ずっとずっと来たかった足元湧出の温泉、千原温泉。明治開湯で「やけど、切り傷、皮膚病などに効く」とされ湯治、療養が行われてきた千原湯谷湯治場。
温泉津温泉から車で1時間。出雲空港からは1時間半。国立公園 三瓶山の南側。細い山道を奥へと進みやっと辿り着く秘湯。
かつては療養目的以外では入れない本格的な湯治場だった。代が変わり、今では誰でも日帰り入浴を受け入れてくれる。大人500円。
2階にある有料休憩室は、5時間1200円で布団まで用意されている。日帰りだけど湯治のように数回長湯を楽しめる。
十数年前には鄙び過ぎた温泉として家族連れや女子、綺麗好きが来るところではないとされていたみたいだけど、
びっくりするほど小綺麗で、清潔に整った施設だった。
脱衣所で着替えを済ませて階段を下ると、念願の湯船が現れた。
あぁ、感動。やっと来られた。
黄褐色というか、黄土色に濁った湯船の底は板。板の間からぼこぼこと炭酸ガスの泡が湧き出ている。
木枠にはびっちりと析出物が付き、もはや木枠かどうかも分からない。
ぬるい!35度!超気持ちいい!ほどよいぬるさ。ぬるいのに、濃厚な温泉成分と炭酸効果で体が温まるのが分かる。全然冷たく感じない。全く寒くない。本当に心地よいぬる湯。
冬場は上がり湯に、薪で炊いた五右衛門風呂が準備される。
例えば、36度のラジウム泉は寒くて、冷たく感じる。やはり成分や泡はすごい。全く冷たく感じない。少し入ってるだけで身体がポカポカしてきて、血の巡りが良くなってくるのがわかる。ほんのり金気臭。
足元からは見た事もないほど大小様々な泡がぼこぼこと上がってくる。体がくすぐったい。
多分泡付きもしっかりあるんだろうけど、それどころじゃないレベルのぷくぷくぶくぶく泡が肌をくすぐり続けてる。
ガスの発生に気をつけて、扇風機が回っているほど。
旧泉質名だと、含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。最新のものだと、ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。
温泉水1kg中に10gもの温泉成分が含まれている。人間の体液の9gよりも成分が濃いため、浸透圧により細胞膜を通して体内に浸透していくらしい。
湯が肌にしみこむ感じで、じっとりして、きゅっきゅする肌触り。
しょっぱくて甘みがある出汁のような味で少し鉄の味も。肌にしみるような塩化物泉ではない。
湯上りの肌はしっとりして、つるすべになった。
男女の浴室は隣り合い、木造の板で仕切られて、上の方は空いている。しーんと静まり返り、泡のぽこぽこ、ぼこっぼこっという音だけが聞こえる。
1時間きっちり入って上がったあとも身体はぽかぽかだけど、汗は全く出ず爽やかで気持ちいい。夏にこの38度の猛暑にぴったり。
脱衣所で着替えてたら、おへそに茶色の湯の花が溜まってた。
日帰り入浴の時間は8時から18時まで。
またすぐ来たい。
千原温泉 千原湯谷湯治場
★★★★★
ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
34.5度
pH 6.5
内湯(男1女1)
加水加温循環消毒なし
2018.7.15日帰り入浴
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