会津東山温泉 向瀧(福島)

庭の蛍の季節に向瀧に再訪。でも、遅かった‥。

会津若松の奥座敷、湯川沿いに位置し、橋が多く情緒豊かな東山温泉。天平年間(740年代)に僧行基の発見といわれる歴史のある温泉地。

永観橋の向こうに堂々たる風格で佇むのが、江戸時代中期から会津藩の指定保養所として、狐湯と呼ばれていた向瀧。

向瀧のお風呂は、大浴場が2箇所と貸切風呂が3つ。どれも、一晩中、翌朝9時半まで入ることができる。

貸切風呂は予約不要、時間制限もなく無料で利用できる。

貸切浴室のレトロ看板の階段下に、3つの貸切風呂が並んでる。

階段の手前にはバスタオル。それぞれの浴室にバスタオルが備えついてるの、すごくいい。

一番手前の「蔦」。

細長く狭い脱衣場。

でも浴室は全然狭くない。奥が全面ガラス窓で、天井も高く明るい。

天井には彫刻。蔦の花なのかしら。

真っ白にこってりコーティングされた湯口。

一旦、湯桶に注がれた源泉が、ちょろちょろと湯船に注がれてる。湯温は43度。

大元の湯口は、白いハリネズミのよう。可愛すぎる。

洗い場には鏡、シャンプーなどが揃ってる。

真ん中の「瓢」。

お隣と同じような造りだけど、少しこじんまりしてる。

湯船も小さい。

縁から滔々と湯が溢れ出てる。湯温は44度。サイズが小さい分、とびきり熱い。

こちらの湯口は、白馬みたい。てか、44度って入れるのかな。

こちらも天井には彫刻。これは瓢箪って分かる。

通路の突き当たりにあるのが「鈴」。

広い脱衣場に洗面台まである。

洗い場スペースも一番広い気がする。でも湯船は小さめ。湯温は44度と、真ん中と同じ、とびきり熱い。とはいえ、「蔦」の43度も入れるわけではない。

縁から溢れ出てる湯量は結構な量。

ざばざば投入されてるので、これは熱いわけだ。

もこもこのお姿。結晶化した析出物が、成分の濃さを物語ってる。

天井には鈴。昔からある彫刻なのかな。ものすごい粋だ。

2箇所の大浴場は、湯温が違っていて、玄関近くの「きつね湯」がより熱い。

暖簾をくぐったところにある、大理石を掘り出した洗面台の素敵なこと。

江戸時代に会津藩の保養所だった頃、向瀧は「きつね湯」と呼ばれていたそう。

手前が男湯で奥が女湯。

脱衣所は、薄暗く古びてるけど、広くて清潔。

バスタオルが有り難い。何度も入ろうという気持ちになるし、通りすがりにも入れる。大きな鏡が昔に戻ったような空間。

きつね湯の天井にも。この石は水分を吸収し湯気のしたたりを防ぐ効果のある、国内産のヒル石なのだそう。貸切風呂の天井も同じ石なのかな。

貸切風呂を見たあとだと、すごく大きな湯船に見える。

無色透明のお湯で満たされた水色の美しいタイル。縁は白御影石らしい。

縁からどんどん溢れ出て、白い六角形のタイルを滑っていくお湯。

湯船の周りが洗い場で、もちろんシャワーやカランはないけど、シャンプーなどは揃ってる。

まさかの45度超え。前回は調子が悪いとかで、入れる湯温だったんだけど、さすがに無理。美しい佇まいを眺めるのみ。

自然湧出の3本の自家源泉(向瀧1号、2号、3号の混合泉)を持ってる。引き湯距離はたったの50m

源泉温度が56.6度と高めなので、配管の長さで温度調節してる。

きつね湯はこの自家源泉を、動力を一切使わないで溜めているそう。

壁の鏡とそこに映る洗面台が、湯治場感を増してる。

もう一つの大浴場「さるの湯」は、建物の一番奥にある。

手前が女湯。入れ替えはなし。

脱衣場の出入り口の手前、スリッパを脱ぐところにバスタオル。

決して広くはないけど、一晩中ずっと入れるので、ほとんど人とかぶらずにすむ。

アメニティはなく、ドライヤーだけ。

浴室に繋がる磨りガラスがレトロで萌える。

浴室に入ると、大きな湯船。わ、こんなに大きかったのかと、記憶の曖昧さに驚く。

ゆったりした広さの浴室で、奥のガラス戸の向こうには緑の樹々が広がり、開放感がある。

振り返って脱衣所の方。磨りガラスがぼんやり透けて見えるのがまたいい。

洗い場はシャワーが4つ。

テラスみたいになってるけど、あえて出るところではなさそう。

真夏だけど、窓全開で心地いい風が吹いてる。

美しい湯船。前回はすっごい清潔なタイルって思ったけど、これ、大理石。無知で失礼しました。立派な大理石の湯船です。

白い大理石の縁を超えて、さらさらと湯がかけ流されてる。

周りの床は滑りにくい伊豆石。

無色透明無味無臭の綺麗な湯。肌をさすると、きゅうっと手が吸い付くような肌触り。

ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉は、肌の弾力の回復、保湿効果が高い泉質。手足の温まりが長く続き、お肌はすべすべに。

湯口はやはり、一旦湯桶に投入されたものが、湯船に注がれてる。湯桶の中は44度。

細く少しずつ注がれていて、湯船の温度は41.7度。湯口付近は42度くらい。

その割には縁から溢れ出るお湯の量が多い。

湯口そばの壁にも湯口発見。

ぷくぷくと泡を伴いながら、45度超えの湯が注がれてる。

湯口を触ってみると、焦茶色の湯の花。湯船の中にも少し漂ってる。

湯温的に、私の唯一入れる湯船。

樹々が間近で露天風呂のような感覚。大理石の清潔で綺麗なつるつる湯船は気持ちよく、そよそよ風を感じながらのんびりゆったり入れる。

今回は、ギリギリに蛍がほぼ終わってることが分かったので、中庭が見える部屋じゃなくてもいいやと、温泉内風呂付きの部屋に。

縁側の先の少し下がったところに浴室が付いてる。

登録有形文化財の建物なので、トイレが部屋にあるだけでもいいのに、温泉付きの部屋があるとは。

洗面台もこの中にあるので、手前のタイルの部分を専用のつっかけを履いていく。

とっても小さな可愛い湯船に、ざっばざっばお湯が注がれているので、縁からもったいないほど溢れてる。

白い析出物で丸く覆われた湯口からは、45度超えの源泉が勢いよく泡を伴って出てきてる。小さな湯船は45度弱。

水のカランがついているので、好きな温度に調整して。

私は入ってないけど、うちの人はここしか入ってない。3階から1階の大浴場行くの億劫なのは分かる。

 

会津東山温泉 向瀧
★★★
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
56.6度
pH 7.7
24ℓ/分
内湯(男2女2)貸切風呂3
加温加水循環消毒なし
2022.7.9宿泊

 

♨︎ ♨︎ ♨︎

郡山駅から磐越西線で1時間15分。会津若松駅からは車で15分。天平年間(740年代)に奥羽三楽郷の一つに数えられた東山温泉。江戸時代には会津藩上級武士の保養所として親しまれていたそう。明治6年より会津藩から現在の平田家へ営業を委ねられた向瀧は創業145年。

湯川沿いに佇む母屋は、大正期に建てられたもの。大正から昭和にかけて会津の棟梁が改築を手がけた2階建ての日本家屋は、登録有形文化財の第1号に指定された歴史ある建造物。

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自然湧出の自家源泉3本を有し、完全放流式のかけ流し。温度の異なる2つの大浴場と、3種の貸切風呂がある。

貸切風呂は小さめ。大浴場がだいたいひとりで入れたので、貸切には入らなかった。覗いただけ。

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大浴場のひとつ「きつね湯」は45度の熱めの湯なので、この温泉に来るの躊躇ってたのだけど、今日は源泉の調子が‥湯温低めで‥と、なんとも幸運に41度くらいとのこと!

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入る気なかったきつね湯の一番風呂いただいた。

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シャワーもない湯治場の雰囲気との番頭さんの説明だったので、そんなつもりで入ると、全然。すごく清潔な気持ちのいい湯船。ソープ類もあった。

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そして素敵な析出物。とにかく寒い気温もあってか、大して熱くなく、ひとり風呂だし、気持ちよく温まった。

隣の男湯と上の部分が繋がってて、ひとり風呂同士で会話してたけど、反響してあまり何言ってるか分からなかった。

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源泉から遠ざかるほど湯温が下がる。加温も循環もないかけ流し。

もうひとつの大浴場「さるの湯」は普段は42度くらいらしいけど、今日はもう少し低かった。41度はないような。じっくり入るのにちょうど気持ちいい湯温。少し熱くなってきて、二重窓のひとつを顔幅だけ開けると、すぐに顔が冷えた。外は雪が降り始めてる。

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お風呂は夜通し入れる。バスタオルは各浴室に備え付けで、その都度替えられる。

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さらりとした湯なんだけど、じっくり入ってると、肌にじっとり馴染んでくる。湯上がりはさらさら。無色透明でほぼ無味無臭。

タイルの湯船あまり好きじゃないのだけど、ここの湯船はすごく清潔で気持ちよかった。今までのタイル湯船史上1番清潔。

冬に来た理由は中庭の雪見ろうそく。

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先週暖かくて雪も降らず心配だったけどなんとか見られた。夕方からは雪がちらちら。ほんとに綺麗で来てよかったぁと思った。

でも、雪見ろうそく見てたら、手足の感覚ないほど冷えて、急いでさるの湯に駆け込んだ。バスタオル付きの大浴場最高。なんの準備なく身ひとつでお風呂に行ける。また、雪の季節に来たいな。

 

会津東山温泉 向瀧
★★★
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
56.2度
pH 7.7
27.4ℓ/分
内湯(男2女2)貸切風呂3
加温加水循環消毒なし
2018.1.20宿泊

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