濁河温泉 朝日荘(岐阜)

御嶽山の飛騨側登山口、標高1,800mの6〜7合目付近に湧く濁河温泉。通年自家用車でたどり着ける温泉街としては、万座温泉と並ぶ日本最高所の温泉地。

最寄駅は長野県側だと木曽福島駅、岐阜県側だと飛騨小坂駅。木曽福島駅は棧温泉 棧温泉旅館(長野) – 温泉手帖♨︎に行った時に使ったけど、東京駅から3時間はかかる。その木曽福島駅から、夏季のみ土日祝日にバスが出てたみたいだけど、廃線になってるかも。駅からの交通手段はレンタカーかタクシー。真冬の雪の中、タクシーで1時間半、22,000円ほどだった。

岐阜県側から行くなら、下呂市公式観光サイトによると、飛騨小坂駅からタクシーで1時間20分で約12,000〜13,000円と書いてある。そんなに違うのかい。

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発見は江戸時代中期、明治20年頃から登山者が宿泊できるようになり、車道通行が可能になったのが昭和30年。

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雪深くて外に出られずはっきり分からないけど、休業中もいくつかあるみたいで、営業してる宿は5、6軒なのかな。

朝日荘はずっと気になってた宿。秘湯を守る会。2本の源泉をかけ流しで味わうことができる。

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大浴場と無料の貸切風呂があり、チェックイン時に貸切風呂の予約時間を決める。空いてれば自由にって日もあるみたいだけど、今夜は宿泊客が多いので、全員入れるように予約制。

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帳場の突き当たりの廊下を右に曲がると、階段があり、降りたところがお風呂の出入り口。

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正面の暖簾が男女別の大浴場。入れ替えはなく、一晩中ずっと朝9時半まで入ることができる。有り難い。

右手のスペースの奥が貸切風呂。

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看板に“ただいまの時間帯は予約制。深夜から翌朝9時半までは開放”と書いてある。

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予約タイムが終わると、看板が“開放中”になっていて、空いていれば自由に貸切利用できる。

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明るい脱衣場。ガラス戸からは露天風呂が見える。

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かなり広い。普通の大浴場の露天風呂にしても、広いレベル。結構雪が降ってる、雪見露天風呂。

ここからは出入りできないので、まずは内風呂へ。

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雰囲気のある木の床に木の壁。シャワーもあり、シャンプー類も揃ってる。

内風呂の奥のガラス戸が露天風呂の出入り口。

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充分なサイズの湯船に薄濁りで緑がかった茶褐色のお湯。2本の源泉のうち、貸切風呂は共同源泉を利用してる。

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まるでホースから勢いよく出ているかのように、ぴゅーっと注がれる源泉。湯口で48度。湯温は42度弱。翌朝は41度割れてた。

源泉温度は54度で、数百メートル離れた湯ノ谷で掘削自噴。3本の混合泉みたいで、毎分759ℓも湧出量があり、内45ℓをここに引き湯してる。

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共同源泉の泉質はナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉。

鉄の匂いがし、甘味のある鉄味。

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少し泡付きがあり、ふわつるの肌触り。pH 6.5の中性で、じっとりしてるけどつるつる感がある。

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ここから湯が排湯されてる。完全かけ流し。

さて、雪の露天風呂へ。

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茶色く染まった石の階段を上り、

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湯船の中には大きな石の段差がひとつ、いや、2段だったかな。

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手すりには茶褐色の析出物がまみれてる。

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露天風呂の排湯もこの形式。ざっばざっば吸い込まれて、かけ流されてく。

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湯口は2つあり、奥のが長めの竹。手前のも短めの竹で、梟が乗ってる。

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長い竹から打たせ湯のように投入されてる。湯口は48.5度前後。

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結構な湯量なので、湯口辺りは熱め。43度近かった。離れたところでも42度ちょい。雪の中といえ、すぐに熱くなってしまう。

特に屋根のあるのが湯口側なので、雪に濡れないエリアは熱い。

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梟の方の湯口も同じ48.5度前後だけど、若干こちらの方がほんの少しだけぬるめだった気がする。

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湯船の周りの岩は茶褐色に染まり、珊瑚礁みたいな析出物が生き物のよう。

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お湯の中にはたくさんの薄茶色の湯の花。白くて長いのは雪。

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茶褐色というより鶯色の薄濁りかな。

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濁河温泉と呼ばれるのは、草木谷と湯ノ谷が合流し濁河川となる地点で、それぞれの含有成分が違うため、混ざると化学反応を起こして白濁することから。

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夜の間、怖いくらい雪が降ってた。

翌朝の貸切風呂はかなりぬるめで、露天風呂も41.5度と適温。早朝はもっとぬるかったみたい。

帰る時に会ったご主人が「大丈夫だった?ぬるかったでしょ。雪でパイプが押し潰されちゃって大変だった」っておっしゃってた。

本当にご苦労様です。適温でした。

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女湯の脱衣所はシンプルで清潔。ドライヤーは各部屋で。なので余計綺麗でいい。

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浴室に入ると、奥の窓から露天風呂がちらっと見える。外に突入したい気持ちをぐっと堪えて。

右の壁にシャワーが4つ。クレンジングなども揃ってる。

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内風呂には貸切風呂と同じような薄濁りで少し緑がかった茶褐色のお湯。

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湯船の周りは黄土色に染まってる。

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足を入れると、段差に溜まっていたオレンジ色の湯の花がもわっと巻き上がる。間違いなくタオルが茶色になる。

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隅の方の湯面には薄茶色やオレンジ色の湯の花が膜のように浮いていて、壁際にはしっかり析出物が付いてる。

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男女別の内風呂と露天風呂は、敷地内の地下300mから湧く自家源泉、朝日荘の湯。平成2年に掘り当て、掘削動力揚湯で毎分250ℓ湧出してる。

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源泉温度は53.5度と、共同源泉とほぼ同じ。引き湯距離が全く違うだろうから、自家源泉の方が湯口では熱いのかと思ったけど、湯口は46度。そうか、床暖房や給湯に利用して熱交換してるから。

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湯船は43度超えと熱い。翌朝も同じ湯温。隣に蛇口があり『水を出したら必ず止めて』と張り紙がある。

水を入れてもオッケーってことなのかもしれないけど、なかなか独断では入れられない。

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湯口の周りは黄土色に染まり、ところどころ緑色に。

ほんのり鉄の匂いがし、炭酸味のような少しだけ甘みのある鉄味。泉質も水素イオン濃度もほぼ同じで、pH 6.6のナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉。

窓際の穴から外へ排湯されてる。

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この鎖に球体のように引っ付いた析出物。な、なにこれ、可愛すぎる。熱いのでゆっくり浸かって見てないけど、多分あそこに何かあるわけじゃなく、鎖のあの部分にだけ湯の花が付いていったモノだよね‥。気になる。

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窓から見えてる露天風呂。右側の扉から外に出る。

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L字型っていうのか、くの字形っていうか、

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男湯との壁際にしっかりした広さの湯船があり、

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奥で繋がって、こちら側に寝湯。

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かなり浅いので、全く身体が沈まりきらない。雪の中、身体がほぼ出てるのは身体に積もってちょっとつらい。41度割れとぬるいのがまた。夏は良さそう。

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内湯との境。この穴がさっきの内風呂の排湯口かな。露天風呂に注ぎ込むわけではなく、

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そばにある穴に吸い込まれてく。

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ここだけぎりぎり屋根があるので、少し雪をしのげる。でも、あの雪がまとまって落ちてくるリスクもあるな。

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着いた日はお湯と同じような濁った曇り色で、結構な雪が降る中で入ったけど、翌朝は青空。

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これぞ雪見風呂。

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昨日のように頭が雪まみれにならず、奥まで行って山のもっさもさの雪を眺めながら入る。冷たい空気も澄んでて、深呼吸したくなる。

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正面の湯口からざっばざっば湯が投入され、勢いと風で吹き上がってる。

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湯口は52度だったので、源泉そのままをかけ流しなのだと思う。湯口辺りは42度くらいで、離れると41.5度ちょい。雪の中だとちょうどいい温度でゆっくり入れたけど、翌朝は42度超えとちょっと熱めだった。

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泡付きがありふわつるの肌触りなのは、遊離二酸化炭素が460mgも含まれてるからかな。

2本の源泉はほとんど同じではあるけど、朝日荘の自家源泉の方が成分が濃いめで、炭酸水素イオンも1052mgと多い。重曹泉のつるつる感もしっかりあり、天然の保湿成分メタケイ酸を275mgも含む美肌の湯。

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湯口の下は茶褐色の段々の析出物。そのすぐ横は綺麗な緑色。

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湯口側の角にも排湯口らしき筒。湯が出入りしてたかは分からない。

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周りの岩や壁に付いてる析出物がすごい。生き物みたいなパワーがある。

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朝風呂は、貸切露天風呂がぬるくて気持ちよかったので、それで満足だったのだけど、2本の源泉の味の違いを確認したくて、もう一度女湯にも入りに来た。ら、この景色。

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前日の雪の中も悪くなかったけど、まさかの青空に白い雪景色。お湯の色も明るい黄色がかって見えて綺麗だった。

食事も美味しいし、若旦那も気さくな素敵な方で、また来たいなと思うけど、行くの大変。でも行きたい。

 

濁河温泉 朝日荘
★★★★
[市営泉源混合泉]
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
54度
pH 6.5
759ℓ/分
[源泉朝日荘]
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
53.5度
pH 6.6
250ℓ/分
男女別露天風呂付き大浴場 露天風呂付き貸切風呂1
加水加温循環消毒なし
2022.2.19 宿泊

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