘削に成功。
開湯10周年を迎えたこの太古天泉 松島温泉。地下1500mから湧き出した温泉は数億年前の天水が浸透し、地熱により温められ長い年月をかけて湯として貯留されていたもの。
仙台からJR仙石線で40分弱で松島海岸駅、東北本線だと30分弱で松島駅。松尾芭蕉も愛した松島の地は、朝陽が昇る松島と月夜の松島がまさに絶景。2回目の松島だけど、今回もまた朝陽は拝めず。
ただ、芭蕉が奥の細道に旅立つ際、その浮き立つ心を「松島の名月がまず気にかかって」と表したという、古くから歌枕としても使われた松島の月は、思いがけず目にすることができた。
夕食時に満月が目の前に昇ってきた宿は、海沿いに建つホテル海風土(うぶど)。
月を見つけて「水菓子はお部屋で頂きます!」と急いで戻った部屋は海に面した中庭があるタイプ。
目の前は松島の島々と漁船。
このホテルを選んだ理由はホテルの名前に「元湯」と付いていたから。また、松島温泉ではほとんど見つけられなかった「かけ流し」の文字も。
温泉分析書を見ると、仙台急行が掘り当てた「松島温泉1号泉」を引いてる。
源泉を持つ一の坊も元湯だけど、かなりの大型ホテル。ホテル壮観も同じく。かけ流しは無理だろうと思うほどの大型ホテルなので却下。
さて、この選び抜いた宿の温泉は。
まずは最上階にある展望風呂「みはらしの湯」へ。4階から階段で向かう。
展望風呂も大浴場も、バスタオルは備えつけてある。すごくいい。しかもふわふわなバスタオル。
洗い場は1つ。部屋に案内される際にお風呂場の説明をされた時、「展望風呂は今の時間が女性専用。でも洗い場が1つしかないのでご了承ください」という主旨の説明を受けた。
だからなのかなぁと考えたのだけど、誰も来ない。とりあえず大浴場って流れなのか。
日本三景 松島の絶景を眺めながらの贅沢な独り湯浴み。
展望風呂は1つだけで、男女入れ替え制。チェックインから夜23時までが女性専用、朝が男性専用に。日の出前(5時くらい)から入れるそう。
湯船の目の前一面の窓が開いていて、時折冷たい海風が吹いてくる。湯温は43度と熱めで、足をつけた時に「げ!熱い!」と思ったけど、海風に当たっているとちょうどいいかも。これくらいの温度じゃないと、きっと寒くなると思う。
ぬるぬるの浴感。お尻が滑るレベルでぬるぬる。
太古の地層で長い年月をかけて温められた松島の温泉はぬるぬるのアルカリ泉でお肌すべすべになる美人の湯。循環ありなのに、これほどぬるぬる感があるとは。
大浴場は1階にあり、24時まで。朝は5時から。
脱衣所も浴室も清潔で気持ちいい。バスタオルあるのも嬉しい。
大浴場は内湯だけだけど、サウナがある。
湯温は42.5度前後で熱め。ぬるぬるだけど、夕方の展望風呂ほどではないかもしれない。
ふと気がついたけど、1日に何回も温泉に入る場合、アルカリ泉のぬるぬるは肌の皮脂が溶けてるわけだから、どんどんぬるぬる感はなくなるはずなのかしら?うーん、分からない。
無味無臭、消毒臭はほとんど気にならない。でも熱くて長湯はできない。
部屋の露天風呂だけ、循環のない掛け流し。
蛇口をひねって自分で湯を入れる。湯温の調整して下さいというカランがあるけど、触らなかった。
熱いお湯を溜めて、いい加減冷めた頃に入り、冷え過ぎたら湯を足す方式で好きな時に何度も。
湯は足すと、湯船から外にざーざーと掛け流されていく。
循環じゃないだけで、やっぱり気持ちよく感じる。
とろんとした浴感でぬるぬるがいい。加水加温ありで、こんなにぬるぬるなのか。
露天風呂には屋根があって、多少の雨も大丈夫そう。シャワーも付いてる。そういえば、ドアを開けて見なかったけど、洗面所の向こうにも浴室がありそうなドアがあった。そっちでも体洗えたりしたのかも。
西行戻しの松公園からの、桜とピンクに染まる朝焼けが見たかったんだけど、あいにくの曇り空だった。またリベンジしたいな。
松島温泉、加水や循環で嫌だなと思ってたけど、実際入ってみるとぬるぬる感強くて、悪くなかった。
松島温泉 ホテル海風土
★★
51.2度
pH 8.6
385.8ℓ/分
内湯(男1女1)展望風呂1(男女入替制)
加水加温循環消毒あり 客室露天は循環なし
2019.4.20 宿泊
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