大分空港から車で1時間半、熊本空港からは1時間40分ほどの長湯温泉。芹川沿いに湧く温泉は、湧出量と二酸化炭素の含有量、温度から、日本一の炭酸泉と称される。
長湯温泉 大丸旅館 ラムネ温泉(大分) – 温泉手帖♨︎はあまりにも有名。
その泉質は、血行を促進するため神経痛や心臓病に効き、飲めば胃腸や便秘に効果があると言われる。ほとんどの宿が独自で源泉を持っているので、それぞれ含有物質が異なり湯質や色などが違う。
3年前に泊まったのは、長湯温泉 丸長旅館(大分) – 温泉手帖♨︎。
今回の宿はかじか庵。
玄関の右手が大浴場の湯処ゆの花。宿泊処は左側の外廊下の先。
大浴場の利用時間はチェックインから23時まで。なんと13時からチェックインできるけど、翌朝は6時から8時まで。と、結構時間が限られてる。
男湯と女湯の間に2つの有料貸切風呂があり、宿泊者は貸切風呂か岩盤浴のどちらかを無料で利用できた。時間はその日の23時まで。
貸切風呂、ちらっと覗いてみた。脱衣場が畳敷き。
岩盤浴を利用することに。作務衣をもらって、脱衣所で着替えてから岩盤浴ルームへ。
麦飯石岩盤浴と書いてあった。床に使われているのが古来から薬石といわれる麦飯石。遠赤外線とマイナスイオン効果があるそう。
真ん中にあるスチーム吹出口は、遠赤外線放射率の高い桜島の溶岩。
床に敷く用にバスタオルとフェイスタオルを余分に貸してくれる。長湯温泉で岩盤浴があるのはここだけ。
岩盤浴ルームの目の前が女湯。
脱衣所はたくさんロッカーがあり、清潔で綺麗。鍵付きロッカー。チェックイン時に鍵を渡される。
右手に洗い場。それぞれ仕切られていて、8個か9個くらいだったかな。日帰り客もいたけど、シャワーが足りないような時はなかった。
高い天井に立派な梁。左側が内風呂。
L字型で、窓側は普通の湯船、奥が寝湯。
濁りで見えないけど、波打った木の底で、身体に沿うように作られている。足を乗せる部分もあり、ずるずるお尻が下がるようなことはない。
湯口は外にない、こだわりの底入れ底出し方式。炭酸成分は振動で抜けやすく、鉄分などは空気に触れると酸化するので、空気に触れて効果が半減することのないよう、新鮮な湯を対流させるため、湯船の底から直接湯が投入され、排出もされている。
循環も消毒もない新鮮な自噴した源泉そのまま。
表面のお湯を排出しないようにしてるので、湯の花が浮きまくってる。
湯の花は払っても払っても、湯面いっぱいにあるのですぐ湯面が塞がれてしまう。払うと意外に濁りが薄くて、緑がかった灰色のような湯色。
湯船の温度は38度割れ。朝は39度だった。源泉は45度。でも、38度でも全く寒くない。体感は39度以上ある感じ。
じっとりした、きしむほどのじっとり肌触り。pH6.6の中性。鉄と土の匂いがする。顔を洗うと少し目にしみる。塩かな?もしかしたら湯の花のざりざりかな。
湯が縁から流れ出ているわけじゃないのに、この析出物。かけ湯したりするからか、以前はここから流れ出てたのか。
縁には掴めるほどの析出物がこってり付いてる。湯船の底にもしゃりしゃりの湯の花が積もってる。
ざらざらした湯の花は、身体にも溜まっていく。
マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉だけど、前回の分析ではカルシウムを236mg含むマグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉だった。
カルシウム成分の湯の花がすごい。松代温泉 国民宿舎 松代荘(長野) – 温泉手帖♨︎や二股らじうむ温泉 二股らじうむ温泉旅館(北海道) – 温泉手帖♨︎と同じようなしゃりしゃりの湯の花。
朝はさらに多くて、身体にたくさんざりざりが張り付く。
露天風呂もあるのだけど、内風呂で38度なので、寒い外に入りにいく人はほとんどいない。
女湯の露天風呂はあつ湯、ぬる湯、立ち湯の3つの湯船があり、男湯は普通の露天風呂と寝湯の2種類だそう。冬季は立ち湯には湯が張られてない。
あつ湯とぬる湯の2つの湯船は繋がっていて、湯口のあるあつ湯から湯が流れ込むようになってる。
立ち湯には、さらにぬる湯からの流れ込みなのかな。
おそらく誰も入らないであろうぬる湯は25度割れで、カルシウムの膜が張ったまま。
あつ湯の方は30度くらい。湯口からは41.5度の源泉が投入されてるけど、湯量も少なめで気温も低いので、かなりぬるいあつ湯。
源泉は地下250mから自噴していて、毎分200~250ℓの湧出量。
この露天風呂の湯口だけが上からなので、飲泉できる。
炭酸味。湯の花から相当濃い味を想像しちゃうけど、薄い味で飲みやすい。胃腸にいい。
湯に浸かっていても泡付きはないけど、湯口からの源泉を手に受けると少し泡付きがある。遊離二酸化炭素は602mgも含まれてる。
炭酸は泡が付かなくても溶けた状態で湯に含まれていて、効果がある。体内に炭酸ガスが吸収され血圧を下げるので、心臓の働きを高めたり、乳酸を排泄し疲労回復を早めてくれる。
加水加温循環、さらに消毒もしてない源泉そのままで、ぬる湯の適温。かつ、二酸化炭素を多く含む源泉!これほどレアな源泉、有り難過ぎる。
とても貴重な有り難い源泉だけど、大浴場は23時まで。翌朝も6時から8時までしか入れない。我が家的にはこの宿に泊まるなら、2部屋ある露天風呂付きの部屋がマスト。
着いた時のこの湯の花の膜。テンション上がった。さすがにこのレベルの源泉かけ流しが部屋に付いてる温泉宿は初めてだと思う。
かなりの厚さの膜。
端っこの方はオレンジがかってて、いかにも鉄含んでる感じ。
ビニールパイプの先が湯船の中に沈んでて、空気に触れないように源泉が注がれてる。露天風呂なのに37.5度を保てるくらいの投入量。
夕方は少し泡が上がってくるぐらいだったけど、夜になるとぼこぼこ音が聞こえていて
朝見てみたらこんなだった。炭酸含むから?湯量の問題?
旦那さんは過去一の部屋露天風呂だと絶賛して入ってた。私は大浴場の内風呂を充分堪能。
炭酸効果か、足の冷えが朝まで和らいだまま。天然の保湿成分のメタケイ酸が234mgも入ってるので、お肌もしっとり。
長湯温泉 かじか庵
★★★★★
マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉
45.3度
pH 6.6
内風呂(男1 女1)露天風呂冬季(男2 女2)貸切2
加水加温循環消毒なし
2020.11.21 宿泊
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