湯原温泉 元禄旅籠 油屋(岡山)

岡山の県北、美作三湯の一つ湯原温泉。岡山空港、鳥取空港、米子空港それぞれ3つの空港からほぼ1時間半弱のところに位置する温泉地。

湯原温泉郷は北から湯原、下湯原、郷緑温泉 郷緑館(岡山)-温泉手帖♨︎、足、真賀温泉 真賀温泉館(岡山)-温泉手帖♨︎の5ヶ所の総称。旅館やホテルは25軒ほど、岡山県下屈指の温泉郷。

湯原温泉は2回目。前回は湯原温泉 八景(岡山)-温泉手帖♨︎

今回は元禄元年創業の老舗宿、元禄旅籠 油屋へ。行灯などに使う油を扱っていたので油屋。創業335年かな、現当主が14代目。

源泉が湧き出る薬師堂の真横が、油屋の大浴場がある食湯館。趣のある明治時代の建物。

湯原温泉には主な源泉が3箇所あり、1つは西の横綱と称される共同露天風呂の砂湯、2つ目がこの薬師堂の湯本温泉館地下。

そしてもう1つが、食湯館の向かいに建つ、油屋の夢酔庵の地下の源泉。

湯本温泉館地下と夢酔庵地下の源泉が、温泉街の各旅館に配湯されてる。

つまり、源泉を持つ宿は油屋だけ、一番鮮度の良いお湯に入れる宿。

夢酔庵の地下にある貸切風呂「薬王湯」。1時間3,000円なのだけど、無料で利用できるプランだったみたいで、着いてすぐ入らせてもらう。

かつては大浴場だったかと思うような広いスペース。脱衣場は今まで見たことない切り株を埋め込んだ床。

昔みたいに脱衣場と一体の浴室。

洗い場にはシャワーがひとつだけ。シャンプーなども置いてある。

むわっと熱気の先に薬師如来様なのか。

おそらくここが泉源で、湯船に向かって湯が流れてきてる。

箱根の塔ノ沢温泉 元湯 環翠楼(神奈川)-温泉手帖♨︎ を思い出した。暑い時期に湯を冷ますために、こういう湯の通路みたいなとこをぐるぐる廻してから湯口に到達させる。

湯船に入る直前で42.5度。大きい方の湯船に注がれ、湯温は40.5度ないくらい。あまりに浴室がもわっとしてるので、すごく熱いのかと思ったら適温だった。

その後小さな湯船へと湯が流れ込み、

かけ流されていく。

大小の湯船は仕切りの上の切り込みだけでなく、底にも穴があり、湯が通り抜けていく。

小さな湯船は39.5度と有り難いぬるめ。ふんわりぬるつるの肌触りが心地よい。塩素臭もしない、新鮮な源泉を味わえる。

この湯船は源泉のすぐそば。消毒もない完全な源泉かけ流し。

自然湧出の源泉で、pH 9.3のアルカリ性単純温泉。湯から出した手がぬるりとする。

油屋下泉は51度で毎分760ℓの湧出量との掲示がある。今は4、5本の源泉を混合泉としてるので、44.8度の源泉温度。

無料のプランじゃなかったらきっと入らなかった。これは入らないとだめなやつだった。よかったー。

大浴場は食湯館の2階。利用時間は夜の22時まで。朝は7時から9時まで。翌朝は男女入れ替え。

畳敷きの清潔で気持ちのいい脱衣所。1階でロッカーの鍵を受け取ってから。

浴室に入ると消毒臭がする。左手にシャワーが5つ。

大きな内風呂「にぎはしの湯」は加水加温循環消毒あり。ほんの少しかけ流しも併用なのかな。縁から溢れ出てたような気もする。

湯温は41度弱の設定。

階段があり、上に露天風呂「はなゑみの湯」があるみたい。

途中にアルカリイオン水みたいなのがあったけど、使用されてない。

ベランダに出るかのように外に出ると、木造りの湯船。中はステンレス浴槽。滅多に見ることない。

外にもシャワーがひとつある。

湯口からは54度のお湯が注がれていたので、加温かな。混合泉の源泉温度は44.8度。夏だし必要ない気がするけど。でも温泉館地下泉は52度ともあるので、もしかしたらそのままなのかも。

湯船は40.5度。露天風呂は循環なしのかけ流しで、ふわつるの肌触り。

底が滑りそうで気をつけて入ったけど、意外に滑らない。

翌朝は、右奥の入口の大浴場が女湯に。今度は脱衣所から下に降りていく。昔の建物だから仕方ないのだろうけど、足が元気じゃないと無理。なんか裸でうろうろする造り。

1階に浴室があるってことか。地下っぽい造りで柱がある。

正面にあるのは出てない打たせ湯。隅の内風呂「ろうろうの湯」を囲むように左側にシャワーが多分2つ、

右手にも洗い場がありシャワーが3つ。

41度に設定された循環湯船。

こちらにも露天風呂があり、扉から出ると

また階段。

地下になるのか、とにかく階段の多い大浴場。

こちらの露天風呂「いそうれの湯」もかけ流し。

湯口が47度で、湯船は41度だった。加温のかけ流しかな。

かけ流し湯船を作れるのは、やはり源泉を持つ老舗宿ならでは。

貸切風呂のあった夢酔庵が宿泊棟。全8室の客室は全て温泉付き。

普通の蛇口から出るのが源泉で、湯口で44度だった。

レトロタイルの湯船。かなり深いので、いっぱいになるまで結構な時間がかかる。ちょうど溜まったところで41.5度。

湯原温泉の宿で源泉かけ流しにこだわるなら、油屋なのだと思う。

川向こうの別館は現在使われてない。20室ほどの収容で大浴場もある。

 

湯原温泉 元禄旅籠 油屋
★★★
アルカリ性単純温泉
44.8度
pH 9.3
湯原全体で6000ℓ/分(自然湧出)
内風呂2 露天風呂2 貸切風呂1
加水加温循環消毒なし ※大浴場内風呂は加温循環消毒あり
2023.7 宿泊

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