黒部峡谷にある黒薙温泉は、黒部峡谷鉄道のトロッコ電車でしか辿り着けない秘湯。
北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅からは、車でも富山地鉄でも20分ほどの宇奈月温泉駅。隣接してる宇奈月駅からトロッコに乗って約25分の黒薙駅で下車。
まずは駅ホーム反対側にある線路の向こう側の階段を登り、山道を約20分、600mほど歩いたところに黒薙温泉旅館の一軒宿がある。
山道と言っても、後曳橋を見たり
水路橋を見たり
と、色々見たいポイントもあり、山の景色を眺めながらなのであっという間。途中に案内の看板がいくつかあるし、1本道なので迷うこともない。
黒薙温泉は375年前の正保2年に発見されたけど、加賀藩が立ち入りを禁止していて、慶応4年に開湯が許可されるまでは、深山幽谷の隠れ湯として利用されていた。
営業期間は4月下旬から11月下旬までで、日帰り入浴は9時から15時15分まで。
駅の看板にもあるこの大露天風呂は、建物とは逆の川沿いを上流側に歩いた先に。こちらは水着やバスタオル巻きオッケーの混浴。
河原に隣接した広さ28畳相当の大露天風呂。天然石でおおわれた野趣あふれる湯船。
女性専用の露天風呂と内風呂は宿の奥、下流側に位置してる。
正面の受付で700円払い、奥に長い宿を靴のまま進んでいく。
階段を降り切ると、右手に内風呂あるよと看板。
ここからさらに降りていくと、男女別の内風呂がある。
とりあえず、ここの出口から女性専用の露天風呂「天女の湯」へ。コロナ対策か、人数制限がある。3人ってかなり狭き門。
ここから建物の外。また階段を降りてく。
振り返ると川沿いに湯小屋らしき建物、あれが内風呂かな。
内風呂はあとで。
外に出て少し下流側に降るとすぐにビニールで囲まれた小さな小屋が、山道からはみ出すように建ってる。
反対側から見るとこんなふう。
こちらが脱衣所。開けてみると、驚くほどちゃんとした木の小屋。籠が3つ。先客が1名でセーフ。
というか、10時45分くらいに宿に着いたのだけど、内風呂は12時まで清掃中と言われた。つまり混浴の露天風呂か、ここしかない。よかったー。セーフ。
脱衣所からは簀子が敷いてあるので、裸で裸足で。
露天風呂の先にある吊り橋は立入禁止。
湯船の手前は板場になっていて、小さなベンチもある。
5人くらい入っても、ストレスを感じないほどの広さ。
大自然。切り立った崖に色付いた紅葉。少し高台から黒薙川を見下ろす露天風呂。
開放的な渓谷美を堪能できる。
こんなに開放的な自然に囲まれた湯船だけど、タープが張ってあるので、虫や葉っぱがそれほど気にならない。
湯口からは50度前後の湯が勢いよく注がれている。98度の高温泉なので、加水してのかけ流し。
湯船の温度は43度くらいで、残念ながら熱い。汗だくになる。
‘出したら止めて’と注意書きのある水のカランがあり、水を出してそのすぐそばにいたけど湯の投入量が多くて、焼け石に水。カランの周りさえもぬるくはならない。
奥に湯が流れ出ていく排湯口があり、豪快にかけ流されている。
河原から湧く黒薙源泉は、なんと毎分2,000ℓもの豊富な湧出量を誇り、この黒薙温泉だけでなく、ふもとの宇奈月温泉郷の湯量すべてをまかなってる。
硫黄の香りがして、香ばしい硫黄泉の味がするのに、温泉成分の中には含まれていないそう。すごい匂うのに。pH8.5の弱アルカリ性の単純温泉。
少し泡付きがあり、ふわぬるの肌触り。アルカリ性で、重曹成分も含まれてる。美肌の湯。
白い大きめの湯の花が舞っていて、消毒してないから塩素臭もなく硫黄の香りで、硫黄泉にしか思えない。
そして、宇奈月温泉 延楽(富山) – 温泉手帖♨︎と同じ源泉とは思えない。やはり元湯。
でも身体には一切匂いはついてないや。
12時まで清掃だけど、11時半くらいからは入れるかもと言われていたので、フライング気味に内風呂へ。1番風呂だ。
こじんまりした脱衣所。鍵付きのロッカーがある。洗面台にドライヤーもある。
シャワーは3つ。清潔なこざっぱりした浴室。湯船はそれほど大きくはない。カランもシャワーも源泉。
向こう岸の紅葉が望める。
内風呂は熱交換器を使用しているため、源泉100%なのだそう。加水なしってことなのかな。
湯船の温度は42.5度ちょっと。ぬるつるの湯感触で、ほんのり硫黄が心地いい。
フライング気味だったので、お湯が一杯じゃなかったのだけど、入ったら洗い場側にかけ流され始めた。
覗くと黒薙川が見える。宿泊者は一晩中入れるそう。
黒薙温泉 黒薙温泉旅館
★★★
98.3度
pH 8.52
2000ℓ/分
内湯(男1 女1)露天風呂(混浴1 女1)
加水あり 加温循環消毒なし
2020.11.15 日帰り入浴
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