有福温泉 旅館ぬしや(島根)

有福温泉の由来は「古来より名湯がわく福有の里」。聖徳太子の時代から滾々と湧き出ている1350年もの歴史がある温泉地。

 

石見空港から高速で70分ほどの江津市有福温泉町。

 

細い石段の坂道が続く風情が、群馬の伊香保温泉と似ていることから「山陰の伊香保」と呼ばれている。

 

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ここは江戸時代の宿場町で、現存している旅館はその当時に創業していて、旅館ぬしやも寛延元年(1748年)頃の創業。

 

創業時は坂の中ほど御前湯の手前にあったが、上の写真中央の当時の別館(石見神楽が行われている湯の町神楽殿)を残して火事で焼失。温泉街の手前の赤い橋の辺りに建て替えられたそうだけど、道路の拡張工事にあい、温泉街から少し離れた現在の場所に宿を構えることに。

 

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共同浴場有福温泉 やよい湯(島根) – 温泉手帖♨︎で会ったおばあちゃんが、ぬしやで20年も働いてた方で教えてくれた。

 

今は、温泉街の喧騒から離れた山の中にひっそり佇んでる。
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木々に囲まれた立派な母屋。夜の方が建物が分かりやすい。
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母屋を通り抜けた先に大浴場や離れがある。
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まず右手に貸切風呂の建物。その奥が大浴場。男女入れ替えはなく、夜は23時半までで、朝は6時から9時半まで。
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江津市波子町の江戸時代から続いた造り酒屋の酒蔵を移築した浴室。

 

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天井が高く開放感のある内湯。シャワーは仕切りがあるタイプで5つだったかな。
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外観も浴室も酒蔵って感じがしないので、言われないと分からないんだけど、天井の梁がすごい。
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内風呂のこの子も気になるけど、もっと気になるのは循環装置。
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多分、ここから循環濾過した加温湯を投入して

 

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こちら側から湯を回収して、濾過してまた循環させるってことかな。

 

湯船の温度は41度ちょっと。真夏にはかなりの熱さに感じる。

 

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無色透明のアルカリ泉。記載がないので分からないけど、有福温泉の他の源泉がpH9くらいだから、おそらく同じくらいなのかな。少しとろみのあるお湯だけど、消毒臭もするし熱いし、味わうほど浸かってられない。
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この子の口から出てきてるのは、おそらく源泉そのもので、33度弱の源泉が少量出てる。

 

源泉掛け流しの上質の湯ってHPに書いてあるけど、それってどうなんだろう。

 

露天風呂は庭、いや、山の自然を望む。ウッドデッキには出ちゃだめ。
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ゆったりした広さだけど、中央部に入り口の段差があり、見た目ほど広々でもないような。
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こちらも口から源泉が出てる。
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この子たち、石見神楽の大蛇をモチーフに石州瓦の職人が手造りしたものなんだそう。おぉ、石見神楽か、と納得。

 

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自然が目前なだけあって、癒され半分、虫こわいの半分。
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露天風呂は内風呂よりほんの少しマシで41度弱。加温循環なのに、なんでわざわざこんなに熱くするんだろう。

 

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脱衣所はゆったりしていて清潔。化粧水などのアメニティもあり、冷水ポットもある。
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貸切風呂は2つあり、空いていれば木札を裏返し、中から鍵をかけて入る。時間は大浴場と同じ。

 

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石風呂と檜風呂。
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どちらも、出られないけどウッドデッキがあり、その先に山の緑。引き戸がちょっと空いてただけなのに、蚊に追い回された。
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大浴場と同じく循環。湯温は41度。
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パイプからは32.5度ちょいの源泉が出てる。浴室全体に消毒臭を感じる。湯船には入らず。
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もうひとつの檜風呂は、床も木造りでいい雰囲気。
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こちらは41度弱。
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入らなかったけど、やっぱり檜風呂がいいな。入ってないけど。
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部屋は江戸後期に建てられた浜田市旭町の古民家を移築した離れ「ぼたん」。古民家1棟を3分割したうちのひとつ。

 

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この3室の他に、石見地方の杉を使用した1棟建ての離れの和室が2つ、本館に4室の計9つの部屋がある。

 

ぼたんは、唯一温泉が付いている部屋。
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信楽焼の内湯は沸かし湯なので使わず。
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露天風呂には、おそらく虫除けの板。こういうの、ちょっと心が折れる。板に蟻とか蜘蛛とかいたりして。

 

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ふえーんと思いながら板を外し、底に沈んでた葉っぱや、上に浮いてたちょびっとの虫やら葉っぱやらを備え付けの網で取り除くと、その後は大して虫には悩まされず安堵。

 

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源泉かけ流しの露天風呂ということだけど、やはり循環。

 

湯船の中は循環濾過装置で加温された湯が一定の温度を保ってる。ぬるくできないか聞いてみたけど、大浴場や全ての湯船の温度調節が繋がってるので、ここだけぬるく設定は出来ないとのこと。
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湯口の横にあるカランは、壊れていて使用できないので、加水したい場合は内風呂のシャワーで。
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湯温は幸いなことに40度くらいで、大浴場より少しぬるかった。

 

竹の湯口からは源泉。大浴場の湯口と同じく32.5度ちょいの源泉が出てる。朝は0.5度くらい低かったから、外気に左右されてるのかな。f:id:ayumu27:20200831172647j:image

 

源泉は34.5度。元々の温度街の時の源泉なのか分からないけど、引っ張ってくるうちに冷めちゃうそう。真夏だからそうでもないけど、寒い時期は下がるんだろうな。

 

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白っぽい薄茶色の湯の花がふわふわ。消毒臭は少しある。露天だからかそれほどは気にならない。煙たい感じがする。
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縁からある程度はかけ流されていくので、気持ちよく入れる。

 

長い時間入ってたわけじゃないのに、すごい汗が出る。こんなに?ってくらい、しばらく汗が出てた。
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夜中に入ったら、循環装置が稼働してないのか、かなりぬるかったらしい。ぬる湯で気持ちよく長湯できて喜んでた。

 

朝6時頃から加温が始まったから熱くなってきたと聞いて、6時半に入ったら39度割れ。相当なぬるさだったんだろうな。ちょうど良かった。私も朝風呂ぬる湯でよかった。ゆっくり浸かれてアルカリのぬるつる感を少しは感じられた。

 

有福温泉 旅館ぬしや

単純温泉

34.5度

露天風呂付き大浴場2 貸切風呂2

加水なし 加温循環消毒あり

2020.8.29 宿泊

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