地獄にかかる虹。
南阿蘇の地獄温泉 青風荘.に再訪。3つの離れの一番奥。
離れの客室風呂。
透明感が強い気がして、グレーの濁りがなくブルーみがあり、離れの湯、復活した⁈とテンションが上がる。
段差に溜まった粉っぽい湯の花が舞い上がる。
この日は湯口で50.5度弱、湯船は43度弱。硫黄臭もきつくなくほんのり。しっとりじっとり肌に吸い込むような肌触りが弱酸性感に思えて。
夕食時に長男の誠さんに勇んで「復活した⁈」と聞くも撃沈。元地獄のコンディションなだけだったー。
今回も朝時間に頑張ってすずめの湯へ。ちゃんとスニーカーで来たのだ。坂を歩けるように。
誰もいなかった。そういえば、いつからなのか分からないけど、入浴時間が夜22時までから23時までになってた。
あつ湯の方、入れないけど、ぼこぼこ湧いてる音が気になって外から観察。
43.5度だった。湯口から冷鉱泉を注いでるのに。足さえつける勇気なし。
こちらにしか入れない、ぬる湯。湧いてる場所にもよるので、38.5度から39度くらい。
今回なんですずめの湯のあつ湯とぬる湯に違いがあるのか教えてもらったのに、1ヶ月も備忘録書かずにいたら忘れた。くやし。
ぬる湯といえど9月だったので、長湯して湯当たりしてしまい、休憩処で復活するまでしばらくぐったり休んでた。
ぼんやり眺めてたら、あつ湯と冷鉱泉を行き来する人の多いこと。老若男女問わず、何往復もしてる。
私にとってはあつ湯も冷鉱泉も地獄のようなものなのに。いろんな湯船がいろんな人の嗜好に合う良き湯治場。
素敵なカフェが出来上がってた。おめでとう。
“湯治は本当の自分と向き合える時間”という思いが込められた『H _NNTO COFFEE(ホントコーヒー)』。
帰りに鴨サンドとキーマサンドをテイクアウトして頂いた。
カフェのテラスでは、朝ごはんの最強フレンチトーストとカフェオレを。気持ち良かったなー。
地獄温泉 青風荘.
★★★★★
2024.9 宿泊
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1年ぶりの地獄温泉。阿蘇くまもと空港から新阿蘇大橋を通り車で30分ほど。
あぁっとこの坂を見て思い出す。歩きやすい靴〜。下駄では無理。使い捨てのスリッパもふにゃふにゃできつい。
今回も一回だけ頑張って歩いて行ったすずめの湯。人がいなそうな時間にと思って、朝ごはん前に。
あぁ。やっぱり気持ちいい。なんとも言えない気持ちよさで幸福感。真冬は内風呂から露天風呂までがちょっと寒いけど、浸かってしまえば絶妙なぬる湯加減に癒される。
湧いてる部分は暖かいので、場所によるけど、39.5〜40度弱。ぷくぷくふわふわ泡が身体を優しくなぞる。
pH 2.8の酸性硫黄温泉。殺菌力が強く皮膚病に効き、硫化水素型の硫黄泉なので、動脈硬化症や高血圧症にもいい。
離れの温泉。専用の源泉は配管がダメになってしまったそうで、それはすごく残念だけど、たまごの湯と元の湯と同じ源泉、元地獄が引かれ、さらさらとかけ流されてる。
泉質はすずめの湯と同じ酸性の硫黄泉。源泉温度が60度なので、大浴場は冷鉱泉で湯温調整してるけど、離れのは引き湯でちょうど良くなるので、源泉そのもの。この日は湯口で55.5度。
美味しいなぁと感じる、レモンのようなきぶみとか渋みのないマイルドな柑橘の味。pH 3.0なのですずめの湯とほぼ同じ。それほど硫化水素臭はきつくない気もするのだけど、窓からや建物内に立ち込める硫黄の香りに包まれているので鼻がばか。ほんの少し金気臭は感じる。
緑がかった白濁湯の中には無数の細かい白い湯の花と、ぽつぽつと黒い湯の花。
ふんわりしっとりの肌触りで、湯上がりの肌はじっとり。湯船は42.5度。一般的には真冬の半露天風呂の適温だけど、我が家は少し水で埋めて。カランも窓の鍵も硫黄で真っ黒になってる。
翌朝は3度ほど湯口の源泉が低くて、湯温も40.5度割れの我が家の適温。
次はいつ来られるかな。数少ないリピート宿。
地獄温泉 青風荘.
★★★★★
2024.1 宿泊
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1年ぶりの地獄温泉。待ち遠しかったー。
客室風呂、前回より少し透明度があるような。もしかして源泉戻ったのかな、離れ3棟専用の源泉?それともたまごの湯?
それほど気にしてなかったのか、今回舐めてみたりしなかった。なんか色々満足過ぎて、細かいことがあまり気にならなくなる宿。でも今思い返すと、酸性感が強かった気もする。
湯口は56.5度。すぐに指の先がしわしわになる。
離れ専用は源泉温度54度のpH 5.5の単純硫黄泉。たまごの湯は60度のpH 3.0の酸性単純硫黄泉。加水しないと熱いので、
ちょろちょろ出して好みの湯温で入る。
透明に見えるけど、たまに目立つ黒い小さな湯の花や、小さな白い湯の花がたくさん舞ってる。
滞在中、一回だけ頑張ってすずめの湯に入りに行ったけど、一回しか無理だった。
この坂を下駄で降りてまた上るのはちょっとつらい。スニーカーだったらまだ行けるけど、今回ブーツだったから下駄で。
でも最高に気持ちよかった。40.5度と適温で、きゅうっと吸い付くような肌触り。
熱湯の方の音なのかな、ぼこぼこと煮立つような地獄みたいな音を遠くに聞きながら。ぬる湯は静かで、排湯口に吸い込まれる音が響いてる。夕方の日帰りが終わったあと、独りで極楽だなぁとゆっくり入った。
今回はたまご湯にも行ってみた。こちらも日帰りが終わった後の夕方は独泉。
内風呂は42度。マイルドなレモン水の味。縁から溢れるかけ流しが気持ちいい。浴室の床が結構滑るので注意。
露天風呂は41度ちょい。青みがかった濃い灰色の濁り湯に、細かな白い湯の花がたくさん舞ってる。
緑と灰色の混ざった色の湯の花が排湯口に溜まってる。
しっとりした湯感触できゅうっと肌に吸い付くような肌触り。湯上がりの肌もしっとり。指先はするする。
またこの光景を眺めて、ちょっと切ない気持ちになる。でもまた来年も見られますように。
地獄温泉 青風荘.
★★★★★
2023.1 宿泊
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1年ぶりの再訪。また来たいと思っても、実際また来る宿はほとんどない。でも来るの、心待ちにしてた青風荘.。
本館が完成してた。新しいのに古くて、古い材料なのに新しい。
立派な玄関。
でも泊まったのは今回も離れ。
このシャワールームにまで溢れて流れ込んでくるお湯。
3棟ある離れ。前回とは違う部屋だけど、造りはほぼ同じに思える。お風呂も。
ほんのり青みがかって見える時間帯もある、薄い灰色のお湯は、離れ3棟専用の源泉。
前回はもっと透明だったけど、今日は濁り気味。
ずっとざばざばかけ流し。
白い細かい湯の花がたくさん。
pH 5.5の単純硫黄温泉で、源泉温度は54度。加水もせずのかけ流しで、今日はちょっと熱い。
できれば加水したくないなぁと、窓を全開にしてから夕食に行ってみたけど、湯温はほとんど下がらず、44.5度。すごいパワーだな。
加水して41.5度割れにしてから入ることに。
ほんの少し酸味があるかな、くらいに思えたので顔を洗ってしまったら、めちゃくちゃ目にしみる。
浸かってすぐに、指がしわしわになる。細かいしわしわ。
再訪したけどもういいかなって宿はあるけど、ここは期待を裏切らない。またすぐにでも来たい。
帰り道ですでに、朝ごはんのフレンチトーストがまた食べたくなってた。
地獄温泉 青風荘.
★★★★★
2022.1.2 宿泊
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熊本地震から4年半。やっと南阿蘇の地獄温泉に泊まれる日がやってきた。
足元湧出の地獄温泉。いつか行きたい、すぐにでも行きたい温泉だったけど、2016年の熊本地震、その後の大雨による土石流で敷地の7割が土石で埋まり、明治時代からの建物など8割が壊滅的な被害を受けた清風荘。
再開をきっかけに「清風荘」から、氵(さんずい)を外した「青風荘.」に変え、屋号から‘水分’を少なくしたのだそう。
熊本空港からレンタカーで40分。阿蘇五岳の一つ、烏帽子岳の中腹に湧く温泉。
江戸時代の文化5年(1808)創業、200年以上の歴史をもち、7代にわたって受け継がれる宿 青風荘.。9月18日に、離れの3棟から宿泊が再開した。
駐車場からフロントへ向かうと、頑丈そうなコンクリート。一見違和感があったものの、眺めれば眺めるほど、透明感溢れる建物と自然の山風景が妙に融合してる気がしてくる。
しかも上部はテラスになっていて、朝食後の珈琲を頂くことも出来る。ちょうどコスモスが満開だった。
この先、また自然災害が起きても大丈夫なようにと、敷地内にはシェルターになり得るコンクリートの建物がいくつも作られている。
「すずめの湯」の脱衣所もその一つ。
1年半前の4月に日帰り入浴を再開したすずめの湯。
中に入ると、外観とは全く異なる木造りで、ロッカーも天井も全部木。天窓もあり明るい雰囲気。
1年以上使用されているとは思えないほど、ぴかぴかの脱衣所。洗面台に、ドライヤーまである。
出入口のドアを開けると、浴室との間にスペースがあり、タオルなど置ける棚と脱水機が設置してある。
以前の木造りの風情ある湯小屋が好みだと思っていたけど、壁がコンクリでも湯船や床、梁や天井が木造りで、あまりにもお洒落な素敵風情がそこにあった。
内湯にはシャワーはなくカランが2つあるだけ。露天風呂で着ていた湯浴み着はカランで洗ってから、脱水機にかける。
露天風呂にはもちろん洗い場はないので、この内湯で身体を流してから。
濁り湯で、かつ照明が薄暗いので、湯船の中が分からない。この見取り図を頼りに右奥の手摺り側からそっと湯に入る。
お湯は左奥から投入され、右手前からかけ流されている。
湯口からは62度くらいの熱い源泉が注がれていて、隣にあるカランからは水が出てる。たまご地獄と元地獄の熱い混合泉を引いてるのかな。
湯船の温度は41.5度くらい。
灰色の薄濁りで、肌にじっとりとしたお湯。
さて、いよいよ念願のすずめの湯へ。
この出入口から出たところは休憩所になっていて、その先が露天風呂。
以前は女性専用時間もあったけど混浴だったのが、湯浴み着か水着での入浴に変わった。
宿泊者にはタオルとかと一緒に、レンタル湯浴み着が入ってる。
前に青風荘.の湯浴み着アンケート調査にも参加したけど、基本的に湯浴み着の入浴は好きではない。でも、酸ヶ湯温泉 国民保養温泉地 酸ヶ湯温泉旅館(青森) – 温泉手帖♨︎とか白骨温泉 泡の湯(長野) – 温泉手帖♨︎やここみたいに混浴の湯船にどうしても入りたい時はやむを得ない。
露天風呂は屋根付きなので雨でも大丈夫だし、虫や葉っぱも全くなかった。
湯船は2つあり、左があつめの湯、
右がぬるめの湯。
さらに右奥の下に冷泉の湯船。再開に際して新しく作られたもの。
無色透明無味無臭で温度は15度程、らしい。ちょっと寒くて、測りに行かなかった。
メタケイ酸規定の冷鉱泉で源泉かけ流し。これで交互浴ができるけど、秋も深まりつつあり、今回はぬる湯で充分だった。
この湯船の側に男性用の脱衣所。
2つの湯船の間にはベンチの置いてあるスペースがあり、出たり入ったり休んだり、ゆっくりすずめの湯を味わえるようになっている。
中央には効能などがお洒落に掲げられている。
古くから湯治場として栄え、江戸時代には熊本藩士のみに入浴が許されたという、傷ついた体を癒す名湯。
奇跡的に土石流の被害から逃れていたという、地獄温泉のシンボル、足元湧出のすずめの湯。
あつ湯は正方形の湯船。熱い源泉が足元から湧出してる。
しっかり濁っているので、湯船の中は全く分からない。見取り図によると、端に段差があるみたい。
ぼこぼこと音を立てて湧き上がっているお湯に、一歩入ってみたけど熱くて無理で、縁から湯温を測ると45度超え。
湯船の至る所から湧いているので、場所によって湯温が異なるみたいだけど、ベースが熱すぎてチャレンジさえできない。
左奥から冷泉が注がれているので、その辺りが1番ぬるいよと、ベテランさんに教えてもらい、縁から湯口のあたりを測ってみたけど44.5度超え。
だってこの湯口の周りからも、ぼこぼことめっちゃ湧いてるもん。
慣れれば入れるよ、と笑っておられた。
さて、お目当のぬる湯へ。
あつ湯よりもかなり広い湯船。真ん中に大きな太い柱。柱の下にある大きな岩は土石流で流れてきたものだそう。
柱や梁などの主要な部分は以前のものを使用している。
すずめの湯といえば、湯船の仕切りがなんとも秘湯風情というか湯治場風情があり印象的だった。いくつかに仕切られた湯船の湯温がそれぞれ異なるという。
けど、新しくなったすずめの湯は、仕切りのない広々した湯船。
残念だけど、仕切りの中に誰かが入っていたら入りづらいのもよく分かる。
200年以上、7代も続く温泉宿。この機会に古きと新しき、選別したり融合したり、たくさん考えてるんだろうな。
ほんの少し青みがかった灰色の白濁した湯。全く湯船の中は見えない。どこから入ればいいか、恐るおそる足を踏み入れてみるしかない。
湯底には大小の石が敷かれていて、さっさと歩くことは出来ない。しゃがんだまま、浮くように歩いて移動。
見渡す限り、至る所からぶくぶくと源泉が湧いている。
このぶくぶくの景色、藤七温泉 彩雲荘(岩手) – 温泉手帖♨︎と同じ。でも、あそこまで野趣あふれる雰囲気ではないし、彩雲荘は湧き水で加水してるからひと味違うか。
加水も加温もせずに入れるここは、まさに奇跡の温泉。
ちょうど腰を下ろした場所から、熱めのが湧いていたり、足の裏辺りがふわふわしたり。湯船が源泉そのもの。
湯船の外でも、しゅーしゅーと熱い湯気が出てる箇所があり、あちっとなったりする。
夕方は39度くらいだったぬる湯。翌朝は40度前後だった。長湯もできる適温で、じっくりとお湯を堪能できる。
日帰り入浴の時間は10時から17時まで。到着したのがすでに17時過ぎだったので、宿泊客3組(この日は2組)の他は年間パスポートをお持ちのベテランさんしか入れない時間帯。
のんびり念願のお湯を確かめるようにかみしめる。
すずめの湯の混合泉はpH2.8の酸性硫黄泉。酸性泉も硫黄泉も、高い殺菌作用があり皮膚病や切り傷に効果がある。
でも酸性っぽい軋みはほとんどない。天然の保湿成分のメタケイ酸が166mgも含まれ、硫黄成分は角質を溶かしてくれる美肌の湯。
しかも自然に足元から湧き続けかけ流されている、これ以上ない新鮮なお湯。
夕暮れ時、秋の匂い、いや硫黄の香りに包まれて、湯に身体を預ける。
虫の音と、そこら中からぽこぽこぷくぷくぷちぷちぼこぼこ湯の音。
さわさわふわふわと肌に触れながら湧き上がってくる源泉。自然の恵を体感する至極の湯。
湯船に浮かべられた桶に泥が入ってるとの認識だったけど、それはなかった。湯船の底は石なので、底からすくうってのも出来ず。気づけば名物の泥パックしてないじゃん、とあとの祭り。
安全で頑丈なコンクリートで造られた山竈処(旬菜)あそつみで夕食を頂いた後、フロント棟との間の石段を上がり大浴場へ。
すずめの湯の他に、親しまれてきたお湯「仇討の湯」と「元湯」。
仇討の湯の脱衣場があったあたりに新しく建てられたのが今から向かう「たまごの湯」。
仇討の湯の源泉名たまご地獄から名付けられたたまごの湯。
震災や土砂災害に耐えられるRC構造で造られている。
敷地の一番高いところに位置するたまごの湯。今後もし土砂災害があったとしても、この建物が障壁となり、シェルターにもなり、地獄温泉を守るという役目を兼ねている。
安心して足を踏み入れることができるし、フロント棟同様、木材との融合がとてもお洒落。
中に入るとほっとする。木造りの柔らかな雰囲気。畳エリアが2箇所もあり、本当にたくさん考えられた施設だと改めて思う。
洗面台のタイルがまた可愛い。
すずめの湯は撮影可だけど、内湯はだめ。まだ離れしかオープンしてなくて、誰にも会わない独泉なのでお許しください。
浴室はちょっと珍しい造りで、正面にドア。左手にずらりとシャワー。8個だったかな。右手にはかけ湯。
タイルが変色してる。温泉なんだろうな。かけ流しの38度。
めちゃくちゃ綺麗に整頓された洗い場。充分な広さがあり清潔。リンスインシャンプーとボディーソープが備え付け。
洗い場の背後は大きなガラス戸で、自由に開閉できる。
腰高窓なので、ここからは行けないけど、窓の向こうに湯船がある。洗い場と湯船が繋がってるけど、きちんと分かれてる。
湯船の奥も全面大きな窓ガラス。開放してあるので半露天風呂みたいな状態。
湯船側から見るとこんな造り。あ、洗い場側からも行き来できる扉があった。
洗い場の石鹸とかが床に流れてこないし、目隠しにもなるし、最強の造りかも。
湯船はとても大きく、湯温は42度ちょい。
元地獄とたまご地獄の2つの源泉をブレンドした源泉が投入されてる。
どちらも自然湧出で、源泉温度は60度。pH3.0の酸性の硫黄泉。
薄い灰色に濁った湯で、白い細かい湯の花がたくさん。中の段差に溜まっている湯の花は、足を入れるとぶわっと舞い上がる。
源泉温度が高いわりに熱過ぎなくてほっとした。湯船が大きく、窓も全開だからかな。
酸性の軋みよりも、硫酸塩泉のじっとり肌に馴染む感じ。すずめの湯と比べると少しマイルドな気も。
外から見たコンクリートの部分はテラスみたいになってるけど、立ち入り禁止。夜でもこの開放感。明るい時間は気持ち良さそう。
たまごの湯には露天風呂がある。
これが、地震にも土石流にも負けず生き残っていた仇討の湯。
岩で囲まれた湯船。
気になるのは横をさらさらと流れていく湯の川。
一番奥に排湯口があり、そこからかけ流されていくお湯が湯船の横を通り過ぎていく。
夜で真っ暗だからなのか分からないけど、綺麗なエメラルドグリーンに色付いた流れ道を、落ち葉と一緒にさらさらと。
湯口の近くの湯温は42度ちょっと。内湯と同じ、薄く濁った硫黄泉のかけ流し。
湯の花がたくさん浮いてて、油膜のようだった。
岩の露天風呂、特に夜は、何かがすんでそうな妄想がおさまらなくて怖くなる。葉っぱや虫も苦手なので早々に退散。
露天風呂の湯船から浴室を見上げる。うん、しっかり守ってくれそうな安心感がある。
大浴場からの帰り道。星がすごかった。
たまごの湯の足もとにあるのが「元の湯」。
2つともすずめの湯同様、夜は10時までで朝が6時から。翌朝に男女入れ替えとなる。
昨夜は暗くて見えなかったけど、ここにも効能の立て看板。
最近ちょいちょい見かける、棚が脱衣所の真ん中にあるの使い勝手がよくていい。
たまごの湯と同じような造りで、入るとすぐ正面に湯船のある浴室の扉があり、
左手にかけ湯。
右手にシャワーのある洗い場。
やっぱり湯船と洗い場はガラスの窓と扉で仕切られてる。
ものすごい綺麗で整然とした洗い場。ここまで清潔で気持ちいいの、なかなかない。次に来た時も保たれてたらいいな。シャワーは9つ。
元湯は本館にあった内湯で、場所を変えて復活。
元湯の湯船に使っていた石をそのまま使用しているそう。
立派な大きな石造りの湯船。
湯口は真ん中あたりに、上からパイプが降りてきてて、勢いよく湯が投入されてる。
湯口から出てくるお湯は46度強で、湯船の温度は43度弱。
源泉はたまごの湯と同じ、pH3.0の酸性硫黄泉。
縁のあらゆるところから、湯が溢れていく。
昨夜、仇討の湯で見たエメラルドグリーンと同じ析出物かな。
湯面には白い湯の花が浮いてる。他の湯船より透明度が高かった。朝一だからなのか、明るいからなのか分からないけど。
宿泊した離れは、すずめの湯の側面に位置する。
鍵は暗証番号式で、鍵を持ち歩く必要がない優れもの。
部屋からの眺め。すぐ真下がすずめの湯。そして左手に見えているのが、部屋のお風呂。離れにはなんと専用半露天風呂がついてる。
眺めもいいし、ゆったり湯船、何より清潔。
このガラス戸の手前が洗い場。ここでも、湯船と洗い場の分離。
しかも、透明な仕切りが、無いみたいに綺麗にされてる。
夜中じゅういつでも入ることができる、かけ流しの湯船。
熱かったら水を足してと言われたので、熱いのかと、とりあえず窓を全開に。
夜中に入った時、上側だけ熱かったので、かき混ぜ棒でしっかり混ぜてから入ると、40度くらいで適温だった。
なんとこの源泉、離れだけの専用源泉!
湯口からは硫化水素臭がするけど、大浴場やすずめの湯の硫黄臭がすごいので、あまり匂わない感じがしてしまう。
55度の熱い源泉がそのまま投入されてる。
水を確保しようと掘ったら温泉に当たったそう。湯量が多くないので離れだけとのことだけど、毎分74ℓってそれでかけ流しの大浴場やってるところもたくさんある。
なんて贅沢なんだ。離れプレミアム。
ふわりとしたなめらかな肌触りで、保湿のメタケイ酸が多く含まれている美肌の湯。pH5.5の弱酸性で、他の3つの酸性の源泉より肌に優しい。
硫黄臭というより金気臭を感じる。
無色透明なお湯で、大小様々な白や灰色の湯の花が舞ってる。湯底の隅にはざらりとした湯の花が溜まってた。
すずめの湯は別格だとして、酸性でちょっと熱めの大浴場より、部屋の弱酸性の40度の方がはるかに好み。若干、重曹泉っぽい肌触りも心地いい。しかも、358mgも遊離二酸化炭素を含んでる。
あぁ、この部屋風呂の争奪戦。家族内で。もっとこのお湯を堪能したかった。本館オープン前の宿泊客が3組しかいない間にもう一度行きたいな。
食事もこだわっていて凝っていて美味。朝ごはんの最後に炭火でじっくり焼いてくれるフレンチトースト。
この宿の虜にならない人はいないと思う。
地獄温泉 青風荘.
★★★★★
[すずめの湯]
酸性単純硫黄温泉
48.0度
pH 2.8
[たまごの湯・元の湯]
酸性単純硫黄温泉
60.3度
pH 3.0
[離れの湯]
単純硫黄温泉
54.0度
pH 5.5
74ℓ/分
内湯4 露天風呂3 離れ客室風呂3
加水加温循環消毒なし
2020.10.10 宿泊
コメント
1回目の記事を読んで昨年末、地獄温泉に行ってきました。
私どもも離れに宿泊したのですが、そのときに宿の方に聞いたお話だと、離れの個室にひかれている温泉は、現在はたまごの湯のものなのだそうです。当初、ひいていた(偶然出たという)別の温泉は、温泉成分が強すぎてポンプがすぐにダメになってしまい、使えなくなってしまったとのことで…。すごく残念でした。
でも、素晴らしい温泉であることは間違いないので、年内にまた行く予定です!ご紹介ありがとうございました。
masaruさま
貴重な情報ありがとうございます。
再訪した時、熱かったのと濁ってたのはそういうことなんですね。
確かに私にとっても素晴らしいお宿であることは変わりないので、いつ行けるかないつ行けるかなと狙ってます。