東北新幹線の古川駅から陸羽東線に乗り換え、鳴子御殿湯駅のひとつ手前の川渡温泉駅で下車。駅からはタクシーか送迎車で5分。鳴子温泉郷の川渡温泉。
鳴子温泉郷は、宮城県北部の大崎地方を流れる江合川(荒雄川)の上流に位置し、鳴子温泉、東鳴子温泉、川渡温泉、中山平温泉、鬼首温泉の5つの温泉地からなる一大温泉郷。
源泉数400本、泉質9種類を誇る世界的にもめずらしい温泉地。
隣の旅館なのに泉質が全く違ったり、ひとつの旅館で泉質の違う複数の源泉を所有していたりもする温泉天国。
川渡温泉の山ふところの宿みやまは、山里の静かな風景の中にある小さな一軒宿。農林業をしながら湯治の宿みやまを営んできた。宿の周りには農村風景が広がってる。
翌朝、畦道をさんぽしているとお宿の田んぼがあり、ちょうど田植えをしてた。美味しく頂いたササニシキ。ご馳走さまでした。
登録有形文化財の茅葺の母屋と湯治宿の本館、総金山杉造りの別館の3つが並んで建っている。
山形の金山杉の木造りにこだわった別館は、1996年に建てられたとは思えないほど真新しく感じる。のんびりと里山時間を過ごすことができる贅沢な空間。
浴室はこの別館の1階にあり、
右が男湯
左側が女湯。男女入れ替えはなく、一晩中入ることができる。
本館の宿泊者も同じ浴室。本館は一人でも利用できる湯治向きの部屋。
こざっぱりとした清潔な脱衣所。洗面台が1つとドライヤーもあり。
金山杉をはじめ杉材を贅沢に使った湯小屋。
暖かさや懐かしさを感じるような趣のある素敵な浴室。
雰囲気のいい照明に大きな窓からの光。濃い色のお湯がとぽとぽと音を立てて注がれてる。
お湯に入る前から、ん〜たまらんって気分。
大きめの湯船にたっぷりのお湯。人とかぶっても苦痛にならない広さだけど、24時間入れるのだから、タイミングみてひとりで入りたい。
嬉しいことに、家族経営で目の配れる範囲ということで、1日に2〜3組しかとらないそうなので、そうそう誰かとかぶることもない。
シャワーは二面に5個か6個あり、こちら側は板で仕切られているので目隠しにもなってる。
もったいないほどかけ流されていくお湯。
自分が湯に入ると二面から湯が溢れていく。
宿の南側の山林の一画に涌き出ている源泉はアルカリ性の単純温泉。
やや黒い薄黄色とか、紅茶のような色とか温泉本に書かれてたけど、写真写りはおいといて、私的には透明な琥珀色に見えた。
透明の琥珀色の湯にたっくさんの湯の花が舞ってる。モール泉なのかな。植物由来の成分のような感じ。
墨色の大小の湯の花が、注ぎ込まれる湯に乗って目の前を勢いよく流れていく。
源泉は38度とぬるめなので、41度前後に加温されてる。
ご主人に湯加減をたずねられたので、もうちょっとぬるめがいいとリクエストすると、加温を緩くしてくれて、40度割れのぬる湯を堪能。6回は入った。
味はほとんどしない無味無臭のお湯だけど、ふんわり古い木のような、土のようなにおいがする。
泡がかなりつくので、ふわとろの肌触り。ぬるぬるの湯感触のアルカリ泉。ぬるぬるがすんごい気持ちいい。
天然の保湿成分メタケイ酸が182mgも含まれている美肌の湯。湯上がりの肌はしっとり。ぬるめでも汗は出る。
ぬるめの湯にどっぷり身体を沈めると、とけそうなほど柔らかいゼリーに包まれているような感覚で、気持ち良すぎで出られなくなる。
しかも、かけ流されていくお湯がもったいなくて、ますます出られない。
長湯でゆっくりお湯をたのしむ。もっとぬるかったら、もっと長く入っていられるのに。
座り心地のいい湯船の中は、宮城県雄勝の玄晶石。
農家でもあるのでお米はもちろん、野菜が主役の里山ごはん。すごく美味しかった。中でも大根餅と飛竜頭が絶品。
揚げたて飛竜頭は、大豆に舞茸と海老。
思い出したらまた食べたくなった。大根餅やばい美味しさ。
あぁ、お湯も思い出したら入りたくなった。誰も泊まってない日に泊まりたいなぁ。
川渡温泉 山ふところの宿みやま
★★★★
アルカリ性単純温泉
38.2度
pH 7.8
内湯(男1女1)
加温あり 加水循環消毒なし
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