四万温泉 鹿覗きの湯 つるや(群馬)

日本三大胃腸病の名湯のひとつ、世のちりを洗い四万の病を治す四万温泉に3度目の再訪。今回は上毛高原駅からレンタカーで西へ1時間弱。

5つのエリアがある温泉地で、新湯地区の四万温泉 積善館(群馬)-温泉手帖♨︎ 、ゆずりは地区の四万温泉 時わすれの宿 佳元(群馬)-温泉手帖♨︎ に次いで、日向見地区のつるやへ。四万温泉発祥の地でもある場所。

京都本能寺を本山とする法華宗のお寺、薬王寺の宿坊として1965年に本能寺の鶴放から名をとり「鶴の坊」を創設。

その後、旅館として独立し「つるや旅館」に。敷地内に薬王寺がある。

プライベートテラスがある別邸 美月庵が4室と、伝統的な和の佇まいの本館 つるやが5室あり、全9室に露天風呂、半露天風呂付き。大浴場はなく、貸切風呂エリアに4種のお風呂がある。利用時間は夜23時まで、翌朝は6時から10時まで。

薬王寺の横を通り、右に参道の坂を見、屋根に沿って左手の建物へ。

建物に入るとまず目の前に鍵置き場があり、左側は湯上がりラウンジ、レモン水とジョアが置いてあった。お風呂が右側に4種。

鍵はそれぞれ2本ずつあり、順番待ちができるようになってる。2本目の鍵を持ってラウンジで待てるという、なんと賢いしくみ。

とはいえ、全室温泉付きの9室の宿なので、よっぽどじゃない限り混んだり待ったりしなくてもいいような、ではある。

写真のように、よりどりみどりなのでまずは、宿の冠にもなってる「鹿覗きの湯」から。

こちらは露天風呂。ちなみに4種は、露天風呂、内風呂、岩盤浴、サウナ。

外履きに履き替え、木札で鍵をして、石段を降る。

暖簾にも描かれてるように、覗いてる鹿とはカモシカのこと。

山につながるけもの道を望む湯船なので、日本カモシカなど野生の動物と出会えることが多いのだそう。ぜひ会いたい、カモシカ。

屋根はあるけど、開放的な露天風呂。貸し切りレベルの広さではない。暖簾をくぐると右手に簀子と脱衣棚。

石の湯口には砂糖が固まったような白い析出物がついてる。湯口で48度、浅い場所で41.5度弱。

実は縁の石にカラフルな毛虫が数匹いるのを見てしまい、ぞわぁっとしてもう入れなくなった。脱衣棚には“ヒルに注意”と対処法などが丁寧に記されていて、毛虫もヒルも分からないまま、飛ぶように逃げ帰った。カモシカに出会うのはまだまだ先のよう。

内風呂の「観月の湯」。

奥の窓は吹きっさらしの半露天タイプではなく、ガラス窓なので安心して入れる。テラスにも出られるけど、もう恐ろしくて出られない。

シャワーがあり、体も洗える。

瓢箪型の石の湯船。湯口のある奥の円は浅く、手前の円は真ん中が深い。

縁からちょろちょろ溢れ出るかけ流し。

湯口は48度。湯船の上側は42度あるけど、しっかり混ぜたら41.5度割れてくれた。

混ぜると底から舞い上がる湯の花。黄緑がかったベージュのゼリーっぽいやつ。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。匂いはしない気がする。

四万温泉発祥の「御夢想の湯」を引く宿はほとんどないそうで、数少ない宿の一つ。でも、奥四万ダムの近くから引く「湯の泉の湯」、麻耶姫伝説が残る麻耶の滝の麓から引く「山鳥の湯」の2本の源泉の分析書しかない。

前回の宿、四万温泉 時わすれの宿 佳元(群馬)-温泉手帖♨︎ がこの2本の混合泉だった。確かこれよりは新しい分析書で、源泉温度48.2度、湧出量は毎分18.9ℓでpH 8.9。

内風呂の隣に薬王岩盤浴。

バスタオル備え付け。

一番出入り口に近い扉が「天下人サウナ」。

シャワーブースも備えたプライベートサウナ。

オープンデッキに水風呂も。

岩盤浴もサウナも覗いただけ。好きな人にはいいだろうな。どちらも翌朝は利用不可。

泊まったのは別邸の「風」という部屋。テラスがあるけどテラスにもそんなに出ないよね。今年も紅葉は遅い。

脱衣所にシャワールームがあり、浴室には洗い場はないタイプ。ほんの数歩だけど、濡れた足で歩く。

浴室は大理石らしい。湯船はかなり大きく、見ないけどテレビも付いてる。

湯底には簀子が固定されてるタイプで、洗う時どうするんだろうと心配になった。

客室風呂も加温循環ありだけど、しっかりかけ流されてるので気持ちいい。

湯に入ると縁全体からざばーっと溢れる。おぉ、間に合わないくらいの溢れっぷり。

分析書は「湯の泉の湯」と「山鳥の湯」の2本の源泉だったけど、実際はそれプラス四万温泉発祥の「御夢想の湯」と自家源泉「鹿覗きの湯」の4本の混合泉。

HPにある混合泉の泉質が、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉とあるので、自家源泉「鹿覗きの湯」に塩化物イオンが多く含まれてるのかも。「鹿覗きの湯」は、源泉温度40.8度のアルカリ性単純温泉。自然湧出で毎分24.5ℓの湧出量。

「御夢想の湯」は、源泉温度53.8度のはナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉。自然湧出で毎分55ℓの湧出量。

四万温泉では、42本の源泉が32軒の旅館と4箇所の日帰り入浴施設に利用されてる。日向見地区では7本で「湯の泉の湯」と「山鳥の湯」以外は自然湧出。

湯口は46.5度弱で、湯船は42度ちょいで熱め。加温循環が微妙。湯口で46度なら循環要らなくない?と思ってしまう。

塩素臭はなく、しっとりふわつるの肌触り。

やっぱりもやっとする四万温泉。宿の目の前に御夢想の湯があるから、行ってくる。

 

四万温泉 鹿覗きの湯 つるや
★★★
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
49.4度
pH 8.76
客室半露天風呂9 貸切風呂(内風呂1 露天風呂1)
加温循環あり 加水消毒なし
2024.10 宿泊

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