鶴岡の奥座敷 湯田川温泉は、鶴岡駅から車で20分。庄内空港からも30分弱と好アクセスの温泉地。
開湯1300年にもなる古くからの湯治場で、712年に白鷺が傷を癒していたことから発見され、“白鷺の湯”と呼ばれてた。
源泉かけ流しの名湯は、各旅館の他に2箇所の共同浴場でつかることができる。
共同浴場は湯田川温泉 九兵衛旅館(山形) – 温泉手帖♨︎の隣にある「田の湯」と、温泉街にある「正面湯」。
温泉街のちょうど真ん中にある正面湯は、破風付きの立派な黒瓦屋根。
利用時間は朝8時から9時と11時から19時まで。9時から11時は清掃時間。
共同浴場を利用するには、温泉街の正面湯から50mくらいのところにある船見商店で入浴券を買い、ドアを開けてもらう。入浴料は200円。
でも実は、各旅館の宿泊者は無料で利用できるみたい。その宿で鍵を貸してもらうか、開けてもらうかするらしい。
田の湯と正面湯のぬるい方に入りに行きたいのだけど、どちらがぬるいかと若旦那っぽい人に訊ねたのだけど、鍵を開けてくれるなんて話はされなかった‥。
船見商店でお金を払い、おばあちゃんとお孫さんに連れられて、正面湯に戻る。正面湯の鍵を預かって30年だそう。
一回出たらもう入れないから忘れ物しちゃだめだよ、でも靴とか挟んどけばいけるよ、とかお孫さんに教えてもらいながら歩く。
右が男湯、左が女湯。
入浴券をポストに入れて、おばあちゃんに鍵を解除してもらい、さよならして脱衣所へ。
共同浴場は間違いなく加温なしの源泉かけ流し。42.2度の源泉そのものをかけ流してる。
泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉。鎮静作用や血圧の降下作用が期待できるお湯。
脱衣所は壁に棚があるだけ。
常に多くの人が出入りしていたので、もちろん写真は撮れず、画像はネットから拝借。
おばあちゃんが続々とやって来るので、挨拶しながら、そそくさと脱ぎ着する。広くもないし、それほど綺麗でもない。
脱衣所と浴室の間はガラス戸なので、どちらからも見える。この緑の芝生系マット、苦手。
石鹸やシャンプー、シャワーもない。湯桶はケロリンの黄色いやつ。
カランはあるのだけど、湯船のへりに座り、直接湯船のお湯を湯桶ですくう人がほとんど。
湯船はそれほど大きくなく、絶えず3〜4人が入ってた。
4人だとなんとかなるけど、深さがあるので湯底に座ることはできず、壁にもたれて中腰というか、空気椅子状態。なので、端っこにいたい。
脱衣所側に段差が一部あるだけで、そこに座っていられたらいいけど、出入りの邪魔になりそうだろうからそこに座るのはなし。
縁からは湯が惜しみなく溢れていて、しっかりかけ流されている。
湯口からはざばざばとかなりの量が投入されてる。毎分1000ℓと豊富な湧出量の源泉を、各旅館と共同浴場が分配してる。
ここは全国的にも屈指の新湯注入率を誇るそう。って、このグラフ、40年以上前のもの。
湯口の温度は42.2度で、湯船の中は41.2度。ふわふわの肌触りが気持ちよくて、泡付きもある。もう正真正銘のかけ流しで、宿のお湯とは全く別物。
塩素消毒は、夜中に源泉貯湯タンクに入れているそうで、全く塩素臭もしない。
適温のかけ流しだけど、長湯するにはちょっと熱くて、顔から汗がだらだら。でも、ふわふわが気持ち良すぎて、出るともう入れないし、名残惜しくて縁に腰掛けてねばる。
おばあちゃんがほとんどなんだけど、小学生低学年くらいの男の子とお母さんもいて、縁に座って頭洗う他所のおばあちゃん達に男の子が次々とお湯を汲んであげてた。
「あら、またお湯が入ってる。楽ちんだわぁ〜。助かるなぁ」って。
正面湯の正面、石畳と板塀の路地の先には、温泉街を見下ろす高台に由豆佐売神社。湯田川温泉の守り神でもある。
湯田川温泉 共同浴場 正面の湯
★★★★
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉
42.2度
pH 8.7
1,000ℓ/分
内風呂(男1 女1)
加水加温循環なし 時間外に消毒あり
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