小野川温泉 河鹿荘(山形)

小野小町に由来する小野川温泉は開湯1200年。山形新幹線で東京から2時間ちょっとの米沢から車で20分。米沢の奥座敷と呼ばれる温泉地で、かなりアクセスしやすい。

 

f:id:ayumu27:20210520012805j:image

 

平安時代歌人、日本美人の象徴としても有名な小野小町が1200年ほど前、父を探しに京都からみちのくへ旅立ち、病に倒れた時にこの温泉に浸かり、病も癒え絶世の麗人に生まれ変わったという伝説が残っている。

 

f:id:ayumu27:20210520012729j:image

 

河鹿荘は、2,000坪の敷地に鬼面川とつながる大きな池を有し、その名の通り蛙の声が聞こえる自然豊かな宿。池を囲むようにいくつかの棟があり、大きな旅館のように感じるけど、客室数31室と想像以上に少ない。

 

f:id:ayumu27:20210520012921j:image

 

大浴場は内風呂のみの「あさみどり」と、露天風呂付きの「せせらぎ」の2種類で、1日に2回、朝夕8時に女湯と男湯が入れ替わる。

 

f:id:ayumu27:20210520012915j:image

 

あさみどりは玄関ロビーからひたすら廊下を歩いた先の池の向かいにある。さらにその左奥には貸切風呂。

 

f:id:ayumu27:20210520012720j:image

 

鍵付きロッカーもあり、日帰り入浴も受け付けている。洗面台にあるのはドライヤーのみで、アメニティなどはない。

 

脱衣籠は間引きされていて、8つだけ。

 

f:id:ayumu27:20210520012815j:image
脱衣所から階段を数段降りたところに浴室がある。

 

f:id:ayumu27:20210520144632j:image

 

一面窓ガラスで、天井もものすごく高く、開放的な空間はホールのロビーみたいな感じ。

 

f:id:ayumu27:20210521172545j:image

 

洗い場は両端にあり、右手に3つ、

 

f:id:ayumu27:20210520164940j:image

 

左手の階段裏に4つ。

 

f:id:ayumu27:20210520164937j:image

 

湯船は結構な大きさで、右奥に湯口があり、

 

f:id:ayumu27:20210520012741j:image

 

2つに仕切られている。

 

f:id:ayumu27:20210520170006j:image

 

右があつ湯、左がぬる湯。あつ湯の湯底にはふさふさの白い湯の花がたくさん溜まってる。

 

f:id:ayumu27:20210520170011j:image

 

わっくわくしてあつ湯に入っていくと、あっつい熱い。湯口近くじゃなくても45度。

 

f:id:ayumu27:20210520012933j:image

 

加水、加温、循環してない源泉100%のかけ流し。小野川温泉は温泉協同組合が源泉井戸を集中管理し、各宿へ配湯してる。

 

f:id:ayumu27:20210520012918j:image

 

現在は2本の源泉があるけど、昔は高温泉のみ。伊達政宗が入ってた時代は加水してた。

 

平成20年に低温泉の掘削に成功。現代では2本の源泉をブレンドし適温での入浴が可能になってる。

 

f:id:ayumu27:20210520013122j:image

 

夕方は熱すぎて湯口に近づくことが出来なかったのだけど、翌朝8時に入れ替えした後にもう一度来たら43.5度ちょいだったので、湯口が見えた。

 

なんと2つの穴があり、67.5度と24.6度の異なる湯温が投入されてた。

 

f:id:ayumu27:20210520013143j:image

 

湯口から湯船に落ちる時点で47度弱。

 

泉質は2本とも含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。4号源泉は78.8度の高温泉でpH6.8の中性。5号源泉が35.6度の低温泉でpH7.5の弱アルカリ性

 

f:id:ayumu27:20210520230509j:image

 

どちらも毎分1,000ℓほどの湧出量があり、この宿では、高温泉を60ℓと低温泉を40ℓ引き湯している。

 

f:id:ayumu27:20210520013133j:image
消しゴムのかすのような白い湯の花がたくさん舞っていて、湯底にも積もってる。

 

手前側が浅くなってるけど、湯温はほとんど変わらず熱い。

 

f:id:ayumu27:20210520013126j:image

 

仕切りの上からは湯が行き来することはなく、数ヶ所開けられている隙間からだけ。

 

f:id:ayumu27:20210520012800j:image

 

ぬる湯エリアも段差が広くとってあり、浅い部分がある。

 

f:id:ayumu27:20210520171154j:image

 

とにかくあつ湯が熱いので、ぬる湯もかなり熱い。夕方は42.5度。足湯だけでも汗だくになる。

 

翌朝は41.1度で、やっとお湯を味わえた。

 

f:id:ayumu27:20210520012828j:image

 

ざらりと肌になじむお湯で、湯上がりに少しだけひりっとする塩化物泉感もある。お湯から出した肌はねっとり。メタケイ酸も66mg(混合泉だと100mg)含まれてるし、肌の保湿効果がある。

 

f:id:ayumu27:20210520012754j:image

 

ぬる湯の湯の花は白い埃のようなので、底にふさふさ漂ってる。

 

翌朝の溜まり方はすごかった。

 

f:id:ayumu27:20210520013232j:image

 

白い湯の花は硫黄成分なのかな。硫黄は余分な皮脂を取り除いたり、メラニンの生成を抑制する美白効果がある。でも、ほんのりしか匂わない。

 

f:id:ayumu27:20210520013224j:image

 

河鹿荘は源泉井戸までの距離が近くて、どちらも70~100mほどのところにあるらしい。新鮮なお湯だと効果がちゃんとある気がして有難い。

 

f:id:ayumu27:20210520012947j:image

 

貸切風呂が一回無料だったので、時間を予約して行ってみる。

 

f:id:ayumu27:20210520012726j:image

 

隣の大浴場あさみどりと同じで、脱衣所から浴室に降りてく作り。ガラス張りに、高い天井。大きな浴室を仕切って、あさみどりと貸切風呂で分けてある。

 

f:id:ayumu27:20210520012929j:image

 

もともと大浴場として利用されていたみたいで、脱衣所も浴室も広々。大浴場と変わりない。

 

洗い場は広いスペースだけど、2つだけだったような。

 

f:id:ayumu27:20210520012849j:image

 

大きな湯船で、かなり広い部分、半分くらいが浅くなってる。

 

f:id:ayumu27:20210520012750j:image

 

でも43度超えで、熱すぎる。

 

f:id:ayumu27:20210520012857j:image

 

湯口からは49.6度のお湯が出てた。

 

f:id:ayumu27:20210520012842j:image

 

せっかく浅い部分があるけど、そこも43度弱で、半身浴にしても熱すぎる。

 

f:id:ayumu27:20210520012925j:image

 

白い湯の花が漂ってるけど、大浴場ほどではない。

 

f:id:ayumu27:20210520012953j:image

 

夜の8時から朝の8時まではせせらぎが女湯。こちらは帳場の近くの階段を上がった廊下の先にある。エレベーターがないみたいで、夜に一緒になったおばあちゃんがめちゃくちゃ苦情を言ってきた。私に言われても‥。

 

f:id:ayumu27:20210520125121j:image

 

入り口を入ると左右に脱衣所がある。

 

f:id:ayumu27:20210520125041j:image

 

左手にも、

 

f:id:ayumu27:20210520125124j:image

 

右にも。

 

f:id:ayumu27:20210520125146j:image
つまり、こういう。きっと昔は混浴だったんだろうな、と勝手に想像。

 

こちらも脱衣籠が間引いてあり、左右に4つずつ。

 

f:id:ayumu27:20210520125033j:image

 

浴室から見た脱衣所。出入り口が2つ。

 

f:id:ayumu27:20210520125056j:image

 

古代ローマ風呂風の円形の湯船。

 

f:id:ayumu27:20210520125155j:image

 

レトロなタイル張りで、結構大きな湯船。洗い場は両側にある。

 

f:id:ayumu27:20210520125117j:image

 

東北の温泉だから、というわけじゃないけど、あつ湯文化なのかな。湯船は42.5度。なかなか入っていられない温度。

 

f:id:ayumu27:20210520125128j:image

 

湯口からは47度の源泉。湯口の近くにいくと、ふわりと硫黄が匂う。香ばしくて、少ししょっぱい。

 

お湯からあがると肌がねっとりする。塩分が濃い。

 

ちょっと前によく目にしてたORP(酸化還元電位)。小野川温度の源泉はマイナス290mvで、体の酸化をくい止める若返りの湯といえる。榊原温泉 まろき湯の宿 湯元 榊原館(三重) – 温泉手帖♨︎がマイナス225mvだった。俵山温泉でマイナス100〜200mvとか。

 

f:id:ayumu27:20210520125150j:image

 

露天風呂は周りが広くて開放的なので、露天感が強いけど、屋根があるので雨でも平気。

 

もう一方の大浴場あさみどりと同じく、あつ湯とぬる湯の2つの湯船がある。

 

f:id:ayumu27:20210520125104j:image

 

広くてL字型があつ湯。深さがあったような気がする。

 

f:id:ayumu27:20210520233953j:image

 

正方形の小さいのがぬる湯で、こちらは座ると胸までぐらいの浅さ。

 

f:id:ayumu27:20210520125113j:image

 

湯口は真ん中にひとつだけ。というか、湯口が二つある湯口。

 

f:id:ayumu27:20210520125131j:image

 

あつ湯の湯口はかなりの湯量が勢いよく投入されている。52度の源泉で、湯船は42.7度とやっぱりあつ湯。

 

f:id:ayumu27:20210520125030j:image

 

二つの湯船の境は緩めの木で、ほんの微妙に湯が通ってるぐらい。
ぬる湯の湯口は、初めは出てないのかなと思ったくらいに絞ってあり、湯船は41.7度。湯口には白い湯の花が枝垂れてる。

 

f:id:ayumu27:20210520125023j:image

 

硫黄の香りがしっかりして、少ししょっぱい。暗い時間に入ったけど、湯の花がさわさわ漂ってた。

 

マイナスイオンの量が国内でも屈指らしく、滝壺周辺のマイナスイオンが2~3万/ccぐらいなのに対して、小野川温泉の源泉は140~160万/cc以上だとか。こんなに大量のマイナスイオンが含まれている源泉は、国内で3ヶ所しかないのだそう。あとの2ヶ所ってどこ?調べても分からない。

 

あ、マイナスイオンは、生活習慣病や老化の主原因といわれる活性酸素を取り除いてくれる。

 

f:id:ayumu27:20210520125109j:image

 

あ、露天風呂の向こうは、なんか滝みたくなってた。

 

平成28年に半露天風呂付き客室が3室作られたので、そちらに宿泊。

 

f:id:ayumu27:20210521165227j:image

 

清潔な石風呂で、シャワーもある。大浴場も客室風呂も、かけ流しだけど、湯船から湯が溢れ出てはいない。サイフォン式とかで、湯底から湯が排湯されるようになってる。

 

f:id:ayumu27:20210521165248j:image

 

池と桜の木を眺めながら入れる。桜は全部散ってたけど、緑が綺麗。

 

f:id:ayumu27:20210521165256j:image

 

部屋のお風呂は、加水しながらの源泉かけ流し。初めの湯船は41.2度くらいだった。水は自分で止めることができる。源泉が熱すぎるから、水を止めないでとは言われたけど。

 

f:id:ayumu27:20210521165252j:image

 

水を止めてみると、湯口からは68.5度の源泉が出てる。高温泉のみのかけ流しなのかな。適度に加水しながら入れるみたい。

 

これ、水のカランが低温泉だったら最高なのにね。

 

f:id:ayumu27:20210521165259j:image

 

糸くずのような白い湯の花が少しだけ。

 

f:id:ayumu27:20210521165240j:image

 

桜が終わっていて残念だけど、池には蓮の花。

 

f:id:ayumu27:20210521165231j:image

 

玄関横にある足湯小屋は誰でも利用できる。

 

f:id:ayumu27:20210520125100j:image

 

飲泉処もあったけど、なぜか行きそびれた。飲泉は、糖尿病、痛風、慢性便秘、慢性消化器病などに効く。

 

 

小野川温泉 河鹿荘
★★★★
[4号源泉]
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
78.8度
pH 6.8
[5号源泉]
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
35.6度
pH 7.5
加水加温循環消毒なし

コメント