東京駅から1時間ちょっとで行ける湯河原温泉。湯河原駅は新幹線の熱海駅から東海道本線で5分ほど。温泉街まではタクシーで10分弱。
今まで奥湯河原温泉には3回来てる(奥湯河原温泉 結唯(神奈川) – 温泉手帖♨︎、奥湯河原温泉 海石榴(神奈川) – 温泉手帖♨︎と奥湯河原温泉 加満田(神奈川) – 温泉手帖♨︎)けど、温泉街がある湯河原温泉に泊まるのは湯河原温泉 懐石旅庵 阿しか里(神奈川)-温泉手帖♨︎に続いて2回目。
源泉 上野屋は国の登録有形文化財の宿。創業三百余年、江戸時代から続く湯河原一の老舗旅館で、水戸光圀公も湯治に訪れたそう。
大浴場の他に貸切風呂「洗心の湯」が2つ。チェックイン時に予約し、無料で入れる。まずはそちらに。
4階にあるので、こんな立派な急な階段を登っていく。木造建築の本館の一部がなんと5階まであろうとは。
この地図を見ると、以前は貸切風呂じゃなく、小浴場みたいな扱いだったのかも。
「千歳」と「藤木」。眺望とかはあまり変わらないけど、藤木の方が広々だよと教えてもらって、手前の藤木を予約。どちらも湯河原を流れる清流の名前。
時間になったら帳場で鍵を受け取り、自分で開けて入る。宿泊者が多くない日は、空いていたらご自由にどうぞの方式らしい。
だからか、中から鍵をかけて電気を付けたら、廊下や階段途中にあったこのお知らせ看板に、入浴中の灯りが付く仕組み。レトロで可愛い。村杉温泉 角屋旅館(新潟)-温泉手帖♨︎が同じようなのだったな。
洗面台もある広めの脱衣所。
あ、貸切風呂は両方とも露天風呂。
シャワーも2つあり、シャンプーなども置いてある。
3、4人サイズのゆったりした湯船。
手前側の床が溢れたお湯で暖かい。
サイフォン式なのかな。下にしか穴がない。
澄んだ透明なお湯がなみなみ。ざぶんと入ると縁の全面から湯が溢れ出て気持ちいい。う〜、独りで貸切露天風呂最高かな。
目隠しがあるから、入りながらの眺めはないけど、外の自然の空気が心地いい。しとしと雨でひんやりした山の空気をしっかり感じる。
隙間からのぞいて見える源泉。敷地内に湧いてる。あぁ、ほんとの新鮮な源泉かけ流しに入れてるんだなって、目に見えて嬉しくなる。あ、23号泉って書いてある。
上野屋は源泉 上野屋という宿名なくらいで、自家源泉を持つ宿。パンフレットには2本の源泉があると書いてある。
分析書にある源泉は、湯河原第22号源泉。2本の混合なのか、内1本なのかなと疑問に思ってたけど、露天風呂から見える源泉が23号ってことは、単独の別のか。
源泉温度は81.5度とかなり高温。湯口で66度弱。湯口の近くは43度くらいだけど、離れた端だと42度ちょい。
ふんわりした湯感触でいかにも新鮮な源泉。源泉かけ流しだけど、湯張り時に加水するのだそう。十分な量がかけ流されてる。
貸切風呂の横の階段をさらに登った5階に足湯「仄幸の湯」がある。
貸切風呂を出たあと、このまま階下に降りたら、もう2度とここまで登って来られないとの確信から、この足で登らなきゃと。
急にお洒落空間。左は和室の休憩処。足湯用のタオルもちゃんと置いてあり、寒さ対策の上着まで。
なんと自動ドア。艶々の木の階段を5階まで上がってきたら、自動ドアがあるとは。そして真新しく見える綺麗な足湯エリア。
いくつかに分かれた湯船で総檜造り。通路にはマットまで敷いてあるし、この足湯へのこだわりはすごい。
貸切露天風呂と同じ向きの眺望。霧のかかる山々に、桜も咲いていて、雨でも気持ちいい。
貸切風呂の鍵を時間内に返しに行かなきゃいけないから、利用できなかったけど、とても良くできた足湯に驚いた。
大浴場「六瓢の湯」は一階の帳場の向かい。一晩中入れるけど、朝は8時半から掃除で早めに終わる。塩素消毒もしないかけ流しで、換水清掃後に熱い源泉で湯を溜めることを考えたら仕方ないか。
夜の10時に男女入れ替え。
脱衣所は決して広くはないけど、洗面台もあり、貴重品ロッカーもある。浴室への扉は自動ドア。めずらしい。
御影石風呂と桧風呂がある。こちらは縁が檜だから桧風呂の方かな。
右手前に洗い場、シャワーが3つ。
檜の縁からちょろちょろと湯が流れ出てる。檜というより、レトロなタイルの湯船だね。
5、6人サイズかな。全18室だし一晩中入れるので、それほど混んでなくて十分な広さ。
湯口が2つ。
もこもこ析出物に覆われてる瓢箪湯口からは65度の源泉が出ていて、一旦囲われた湯桶的なところに入る。ここで61.5度。
で、この湯桶的なものの下部にあるパイプから湯船に注がれる仕組み。湯船の湯温は42度割れ。お見事です。
しかも、もう一つの湯口はなんと、源泉冷し湯。源泉冷し湯もっともっと出てくれたらいいのにと思わずにはいられない。
十分なかけ流し。
湯口の反対側は段差があり、座り湯できる。
湯船から脱衣所見るとこんな感じ。掃除も行き届いて気持ちのいい浴室。
夜の10時から翌朝までは、お隣のこちらが女湯に。
こちらの方が脱衣所が広い。
扉はやっぱり自動ドア。ぐずぐずしてると挟まる。
浴室もこちらの方が広く、湯船も2つ。
シャワーは同じで3つ。
結構大きな湯船。御影石の縁から、さらさらと湯が溢れ出てる。
小さな正方形の湯船は熱めの湯。
雷おこしみたいな縁からかけ流し。
泉質はナトリウム・カルシウム–塩化物・硫酸塩泉でpH 8.5の弱アルカリ性。
塩化物泉は保温効果があり、新陳代謝を早め傷回復を促す。カルシウム–硫酸塩泉は、鎮静作用、皮膚細胞の再生、ハリ改善など美肌効果もあるので、昔から「傷の湯」と称されている源泉。肌触りもよく、まろやかなお湯。
湯口側は浅めになっていて、端っこには座り湯できる段差もある。
大浴場は無病息災を願い名付けられた「六瓢の湯」。この瓢箪湯口、何かに見える、なんだろうと昨日から考えてたけど、オランジェットか。
石のような匂いで、わずかな塩気のほんのり出汁味。じっとりし肌にきゅうっと吸い付くような肌触り。
大きな湯船は42.5度で、熱めの湯船は44度超え。
2つの湯船に、交代で多くの源泉が投入されてるみたいで、どちらかにざばざばと勢いよく注がれてる。
投入された源泉は、この湯桶の下部から湯船へ。
湯上がりの肌がねっとりで、塩化物泉だったんだと改めて実感する。
全18室の内3室が温泉風呂付。檜か伊豆石の湯船。
伊豆石の方だった。枕木もちょうどよく、ひとりで入るのに快適な湯船。
ちょろちょろとかけ流されてる。
チェックイン時は42度。湯張り時のみ加水がするそうで、その後は湯口から熱い源泉が注がれるかけ流し。
最高なことに、冷やし源泉蛇口がある。熱い源泉蛇口も。素晴らしい。温度調節自由自在。
湯張り時にこの冷まし源泉を利用して湯温調整し、加水なしにすることって出来ないのかしらと何度も何度も考えながら過ごした。
湯河原温泉 源泉 上野屋
★★★★
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
81.5度
pH 8.5
108ℓ/分
内風呂2 貸切風呂2
加水あり 加温循環消毒なし
2023.3 宿泊
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