草津温泉 旅館たむら(群馬)

はじめて足を踏み入れた裏草津。といっても湯畑から3分ほどで、草津温泉バスターミナルからも歩いて5分。

バスターミナルまでは軽井沢駅からバスで1時間半弱。すっかり虜になってる草津温泉。

位置関係を把握したことなかったけど、あっちが草津温泉 大滝乃湯(群馬)-温泉手帖♨︎ なのか。

お洒落エリアに生まれ変わった裏草津に、江戸末期からある創業150年、現在7代目の旅館たむら。

草津の主要6源泉のひとつ地蔵源泉の目の前に建つ、地蔵源泉かけ流しの宿。

総客室14室だけど、コロナ以降なのか、7室で営業し、残りの7室を食事専用個室として利用してる。

あぁ、浴衣に宿名入ってるの可愛すぎる。

大浴場「永楽の湯」は1階帳場の向かいにあり、翌朝9時半まで一晩中利用できる。

貸切風呂2つも同じところに並んでいて、空いていれば1回40分で、いつでも自由に入れる。

まずは左端の女湯へ。

脱衣棚に籠が3つ。小さめの洗面台もあるけど、こじんまりした脱衣所。アメニティはなく、ドライヤーのみ。部屋には「華ゆら」という草津温泉女将会プロデュースの美容液だけ置いてあった。シャンプーもそのシリーズ。

扉を開けると硫黄の香り。浴室はそれほど小さいわけではないけど、洗い場のシャワーは2つ。奥の窓側にある内風呂は、それなりの大きさ。

ほんのり青みがかってるように見える。想像より透明度が高い。床の柄かタイルの剥がれかと思ったけど、湯底に白い湯の花がたっぷり溜まった形だった。

足を入れるともわっと舞い上がり、一気に濁り湯に。

いや、あつっ。かなり熱い。この日は44.5度超えてた。地蔵の湯は他の草津の源泉に比べてぬるいと思ってたのに。

そしてお尻をつけるのを躊躇するはどの深さ。いや、その前に身体全部つけるのをためらうほどの熱さよ。

とぽとぽと注がれている源泉は湯口で50度。源泉温度が48.4度で、加水も消毒も何もなく源泉かけ流し。湯口の周りには酸性泉らしい黄色の析出物。

地蔵の湯はアトピー性皮膚炎、ステロイド皮膚症などの温泉療法として利用される湯で、泉質は酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉。pH 2.1の酸性で、強い殺菌作用がある。

しっかり縁から溢れ出てくるお湯は、ぐるりと廻され、

洗い場のシャワーと同じ配湯溝へ。

酸性で肌がちりちりするのか、熱くて関節がずきずきするのか分からないけど、1分も入っていられない。それでも汗だく。

熱すぎて出鼻を挫かれてしまったけど、いそいそと隣の貸切風呂にもチャレンジしてみる。

出入り口の木札を[空いてます]から[入浴中]に裏返して利用する。

女湯と男湯に挟まれた「丸風呂」。

小さいけど、洗面台まである脱衣スペース。

女湯と同じく洗い場にはシャワーが2つ。立派な湯揉み板を見て、やっぱり熱いのかなと不安になる。

女湯よりも濁りが強く、底が見えない。

湯面には白い湯の花が少し浮いていて、

どんどん外へ溢れ出ていく。

すごく大きな湯船だけど、そうだよね。女湯よりは小さいのだからやっぱり熱いよね。少し湯揉みしても45度。浴衣脱ぐ前に測って正解。これはシャワーで加水してもいいのだろうか。ルール分からないからやらないけど。

50度の熱い源泉が注がれる竹の湯口は、下部がクリーム色に。湯の花が溜まってる。

右端にあるもう1つの貸切風呂は「岩風呂」。

この脱衣所が3つの中で一番広い。洗面台も2つ。

洗い場も広くて、スペース的には女湯より大きく見える。奥にブルーの湯船。

洗い場の排水がイマイチみたいで、あとちょっとで、溢れた下水が湯船に流れ込みそうだった。気が付いてシャワーの使用をやめたのだけど。改善してたらいいな。

一見すると露天風呂なのかなと思うけど、窓も閉まってるし完全な内風呂だった。スペースは広いけど、湯船は女湯の半分以下のサイズ。手前の段差は見えてる、微白濁っていうのかな。

こちらも50度の源泉が遠慮なく注がれていて、45.5度と一番熱かった。湯船の壁面が酸性泉らしく緑色に染まってる。湯底にも湯面にも白い湯の花がたくさん。

地蔵源泉の湧出量は毎分252ℓと、4,040ℓの湯畑源泉や、万代鉱の6,200ℓに比べ主要6源泉の中では最も少ない希少な源泉。

2023年にリニューアルした温泉内風呂付きの部屋「百合」は、贅沢にも地蔵源泉かけ流し。

ちょっと見たことない造りかも。入りやすいように段差付けてるのかな。心地よい浴室だった。

ただ、窓を開けて、湯温の上昇を防ごうとしたけど、網戸なしの窓で夜は断念。朝は開けてたら、蜂が入ってきててちょっとバトルだった。

見た目以上の広い湯船で、大人2人余裕で入れる広さと深さ。お尻がつるつるで滑るので注意が必要な陶器。入れ立て新鮮だからか、くっきり透明。

部屋が2階だからか、湯口は大浴場よりほんの少し低くて49度。湯船は41.5度から42.5度ほどの、どの湯船よりもぬるめだった。

苦みの少ない爽やかなレモン味。初めはふわふわの肌触りで、きゅうきゅうと吸い付くようなきしみはあるけど、肌にじんわりと染み込む感じがある。部屋風呂は何回入っても、不思議なほどちくちくしなかった。殺菌作用はもちろん、メタケイ酸が214mgと多い、保湿効果のあるお湯でもある。

チェックイン直後の入れ立て時は、アンモニアみたいに鼻をつんとつく硫黄臭だったけど、お湯がちょっとずつ熟成されてくるのか、時間が経てば経つほど、香ばしい硫化水素臭に。脱衣場辺りを通るだけで、心地いい硫黄の匂いがぷんぷんするようになっていった。

白い湯の花もどんどん増えていき、翌朝はブルーがかった濁り湯に。

地蔵源泉を適温で入れる部屋風呂が最高。万が一熱すぎても、シャワーで加水することが可能だし。またこの部屋に泊まりたい。

 

草津温泉 旅館たむら
★★★
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉
48.4度
pH 2.1
252ℓ/分(自然湧出)
内風呂(男1 女1 貸切2)
加水加温循環消毒なし
2025.6 宿泊

コメント

error: Content is protected !!