蔵王温泉 川原湯共同浴場(山形)

山形県で1番歴史の古い蔵王温泉。古くは最上高湯や高湯と呼ばれた温泉地で、白布温泉、福島の高湯温泉とともに奥州三高湯の一つ。

温泉街には3つの共同浴場があり、気軽に利用することができる。

高湯通りの坂の上、酢川温泉神社、高見屋の石段のすぐ下に「上湯共同浴場」。

高湯通りを少し降ったところにあるのが「下湯共同浴場」。

3つ目の「川原湯共同浴場」は上湯共同浴場のすぐ下、高湯通り沿いではなく湯の香通りに曲がったところ。

迷わず川原湯共同浴場に向かう。ずっと来てみたかった、ここは足元湧出の湯船。

源泉が湧いている上に湯小屋があり、周りは排湯された源泉が溢れてる。

3つの共同浴場の利用時間は共通で、朝6時から夜10時まで。無人なので電磁式自動ロックの仕組み。時間になると自動的にロックがかかるそう。入浴料は大人200円。

宿の帳場で共同浴場に行くと告げると入浴券をもらえるので、これを入り口の赤い箱へ。

靴を脱ぎ脱衣所に上がると、ガラス戸の向こうに見える美しい青みがかった湯船。

全て木の板で囲まれた浴室。潔いほどに、ただ蔵王の湯があるだけ。

シャワーやカランはない。

隣が男湯で、上は抜けてる。熱い熱いときゃっきゃと騒ぐ若者の声が筒抜け。

手前の塩ビ管から注がれているのは源泉ではなく井戸水。湯口はない。

湯船のお湯は奥側から溢れ出ていて、ここでトド寝してる人もいた。

かなりの勢いで排出されていくお湯を見れば、湯船がどれだけ新しい源泉で満たされているか分かる。

足元湧出の湯船は、こんな簀の子状になってる。

この簀の子の下から源泉が湧いてる。というか、源泉の上に簀の子を置いてるってことかな。源泉そのものに入れる貴重な湯船。

何がすごいって足元だけじゃなく、湯船の底も側面も全てが簀の子状になってるってとこ。

お隣の日帰り入浴施設「すのこの湯 かわらや」は、同じ川原湯源泉みたいだけど、足元と男女の境目だけが簀の子で、ってそれでも充分だけど。ここは側面の四方全てが簀の子状で、足元だけでなく横からも源泉が入ってくる構造。

そして、その源泉が熱い。覚悟を決めてやって来たけど、やっぱりめちゃくちゃ熱い。川原湯源泉の温度は45度。

手前側が44度と1番熱くて、他の部分でも43度。手前側は、適温に調整するための水が出てるにも関わらず、1番熱い。

泉質は高見屋と同じ酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉。pH 1.8だけど、きゅうっと軋む感じは弱く、肌触りはふわりとしてる。遊離二酸化炭素が432mgと多く血管拡張効果があり、強い酸性の硫黄泉は、皮膚に効き美肌効果もある。保湿成分のメタケイ酸も豊富で、効能をあげればキリがない。湯上がりの肌はするっする。

湯船は全て木造りだけど、湯に浸かってる部分は、陶器みたいに青白く染まって見える。だから遠目から見ると、青みがかったお湯に見えるのかな。

新鮮で透明なお湯には、白い細かい湯の花がたくさん漂ってる。

熱くて熱くて浸かっていられないのだけど、なんとかして入りたい。水のそばにまとわりつくように座るのだけど、熱い、熱すぎる。熱いけどふわりとしてる。熱いの苦手なのに、不思議とまた来たい蔵王温泉。

 

蔵王温泉 川原湯共同浴場
★★★
酸性・含硫黄アルミニウム硫酸塩・塩化物泉
45度
pH 1.8
4,000ℓ/分
内風呂(男1 女1)
加水加温循環消毒なし
2022.10 日帰り入浴

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