熊本県阿蘇郡小国町と大分県玖珠郡九重町の境にある九重連山のひとつ涌蓋山西麓のわいた温泉郷。のどかな高原状の山地に、はげ(峐)の湯温泉、岳の湯温泉、地獄谷温泉、山川温泉、麻生釣温泉、鈴ヶ谷温泉の6つの温泉地がある。
はげの湯温泉は、湧蓋山の西麓、標高760mの高原に湧く温泉で、高原の斜面の日当たりが良い場所を“はげ”と呼んだことや、温泉の蒸気で草木が育たない“はげ地”などから「はげの湯」と呼ばれたのだそう。いたるところから、もくもくと湯煙が上がってる。
4軒の温泉宿の他、日帰りの貸切入浴施設、共同浴場があり、それぞれ異なる泉質の自家源泉を持ち、そのほとんどが源泉かけ流し。
旧わいた山荘が2020年にリニューアルした湯宿 小国のオーベルジュ わいた館。
玄関前には足湯。敷地内に2本の源泉を持つ。
大浴場というのはなく、貸切制。5つの貸切風呂と混浴露天風呂がある。利用時間は夜は23時まで、朝は6時から9時まで。お風呂は23時半に消灯。
一番手前にある「天空の湯」は、湧蓋山が一望できる展望露天風呂。
札を裏返し、入浴中にしてから、階段を上る。
クマバチがいてなかなか上がれなかった。帰りも蜂を避けるために、相当な時間がかかった。ちゃんと屋根と壁があるから、一度入った虫がなかなか出てくれない。
屋根付きの階段と廊下の先に赤い暖簾。
右手にさらに数段。上った先が露天風呂。
左手が脱衣場。屋根もあり籠や椅子まである。雨用のかぶり傘も。
脱衣場からの眺め。
想像以上に広い板張りの展望スペースに、予想外の湯船2つ。奥の湯船は無色透明だったので白湯だと思ってスルーしたけど、HPに適温とぬるめの2つの樽があると書いてあった。もしかして、加水多めの温泉だったのかな。
白い湯煙がもくもく。こんな絶景なかなかない。けど、6月になったばかりなのに、日差しがあまりに強くて暑くて、この場に長く滞在するのは無理。違う季節にゆっくり入りたいな。
手前の湯船は、透明だけど薄いブルーに見える。湯底がくっきり見える澄んだ美しいお湯。太陽の光でキラキラしてる。
湯搔き棒が置いてあり、湯温均一のためかき混ぜると、溜まっていた大小の白い湯の花が大量に舞う。
手に取ると、白ではなく透明。とろりとゼリーのようなタイプ。
木の湯船の側面は白くコーティングされてる。
湯口の辺りは緑色に。温泉藻なのかな。
夕焼けに空が染まると、湯船もぴんくになるかなと、いろんな時間に覗いてみたけど、この日は青空が一番綺麗だった。
次に現れる貸切風呂はこの棟の一番奥。
出口の手前に、向かい合って2つのお風呂がある。
右側にあるのは「笹の湯」。
木札を“空いてます”から“入浴中”に裏返し、中から鍵をかけて利用する。
洗面台のある脱衣所。網戸がないので、開けた窓からは自由に虫が出入りできる。
浴室のドアを開けると、水色の湯船が眩しい。展望露天風呂より濃い水色。
半露天風呂でシャワーも2つ。シャンプーは豆乳のやつ。リンスもある。
屋根や壁はあるけど、奥は屋外。小さな庭のように囲まれていて、笹の葉が揺れてる。
2、3人サイズの湯船。
湯尻からかけ流されてくお湯で、鱗のような析出物が出来上がってる。
湯搔き棒でかき混ぜると、白い湯の花が大量に舞い上がる。
湯口の温度は72.3度。熱い源泉が湯面に溜まってるので、しっかり湯搔きしないと入れない。
湯口も鍾乳洞のよう。触りたくなるけど熱くてだめ。
混ぜたけど43度弱と熱い。夕方もう一度チャレンジして、めっちゃ湯搔きしたら41.5度。加水の具合なのか、さっきは混ぜが足りなかったのか。
源泉は96.5度。泉質はナトリウム-塩化物泉。
宿に着いて車を降りた時には、硫黄臭を感じたけどお風呂では硫黄臭はなく、塩のような匂いがする。実際、肌の弱いところがちりりとし塩分を感じる。
向かいにあるのは「わいたの湯」。
同じように木造りの脱衣所。ベンチに洗面台、ドライヤーもある。
こちらは、宿の中の唯一の内風呂。窓を開けて半露天風呂にすることもできるけど、木々が迫っていて虫が恐ろしくて開けられない。両側に一つずつシャワーもある。
光を浴びてきらきら輝く水色の湯。
白い湯の花が舞ってる。
四角い木の湯口から熱い源泉が注がれていて、湯搔きしても43度。湯船の底に温度調節の水が注がれる仕組みになっているので、余計に上部と下部の温度差が大きいみたい。
湯船の側面もチェーンも排湯口も真っ白に析出してる。縁は薄いベージュ。
以前はこちらが排湯口だったのかな。もりもりの析出物の塊。
突き当たりのドアから外へ出ると、竹にとたん屋根の通路が続いていく。
まず右手に現れるのが「湯畑の湯」。
丸見えの開放空間。ここは湯浴み着か水着が必要な露天風呂。
湯浴み着はフロントでも販売してる。簡易な脱衣場がある。
広々した湯船。
やっぱりかけ流し。
先に進むと、途中に休憩処。さらに突き当たりまで行くと、
2つの出入り口。左側は寝湯。
シャワーもあり、浅い湯船。
右側は「竹林の湯」。
脱衣場のカーテンの奥に露天風呂。
シャワーもある。湯船から溢れ出るお湯は手前の洗い場へ流れてる。
大きな湯船からは竹林が眺められる。
林の中というか、森の手前というか。竹の見える庭風だけど、むしろ自然の中。
湯口は74度で、湯船はしっかり混ぜて41度ちょい。
5つの貸切風呂どれも熱めで、湯搔き棒でしっかり混ぜなきゃいけないので、くたびれ気味。
離れの露天風呂付きの客室。部屋に内風呂もあるけど、普通のお湯。
ガラス戸の外に半露天風呂。シャワーも付いてる。
うっすら水色の透明感のあるお湯。手前の段差の木がはっきり見える。側面は真っ白に染まり、ぶつぶつの析出物も付いてる。緑色の部分も。
しっかり屋根もあるけど、山の中というか林の中というか、虫がしっかりいる。
窓が網戸なしで、障子戸を開けるか閉めるか。開けたら眺めもいいし、涼やかな山の風が気持ちいいけど、虫もオープン。
縁や湯口のそばに、生きてたり死んでたりの様々な虫。見て見ぬふりをしたいけど見える。残念だけど、窓も閉めっぱなし。
湯口は62度で、湯船は38.5度。意外なほどぬるくて、拍子抜けする嬉しさ。適温。やっとじっくりお湯を味わえる。
熱い源泉が上部の湯面を滑っていく状態なので、しっかり底のぬる湯と混ぜる。綿埃の塊みたいなのがたくさん舞い上がり、身体にさわさわ当たる。指で触ると糸屑みたいな手触りな湯の花。
底がぬるりとしてるので、お尻がぬるつる。ふわつるの肌触り。湯上がりの肌は、しっとりねっとりした塩化物泉。天然の保湿成分メタケイ酸が461mgと多く含まれる美肌の湯。
湯船の湯温調節は、湯口から源泉が注がれ、湯船の底の方から水が注がれてる。全然気付かなかったので、ご主人に教えてもらって驚いた。全部の湯船がそうなのだと。さすがに湯量だけで調節は難しいのか。湧出量は毎分59ℓ。
もう一つ露天風呂がある。この道も虫苦手には恐怖で、キンチョール片手に急いで歩く。
鮮やかなコバルトブルーの露天風呂。開放感あるけど、これだけ緑に囲まれていたら、虫との闘い。手の届くところにスプレーを置いて入った。
すごい綺麗なブルー。
2つ竹の湯口があるけど、源泉が出てるのは片方だけ。湯口で59度弱。貸切風呂より10度以上低い。湯船は38.5度で我が家の適温。
べっとり湯の花が溜まりベージュの分厚い析出物に。
どの湯船もきっちりかけ流し。
竹の柵の向こうに湯煙。わいた館のかな。自家源泉が2本ある。
オーベルジュなので、温泉宿の食事じゃなくて嬉しい。朝食のフレンチトーストもよかったな。
はげの湯温泉 湯宿 小国のオーベルジュ わいた館
★★★
ナトリウム-塩化物泉
96.5度
pH 8.5
59ℓ/分
貸切風呂5(内風呂1露天風呂4) 混浴露天風呂1
加水あり 加温循環消毒なし
2023.6 宿泊
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