奥津温泉 池田屋 河鹿園(岡山)

奥津温泉の河鹿園を再訪。秋に行って、ぬる湯を味わったので、これは夏にと。

岡山空港から1時間半。美作三湯のひとつ奥津温泉。

前回とは朝晩の男女入れ替えが逆で、翌朝がこちらの1階にある明るく広い大浴場だった。真夏の川沿いは虻が恐ろしいけど、内風呂だけなので安心。

真下が吉井川。ちゃんと網戸だし簾もあるので大丈夫。

日曜日の朝は、足踏み洗濯の実演があり、このお風呂の中で7年ぶりにあの唄を聞いた。

今回、左端の三角の部分は湯口として使われてなくて、湯船の側面の2つの穴からだけ源泉が投入されてた。

もうひとつの浴室とは湯の量と勢いが違う。湯口の穴は39度で、湯船は38.8度。もちろんどちらもざばざば縁から溢れるかけ流し。

あっという間に泡まみれになり、ふわふわの肌触り。ちょっと深いので、体育座りするなら、背筋も首も思いっきり伸ばしてなきゃ、髪が濡れる。これはちょっとつらい。

前日に入ったもう一方の地下の浴室は、湯口の穴で39度ちょいの38.5度だった。11室なので、小さめの湯船でも大丈夫だけど、やっぱりこちらの広さの方が気持ちいい。

タイルが可愛い。撮り損ねたけど、段差の側面は小豆色のタイル。なんとお洒落な。

隣に家族風呂があった。前もあったのかな。

ちょっとのぞかせてもらった。こちらもバスマットの替えが備え付け。

シャワーもある。お湯は溜まっているけど、出てはない。部屋風呂と同じで、蛇口から源泉が出せる仕組みなのかな。

どこにも案内とかなかったので謎だけど、空ですと木札があるので、自由に利用できるタイプなのかも。

あわあわざばざばのぬる湯、やっぱり夏によきだった。

 

奥津温泉 池田屋 河鹿園
★★★★★
2023.7 宿泊

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4回目の奥津温泉。最初の2回は奥津荘、次にお隣の東和楼、そしてさらにお隣の池田屋 河鹿園へ。

昭和4年(2年?)創業の河鹿園。棟方志功と親交の深かった先代は新館建築の際、彼に茶室の相談をし、全面的に設計に関わった茶室を“妙知庵”と棟方自ら名付け、多くの時を過ごしたとか。

与謝野鉄幹・晶子夫妻ら、多くの文人墨客に愛された宿だけど、2012年に廃業。同じ奥津温泉にある米屋倶楽部が受け継ぎ、2018年4月に池田屋 河鹿園として再開。

当時の看板が残されてる。

大浴場は1階フロントの奥、この階段の先と、下に降りたところにひとつずつ。夜は23時まで、朝は6時から10時までの利用時間。

夕食後に男女入れ替え。上の階の方がチェックインから夕食まで女湯。めっちゃ短い時間で入れ替えとなる。

もうみんな入り尽くした状態。備え付けのフェイスタオルはなくなり、バスマットも散乱‥。レースのカーテンの奥に洗面台がある。

棚に様々な形の脱衣籠。下の段のタイルがレトロでかわいい。

足ふきマットの替えがあるの最高。新潟の岩室温泉、塩原の湯の花荘くらいかな。

女湯の時間帯ぎりぎりに入ったので、外は暗く、浴室内も薄暗く、もわっと湯気で視界が悪かったけど、チェックアウト前にちらっと見せてもらったら、爽やかな気持ちのいい浴室だった。とても広く、天井近くにも明かりの入る窓がある。

洗い場は3つだけ。シャワーが並んでる。

洗い場が3つしかない割に大きな湯船。

湯口は空気に触れないように湯船の中にある。ほんの少し高くなってるこの

左端の三角の中にある穴から出てる源泉が、少しずつ湯船に流れ込んでる。

もう一箇所、左の側面下部にも2つの穴があり、かなりの勢いで気泡を伴って注がれてれる。

水面は泡だらけ、近くにいるとものすごい泡付き。ふわぬるのぬるつるの肌触り。めちゃくちゃ気持ちいい。

pH 9.3のアルカリ泉。泡に包まれて溶けそうな感覚。気持ちいいのはあわあわぬるぬるだけではなく、この温度。

“奇跡のぬる湯”と呼ばれる38度の自家源泉と謳われている、河鹿園の源泉は敷地内に湧く40度の源泉で、湯船に注がれると38度から39度の絶妙なぬる湯となる。

夕方のこの湯船は38.8度。最高かな。溶けそうな適温。湯量も毎分300ℓと豊富でかけ流しの量がすごい。

豆タイルのレトロな湯船から、川のようにざばざばと源泉が溢れ流れていく。

排水口は2箇所あり、もったいないほど湯が吸い込まれていく。

湯船の周りには溢れ出たお湯が流れる川のような部分があり、かけ流される湯量のすごさが見える。

湯口の近くは深さが結構あって、お尻つけて座るのに、首元が濡れないよう前に頭を倒し、口を全部沈めてないと座っていられない。端の方はもう少し浅いところもあったのかな。

下側の大浴場は、他の2宿と同じように、川へと降りて行くような階下にある。

薄暗い階下に降りてきて、脱衣所のドアを開けると、想像を裏切る明るい真新しさ。洗面台には化粧水などのアメニティもある。

仕切りの奥が脱衣場で、タイルの台の上に様々な形の籠が5つ並んでる。

フェイスタオルは備え付け、足ふきマットの替えもある。よき。

もう一方の浴室と比べるとかなりこじんまり。夕食後から夜の23時までと、朝6時からはこちらが女湯。

シャワーは2つ。シャワーから出るのも源泉。

4人サイズかな。もう少し入れるけど、5人目が来たら出るくらい。意外にも一瞬だけ2人の時間があっただけで、あとはずっと独泉だった。

見えてるパイプと、湯船の中にもパイプがあるけど、下のは出てないみたい。

こちらもやはり、側面の下側に湯口があり、空気に触れないように源泉が注がれてる。ぷくぷくと泡を伴ってる。

端っこにいても泡付きがしっかりあり、あわあわ。ふわぬるのぬるつるの肌触り。静かに浸かってると水流に触れて、湯力の強さを感じる。

湯口は39度で、湯船は38.5度。この時期の適温で、いつまででも入っていたい気持ちよさ。だけど、ある程度時間が経つとぽかぽかしてきて、湯上がりもしっかりぽかぽか持続。

深さがちょうどよくてリラックスできる。流れ出ていくお湯を見てると飽きない。

洗い場の下の長細い排水溝を流れていく水音と、出入り口側の排湯口に吸い込まれていく水音が違っていて、洞窟の中で水琴窟みたいな奏でられた音を聞いてるみたいで心地いい。

11室のうち3室に、ジャグジーの内風呂が付いていて、自家源泉のかけ流しを楽しめる。

窓の向こうは黄色く色付いた銀杏。

これ多分奥津荘の大イチョウ。夜はライトアップされる。大イチョウが見られる客室ってのがあった気がする。借景かな。お隣は東和楼だと思い込んでたけど、川側では奥津荘と隣接してるのか。

カランをひねると自家源泉。39度しかない源泉なので、溜めたばかりじゃないと入るの無理。

夕食後、溜めてあったお湯に源泉を足しながら入ればいいかなと、浸かってしまったら悲劇。冷た過ぎて寒すぎて、湯口のそばに張り付いていてもいっこうに湯船の温度が上がる気配はなく、諦めて震えながら大浴場に走った。

古い造りだから、浴室自体もめちゃくちゃ寒く、シャワーも震える。

ちなみにこの桂の間は、棟方志功や天皇陛下、多数の文人墨客が宿泊した歴史をもつ由緒ある部屋。

 

奥津温泉 池田屋 河鹿園
★★★★★
アルカリ性単純温泉
42.0度
pH 9.3
300ℓ/分(掘削動力)
内風呂2(男女入れ替え制)
加水加温循環消毒なし
2022.11 宿泊

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