大分空港から車で1時間半。竹田市の長湯温泉は、言わずと知れた炭酸泉で有名な温泉地。
長湯温泉に泊まるのは3回目。
1度目は長湯温泉 丸長旅館(大分) – 温泉手帖♨︎、次は長湯温泉 かじか庵(大分) – 温泉手帖♨︎。どちらもすごくいいお湯だった。迷ったけど、今回はあの大丸旅館。
芹川のほとりに建つ大正6年創業の老舗旅館。
大丸旅館の外湯が、あの日帰り温泉施設の長湯温泉 大丸旅館 ラムネ温泉館(大分) – 温泉手帖♨︎で、川沿いを歩いて5分くらいの場所にある。夕食後はあまりの寒さで、車で行ったけど。
宿泊者は無料で入浴できる。
“飲んで効き、長湯して効く長湯のお湯は、心臓胃腸に血の薬”とうたわれるほどの日本有数の炭酸泉。
宿の中の内湯には、男女別の大浴場と3つの貸切風呂がある。どれも一晩中ずっと入ることができる、完全かけ流し。
別館 藤花楼のフロントからほど近いこちらが貸切の「ミドリの湯」。
暖簾をくぐると、もうひとつ左右に入り口があり、
左手前に流しがある。
鍵が空いていたら、中から施錠して入る方式。
右側の「さくら」が空いていたので、こちらから。
小さな脱衣場があり、ユニットバスみたいな押して開ける扉がある。
ぱっと見は小さく閉塞感があるのだけど、木造りの雰囲気ある浴室。湯船との間にしっかり仕切りのある洗い場がある。
半露天風呂になってて、開閉式の引き戸を開けると奥に広がってる。お茶室みたい。
湯船の中に段差があるので、注意して濁り湯の中に足を入れる。
意外にもぬるめの適温に驚く。
そして、意外なほど広い湯船に驚く。
凹型っていうのかな。奥にしっかり広い湯船に
名前の通り、緑色に濁った湯が満たされてる。と思ってたけど、4代目の女将の名前らしい。
眼下には芹川が流れ、鴨などの鳥たちが早朝から活動してる。
壁にも湯船の側面にも、茶褐色と緑に染まった析出物。
ざぶんと浸かると縁から湯が溢れるからなのか、こんなにもすごいことに。
湯の排湯口は奥にあり、
もはや芸術作品のよう。
湯口からは44.2度の源泉が注がれている。湯船は40度割れのぬるめの適温。ぬるつるの肌触りが気持ちよくて、ゆったり長湯。でも、30分も入ってると頭や顔から汗が出てきて汗だくに。
炭酸効果かな。遊離二酸化炭素が735mgも含まれてる。
身体に泡付きは確認できないけど、手で受けると掌に少し泡がつく。
油臭に濃い鉄の匂い。飲泉も可で、強い鉄味。すぐに爪が黒色になる。
大丸旅館は4本の源泉を有していて、ミドリの湯に掲示してある分析書はこれ。
源泉名は大丸旅館。泉質はマグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉。pHは不明。ラムネ温泉館のにごり湯がpH 6.4なので、同じくらいの中性かと。
湯から上がるとお隣の「つばき」も空いていたので偵察。
脱衣場も浴室もほぼ同じ形。
湯口が反対側にある。
同じ凹型の湯船。てか、コの字型って言うのか。
全く同じように見えるけど、ほんの少しこちらの方が狭いような気がする。気のせいかな。
湯口で44.3度と、隣と同じ。源泉温度は46.8度。
湯船は40.5度弱で、ほんの少しこちらの方があたたかい。
茶褐色のぶつぶつの立派な析出物。
ざばざばともったいないくらいかけ流されてく。4本の源泉で毎分1,000ℓくらいの湧出量があるらしい。
芹川に向かって流れ出ていく。
あぁ、たまらん造形。そしてこの眺め。
大浴場の男湯と女湯の間に、もうひとつ家族湯を発見。
ミドリの湯よりは少しゆったりした脱衣場で、洗面台もある。
木造りの浴室に、こじんまりした湯船で
シャワーもある。
濃いグレーのような濃い深緑色の濁り湯。
湯口の析出物が凄まじい。あばら骨みたいに成長してる。
湯口は45度ちょうどで、湯船の温度は42.7度とかなり熱かったので入らず。もしかしたら、しっかり混ぜたらもう少しぬるかったのかも。
こちらの源泉はテイの湯なのかな。この隙間からかけ流されてる。
大浴場「テイの湯」の女湯へ。男女入れ替えはなく、朝の8時50分まで一晩中入ることができる。
棚に脱衣籠が10個。流しにはドライヤーだけ設置されてる。夕方はかなり混んでたけど、客室数が15室で、時間制限なくいつでも入れるので、独泉も可能。
床も天井も木張りの素敵な湯小屋。内風呂と奥に露天風呂も見える。
窓の向こうは川なので目隠しがあるけど、それでも日中は明るい。夜は真っ暗で東北の湯治場みたいだった。
ゆったり広い湯船。ラムネ温泉館の透明な湯とは違い、深い緑を帯びた濁り湯。
左の壁に洗い場。シャワーが3つ。
こちらも飲泉できる源泉のかけ流し。胃腸病などに効果がある。
46度弱の湯が注がれていて、湯船は41度。思っていたより熱過ぎなくてほっとした。ラムネ温泉館に、熱いのが好みの人はテイの湯へって書いてあるので、すごく熱いのかと思ってた。
粒のような湯の花が少し舞っていて、湯口の間近にいると弾ける炭酸の泡を感じる、ような気がする。
源泉温度が48.9度とミドリの湯より少し高い源泉、テイの湯。テイは3代目女将の名前。
この温泉地で最も浅い90mという深さで50度という泉源を掘り当てたテイ。
マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉で、細かい成分は載ってないので、どれくらい遊離二酸化炭素を含んでるのかは分からない。ミドリの湯が735mgなので、きっと同じくらいなのかな。
炭酸は高温になると抜けてしまうので、肌に泡が付くことはないけど、湯に溶け込んだ炭酸成分の効果で血行が良くなり、湯上がりもぽかぽかが続く。
縁の下側に排湯口があるみたいで、すごい勢いで湯が流れ出てる。
縁は石なのかな。
ガラス張りになってて、内風呂から露天風呂が見える。
洗い場の奥の引き戸を開けると、ここにもひとつシャワー。
変わった造り。またもやお茶室の入り口みたいなところから露天風呂へ。
小さめの湯船で、L字に段差があるので、なかなかせまい。3人が限度。
屋根もあり囲まれてるのでそれほど露天感はないけど、格子になっているのでしっかり外気が入り、空気が冷たく寒い。
湯口からは45.5度ほどの源泉が注がれてるけど、外気が冷たいので湯船は40.5度くらい。いい感じの適温。
成分の詳細は分からないけど、ミドリの湯の成分の総量が4,500mgなので、そんなもんなんだろう。
湯口だけでなく、
手すりや、縁の側面も茶褐色の鱗のよう。
湯面には白い湯の花の膜が張っていて、
湯に浸かるとすごい勢いで排湯口に向かって流れ出ていく。
お尻の下くらいまでの深さがあるので、肩まで浸かるとカエル跳びのような中腰の姿勢になる。お尻をつくと、鼻は沈み目の下まで湯がくる。
段差に座ると胃の半分くらいまでしか浸からない。
さて。頭を縁に置いて、腰をちょっと段差で支え、向こうの壁に足を当てると、お尻を浮かせた状態の寝湯ができる。独泉だからこその体勢だけど。
鉄と炭酸効果か、ぬるめなのにすぐに暖まる。
想像をはるかに超える極楽湯。またすぐ行きたい。
長湯温泉 大丸旅館
★★★★★
[大丸旅館]
マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉
46.8度
pH ?
[大丸旅館 テイの湯]
マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉
48.9度
pH ?
男女別露天風呂付き大浴場 貸切風呂3
加水加温循環消毒なし
2021.11.20 宿泊
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