潮待ちの港として栄えてきた歴史ある町、鞆の浦。
広島空港から1時間ちょっと、岡山空港からは1時間半弱。
目の前に弁天島、仙酔島を望む渡船場の横に建つ汀邸 遠音近音(をちこち)。
江戸時代創業の宿屋 籠藤が生まれ変わった温泉旅館で、江戸時代にはシーボルトや十返舎一九、昭和には井伏鱒二が定宿として愛した宿。
今まで海側の建物しか目に入ってなかったので、玄関が素敵で驚いた。
木造本瓦葦べんがら塗りの玄関は、往時の遊郭だった建物を再生したもの。
温泉の少ない広島県に岡山県南。苦渋の決断で鞆の浦にしたけど、食事がめちゃくちゃ美味しいお宿で、また泊まるのもアリ。
浴衣も素敵なのだった。
大浴場はなく、全17室に温泉露天風呂が付いてる。
すべての部屋が瀬戸内海ビューで、潮風を受け、仙酔島や弁天島を眺めながら入浴できる。
湯温をぬるめに設定してもらえたので、有難かったのだけど、想像以上の海風がごーごーと冷たくて、窓が開いてたら寒くて入れず。きっちり閉めて利用。
ぬる湯でゆっくり穏やかに静かに入れる方がいいのでいいのだけど。
湯口には髭のように白い析出物。湯の中には、汚れかもと思うくらいの白い湯の花が少し。
源泉は17度で加温の循環。湯温は38度にしてもらえて、ゆっくり長湯できて良かった。循環特有の泡付きもあるけど、きゅっきゅと軋む肌触り。
基本的には循環で、溢れ出ることはない。けど、湯に入って溢れた分はかけ流し。
この辺りの単純弱放射能冷鉱泉。さらりとしたお湯だけど、入った分は溢れ出るのが気持ちいいし、塩素臭も気にならなかった。
さらに湯から出ると、溢れ出た分だけざばざばと湯が補充投入される。
かみのやま温泉 葉山舘(山形)-温泉手帖♨︎の客室風呂や、おごと温泉 湯元館(滋賀)-温泉手帖♨︎の客室風呂を思い出したけど、はっきり仕組みは分からない。
大浴場はないけど、2つの貸切露天風呂「南風(はえ)」と「東風(こち)」があり、無料で45分利用できる。
こちらは南風。
バスタオルやアメニティは備え付いてる。
洗い場にシャワーが2つ。
窓は格子戸で開けることもできる。どっちにしろ丸見え。
眺めはとても良いけど、縁から溢れることない完全な循環風呂。温水プールだと思えばいいか。39.5度と熱くし過ぎてなくていい。
姉妹館の鴎風亭と鞆の浦温泉 景勝館漣亭(広島)-温泉手帖♨︎の湯めぐりサービスがあり、送迎してくれるけど、チェックイン当日のみでちょっと利用しづらい。
駐車場がないので、鴎風亭に車をとめてるのが不便。自分で自由に行けると利用しやすいのだけど。
鞆の浦温泉 汀邸 遠音近音
★★
単純弱放射能冷鉱泉
17.2度
pH 7.2
410ℓ/分
客室露天風呂17 貸切風呂2
加水なし 加温循環消毒あり
2023.9 宿泊
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