東京駅から山形新幹線で2時間20分の赤湯駅。駅から車で8分ほどの赤湯温泉は、開湯928年の歴史と伝統のある温泉地。
ちょうど2年前には赤湯温泉 松島館(山形) – 温泉手帖♨︎に泊まった。今回再訪し、山形座 瀧波へ。
創業100年を超える老舗旅館の瀧波。元は瀧蔵とお波さんの団子屋だったとか。
400年の歴史を持つ伊達政宗ゆかりの立派な茅葺の門をくぐると、上杉藩の大庄屋の曲り家を移築した築350年の母屋。釘を一本も使っていないそう。
東日本大震災をきっかけに経営が低迷し2014年に民事再生法を申請。創業101年目の2017年に「いきかえりの宿 瀧波」から「山形座 瀧波」へ宿名の変更と、全館リノベーションをしてる。
母屋の脇にある飲泉処。紙コップが嬉しい。
赤湯温泉の飲泉はストレス、糖尿病、痛風などに効く。しっかり硫黄の香る香ばしい源泉で、塩気がある。
くぅ〜。蛇口に連なる湯葉のような湯の花がたまらない。
この湯の花見ちゃったら、温泉への期待が猛烈に高まる。早くお湯につかりたい。
男女別の大浴場は男女入れ替えなしで、翌朝10時まで一晩中入ることができる。
こじんまりしたお洒落な脱衣所。全室露天風呂付きなので、このくらいのサイズで充分。誰ともかち会わなかった。
バスタオルとフェイスタオルは備え付け、足拭きマットまで置いてある。クレンジングと化粧水は使い切りの個包装。
広いけどなんとなく閉塞感のある洗い場。両側に3つずつシャワーがあり、きっちり仕切りがある。
こんなに天井高いので、閉塞感というのも変なんだけど、別に悪い意味ではなく。浴室自体は広々空間で開放感がある。
女湯は内風呂と露天風呂があるけど、男湯は露天風呂だけだとか。全室露天風呂付きなので、大浴場には来ない人もいるのかも。うちの旦那さんも部屋から出ない。
ゆったりした大きさの内風呂。手前にL字の段差、その奥にも黒い座石の段差があり、半身浴もできる。
お湯は湯船の中から注がれていて見えるところに湯口はない。
瀧波のこだわりで、いっさい空気に触れることのない“生まれたての源泉”を楽しめる。そういうこだわり大切だと思います。
枠だけ木造りで、手前のここから湯がかけ流されてる。
湯船につかると、全面からざばぁっと湯が溢れ出す。
無色透明のお湯。硫黄の匂いがすると思って嗅ぐと、ほのかに硫黄。湯から上がり、身体拭いてる時や、歩いてる時に服からふわりと硫黄が香る。湯上がりの肌はすべすべ。
赤湯の全ての宿がそうだったと思うけど、2本の森の山源泉の混合泉で、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉。
湯温は42.6度と熱い。60.4度の源泉を加水せず、湯量の調整で適温にしてる。けど、42度超えは熱い。
じっとりきゅうっと吸い付くような肌触り。顔を何回も洗ってるときゅるっとする。
消しゴムの消しかすみたいな白い湯の花がたくさん舞ってる。
露天風呂は数段上がったところに。
雨だったけど、半分は屋根が付いてるので端につかってれば大丈夫。
巨大な蔵王石をくりぬいた湯船。
少し低くなった手前側から湯が溢れ出していて
湯の投入量が分かる。
こちらも源泉は湯底から投入されてる。
以前は引き湯した源泉をタンクに入れていたけど、配湯経路を見直して直接湯船に引けるようにしたのだそう。毎分79ℓの湯量。
投入口からは白い湯の花が一緒にぶわぁっと舞い上がってくる。投入口の湯温は50.6度で、湯船は42.5度前後。投入口から離れると42.5度割れてくれて、ほっとする。けど熱い。せめてあと1度低ければ印象全然違うんだけどなぁ。
雨に濡れないところの座石で半身浴。顔から汗がだらだら出てくる。
端っこに溜まった湯の花すごい。硫黄泉だな。そういえば、夜に露天風呂に入ったときは完全に硫黄の匂いがした。
浴衣も作務衣も自由に選べる。中のTシャツまでご自由にと置いてあるのは初めて。このネイビーの作務衣、作務衣というより部屋着、着やすくて気に入った。
お洒落で素敵なお宿だけど、入った瞬間から大沢山温泉 里山十帖(新潟) – 温泉手帖♨︎にそっくりだなぁと思ってたら、まさにクリエイティブディレクターが里山十帖の人だった。もうちょっと違う感じにしたらいいのに、そっくり過ぎる。
“瀧波らしさ”や“山形らしさ”が感じられる居心地を目指してるみたいだけど、“里山十帖らしさ”に見えてしまい少し残念。
全19室が源泉かけ流しの露天風呂付。1階は蔵王石をくりぬいた湯船、2階は檜の湯船。檜が好き。
部屋はSAKURAのタイプで2階。部屋からそのまま、目の前のガラス戸の先が露天風呂。
洗面所側にシャワールームもあり、そちら側から出入りできる。
半露天風呂で、ロールカーテンがある。この日は雨風強くて寒い日だったので、夜に下ろしたけど、風でがっちゃんがっちゃんうるさくて下ろしてられず、結局このオープンな状態にするしかなかった。
源泉そのままかけ流し。ぬるい場合は調整しに行くけど、熱い場合は加水して埋めてとのこと。湯量の調整では無理と言われたので、限界まで絞って投入してるのだと思う。
湯口の温度は54.5度。蓋を外して湯揉みしてから湯温を測ったら42.3度。その後全部の蓋を外したままだと、結構ぬるくなっていい具合だったみたい。
みたいというのも、旦那さんかなり気に入ったらしくずっと入ってたので、蓋を全部外した写真も撮れず。
糸くずみたいな白い湯の花が浮いてた。檜の香りと硫黄の匂いが心地いい湯船。
翌朝、湯口を見てみたら、この状態。すっごいいい感じに湯の花がこびり付いてる。
里山十帖よりずっとずっと素敵な宿。温泉も接客もはるかにいい。もっと瀧波らしくなればいいのに。
赤湯温泉 山形座 瀧波
★★★★
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
60.4度
pH 7.3
79.21ℓ/分(配湯量)
露天風呂(男1女1) 内風呂(女1)客室露天風呂19
加温加水循環消毒なし
2021.4.17 宿泊
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