大分市廻栖野にある塚野鉱泉。大分空港からレンタカーで1時間ちょっと。大分市内からは30分ほどの山の中に、雰囲気ある水汲み場が在る。
1884(明治17)年に湯治場として開業。霊泉として130年以上にわたり、体の不調に悩む人を癒やしてきた鉱泉。
泉質は含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉で源泉の温度は15度。
この鉱泉は飲泉がメインで、マグネシウムが多く、胃潰瘍や便秘などの消化器系に効くらしい。正しく飲用すればデトックス効果が高いと九州大学温泉治療学研究所からもお墨付きを得ている。
小屋の工事中みたいだったけど、水汲みは可能。ぶくぶく泡あわと湧いているそう。
というのも、工事中だから入っちゃまずいのかなぁとのぞいただけで、木蓋を開けてまで見なかった‥。
鉱泉は販売もしていて、発送してくれる。
この水汲み場の手前にあるこじんまりした素っ気ない建物が共同浴場。
120年ほど前から入浴を始めたそう。
以前は4軒の旅館で管理していたけど、今は3軒が閉館し山水荘が管理してる。もっと古くは5軒の旅館が立ち並び、湯治客でにぎわっていたとか。
宿から湯小屋までの坂道、脇の溝を強そうな源泉が流れている。
料金は大人200円、小人が100円。
こざっぱりとした脱衣所。今日1日、何人もの人が利用したんだろうなぁという気配を感じる。
シンプルな浴室で、洗い場は広め。シャワーも付いてる。けど、ちょっと水流が弱め。あるだけ有難い。
アメニティ類はなし。宿泊者には歯ブラシなどと一緒にタオルと石鹸が入ってる。
思ったより大きな湯船がひとつ。緑がかった褐色の濁り湯。湯船に浸かると鉄の香り。
溶存物質が12,158mgもある濃い温泉。塩分もかなり多いので、ねっとりした湯感触。
土曜の夜の入浴時間が終わる20時前に入ったので、きっとお湯も相当荒れてたんだろうな。40度くらいだったので源泉だけを足して39度割れに。
湯船の縁やゴミ箱に湿布がたくさんあったから、地元のおばあちゃんたちが入りに来てるっぽい。しかし、ちゃんとゴミ箱に捨てようよ。
朝も入っていいよーと許可をいただき、自分で湯を溜める。
この太いパイプから出るのが加温された源泉。結構熱め。湯が冷めた時はこれを足して暖かくする。
自由に加温源泉や源泉を出して、入浴者が好みの湯温で入れるようになってる。なんとも大らかな。
こちらにある2つの蛇口は、右がただのお湯で左が源泉。
15度の源泉がそのまま味わえる蛇口。湯をぬるくしたい時はこれを出せばいい。
鉄風味のしょっぱい出汁味の炭酸。飲みにくい味。山水荘のロビーにも直接飲泉を引いているみたい。
この源泉を手で受けると泡泡。
遊離炭酸が1170mgと驚異の炭酸泉。比較すると、長湯温泉のラムネ温泉館が1380mgだけど、32度あるから冷鉱泉ではないか。増富温泉 天然岩風呂の宿 不老閣(山梨) – 温泉手帖♨︎が20.7度の冷鉱泉で1160mg。これが近いかな。不老閣は冷たいまま入るから加温湯とはまた違うけど、まぁとにかくトップクラスの二酸化炭素泉。
炭酸水素イオンが3110mgも含まれる重曹泉なので美肌効果もあり。天然の保湿成分メタケイ酸も115mgも入ってる。湯上がりの肌はしっとりで、指先はするするに。
湯面には湯の花やカルシウムの膜が。カルシウムやマグネシウムイオンは神経痛や傷とかの鎮静作用もある。
濃い温泉で効用も様々だろうけど、毎日の掃除大変だろうな。パイプの周りも湯船の中も析出物がしっかり。
入浴時間、大らかに入らせてくれたので、はっきり分からないけど、朝は6時から11時、午後が13時から20時まで。11時から13時が浴室清掃のため入れない時間帯なのだと思う。
朝ごはんの焼き鮭がめちゃんこ美味しかった。
塚野鉱泉 旅館 山水荘
★★★★
15.7度
pH 6.2
4.7ℓ/分 (自噴)
内湯(男1女1)
加温あり 加水循環消毒なし
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