新潟駅から高速で1時間、奥阿賀の秘湯 角神温泉。新潟駅から電車で行くには、信越本線(か磐越西線)で20分の新津まで行き、磐越西線に乗り換え鹿瀬駅まで1時間ちょっと。駅からは10分かからないけど、新津からの電車がほとんどない。
阿賀野川の流れる阿賀町は、江戸時代までは会津藩領で、町の大部分は明治19年まで福島県だった福島との県境。
角神温泉は、飯豊連峰の裾野に広がる12万㎡ものリゾートエリア「角神ビレッジ」に湧く温泉で、リゾートホテル1軒のみ。
ホテル角神は本館と別館からなる計35室。別館泊も本館でチェックイン。その時に本館に靴を預け、地下通路から別館に行くように指示される。本館ロビーと別館ロビーはそんなにも離れてないのだけど、地下通路からのアクセスはえ〜って感じの遠さとめんどくささ。
大浴場は本館と別館それぞれにある。他に、野天風呂の「荒戸の湯」という貸切風呂があり、ここがぬる湯のかけ流しで、目当てのお風呂。
宿泊者は40分無料で利用できる。チェックイン時に予約時間を決め、本館フロントで鍵を受け取り、歩いて向かう。
本館の玄関を出て右手に進むと、右側に見えてくる。
ふたつの湯船のうち、右側の二ノ湯へ。着いたのが遅かったので、夕食前だとぬるい方しか空いてないのですがと恐縮がちに言われたのだけど、願ったり叶ったりです。
HPを見ると、一ノ湯が10名まで、二ノ湯が12名まで、二ノ湯の方は季節によりお休みすると記載がある。こちらの方が大きめで、よりぬるいんだろうな。
木の塀で囲われた露天風呂。鍵を開けて入ると、向こうには囲いがなく、どーんと景色が広がってる。ここは白樺とカラマツの自然林らしい。
ゆったり広いエリアにL字型の大きな湯船。黄緑色の薄く濁った湯が、樹々にマッチしてる。
屋根付きの脱衣小屋があり、棚に籠も置いてある。けど、暑いし、蚊が多いしで、湯船近くに籠を持ってきてこちらでばばっと。もうこの時点で何箇所も蚊に刺されてる。
林の向こうは阿賀野川。自然の山の中。
やっぱり居ますよ、虻が。幸か不幸か時間の後半に、2匹の虻がやってきただけだったので、なんとか逃げ切れたけど、真夏の川沿いは虻が怖すぎる。
一部分だけ屋根がある。
塀の向こうに一ノ湯があるので、入浴者の声が聞こえてくる。虻に襲われてる感じはない。うらやましい。
L字型の屋根のない川側の端っこが、かなり浅い。L字っていうより、大きな正方形で、右角にちょこっと小さな正方形がくっついてるような形。
浅い部分の深さは25cmで、広いところは50cm。浅瀬で半身浴や寝湯も良さそうだけど、蚊や虻から身を守るためには、身体を沈めていなければならない。
この浅瀬の1番端が排湯口で、川の方へ流れていくみたいだった。
屋根の下にある湯口は、それだけで湯温が下がりそうな長い木の樋みたいな湯口。
出てくる源泉は41度。加温なしのかけ流し。
すでにほんのり黄色みのある透明な源泉が、かなりざばざばと注がれてる。
湯口の真下には泡立ちがあり、湯面では泡が弾けてる。
湯の花に混じって、大量の気泡が舞ってる。
湯口のそばにいると身体にかなりの泡が付き、ふわぬるの肌触り。遊離二酸化炭素は13.9mgだけなので、炭酸ガスというより、新鮮な源泉だから地中の様々な成分が含まれてるのかな。
地下800mから1,200mまでの400mものパイプに穴開け加工をし、その間に湧出する温泉の一部を揚湯し利用しているのだそう。
ほんのり鉄の香りと、お漬物のような匂いもしてた。塩素消毒してるけど、全然分からない。
手桶は赤茶色に染まり、
柱にも析出物が出来てる。
薄いオレンジ色の細かい湯の花がたくさん舞っていて、中にはふわりと大きいのもある。
源泉温度が40.3度のナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉。pH 7.8の弱アルカリ性。
湯温は39度弱と適温のぬる湯。真夏はもっとぬるくてもいいくらいだけど。
重曹泉が古い角質を除去してくれ、ナトリウム-硫酸塩泉はしっとり潤う。肌を手でさすり泡を落とすと、つるつる。
ぬる湯だけど、湯上がりは足とか身体中から汗が吹き出し止まらない。真夏の暑さもあるけど、脱水症状になるかと思うほど汗が出る。
大浴場は本館と別館にそれぞれあり、本館は露天風呂付き。どちらも朝の9時半まで一晩中入ることができる。
まずはこのレトロな表示のある別館から。
ドライヤーは2つ、化粧水やクレンジングなどのアメニティもあり。
24個の棚に半分の12個の脱衣籠。
浴室の戸を開けると、むわっとすごい熱気。換気できないのかな、と思うほど。
左側にシャワーが6つ。
別館の大浴場は「山の湯」という名称。夜は真っ暗だった窓の外に、翌朝は緑の山が見えた。
くの字型?L字型?の手前の部分が、幅広で浅くなってる。
野天風呂もそうだったけど、ここのこだわりなのかな。縁がそれほど高くないので、寝湯という感じでもないのだけど、半身浴スペース。
その端っこから、湯が排湯されてる。
しっかりかけ流し。加温はしてるけど、循環なしのかけ流し湯船。
ざばっと湯船に浸かると、縁の方からも湯が溢れ出る。
本館は循環だけど、別館はかけ流しなので、別館に泊まった。
でも、チェックイン早々に大浴場の近くですれ違った社員さんから、ボイラーの調子が良くなくてちょっと熱めになってると聞いて、ものすごくがっかり。
湯口の温度は41度。危惧したほどは熱くはない。湯船の温度も41度。翌朝は40度だった。
夜、湯口も湯船も41度なので、どこかから熱い湯が出てるのかなと思ったけど、分からず。
湯口でお湯と一緒に泡が弾けてる。
ほんのり鉄の匂いがし、消毒臭は分からない。泡付きがあるので、ふわつるの肌触り。
湯口には、オレンジの析出物にグレーの湯の花がこびり付いてる。
手摺りもオレンジに。
半透明の濁り湯にオレンジ色の大小の湯の花がたくさん舞ってる。
ほんの少ししか浸かってなくても、やっぱり汗がすごい出る。
別館から本館の大浴場に行くのはとにかく遠い。あの長い地下通路を歩いて階段登って本館に辿り着いてからが、また遠い。
循環だから来る気なかったけど、別館が予想外に熱めだったので、なんとなく様子見に。
別館同様、朝の9時半までずっと入れるので、人も分散されてるのか、独泉。
こちらの方が大きな大浴場で、露天風呂もある。
脱衣所も広くて、28個の棚に半分の14個の脱衣籠。
ものすごく広い浴室。湯船周りの床は茶褐色に染まってる。
左右に洗い場。右手に6つ、左に3つだったか。仕切りのあるシャワー。
湯船は大小2つ。
奥の小さな湯船は、濁りがないので真水みたいに見えたけど、湯の花はたくさん。循環濾過してるから、透明感があるのか。
湯口はオレンジ色。40度の加温源泉が注がれてる。湯船は38.5度とぬるめ。思い切ったぬるい温度でいいな。
大きい湯船も同じ温度。
やっぱり浅瀬がある作り。
茶褐色に色付いた石の湯口からも、40度の加温源泉。縁の一部から排湯もされているので、循環とかけ流しの併用なのかな。
濾過してこんな透明なお湯でも、湯が流れ出る床はすごい色に変わってる。
脱衣所に掲示してある本来の湯温設定は、小さな湯船の湯口が43度、大きい方が42度、浅瀬が41度らしい。こちらもこちらで、調節がうまくいかず、ぬるくなり過ぎてたのか。真夏の設定でぬるくしたのかは分からない。
本館の大浴場は「川の湯」という名だけど、露天風呂は「阿賀の湯」。名前付ける気持ちも分かるけど、分かりにくくなるケースもあるよね。
露天風呂も広い岩風呂。透明なお湯なので、別館や野天風呂とは雰囲気が全く違う。
阿賀野川と対岸の山の眺望。緑の樹々が夏の景色。
循環であっても、これだけしっかりかけ流してたら、全然悪い気しない。でも濾過してるから、別館や野天風呂のような濁りはない。
37度と恨めしいほどのぬる湯で、長湯するなら本館だったかもしれないと、気持ちがぐらつく。循環なのに。
岩には赤茶色の析出物が付き、
オレンジ色の細かい湯の花がたくさん舞ってる。
塩ビのパイプから40度弱の湯が出てた。
湯口の近くにいると、循環特有の泡付きがあり、ふわぬるの肌触り。かけ流しも循環も同じ肌触りという‥。
目当ての加温なしのかけ流しの野天風呂は、確かにいいお湯だったけど、一回ちょこっとしか入れない。道中の暑さと、虻や蚊は苦手。
狙って泊まった別館の加温かけ流し湯船は、本館の循環湯船より熱くて残念。ちょっともやっと感が残る。
角神温泉 ホテル角神
★★★
ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
45.9度
pH 7.8
200ℓ/分
貸切野天風呂2
加水循環なし 加温消毒あり※野天風呂は加温なし
2021.7.24 宿泊
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