湯之谷温泉郷にあるランプの宿 駒の湯山荘は昭和28年開業の一軒宿。以前は日本秘湯を守る会だったけど今は違う。看板には会員『でした』と貼紙があり、ご主人の実直さが現れているよう。
遡ること300年ちょっと、1700年頃の銀山最盛期、銀山平と小出の中間にある休憩地点のここに湧き出していた湯で、運搬の疲れを癒したのが駒の湯の始まり。
東京から上越新幹線で1時間半の浦佐駅で、上越線に乗り換えて8分の小出駅。そこからバスで25分の大湯温泉で下車すると宿から車で迎えに来てくれる。(要予約)
13時からチェックインできる有り難い。1日目の昼から温泉三昧!12時47分にバス停に迎えに来てもらった。
大湯温泉からはさらに細い山道を10分弱ほど進み、ぐっと秘湯感が出てくる。営業は11月上旬までで冬季は閉鎖。春は4月下旬から。
エアコンやテレビなどは一切なくあるのは囲炉裏とランプだけ。館内は自家発電で、昔ながらのランプの中に豆電球を入れた照明と、石油ランプで過ごす夜。
携帯はもちろん圏外。宿の電話は衛星電話。
真夏のぬる湯リストの一湯。今日は真夏日で魚沼市の最高気温36度予想だった。この山の中も31度以上あるので、ぬる湯が気持ちいいに決まってる。いい日に来たな。
まずは、渡り廊下にある引き戸を開け、階段を降りたところに、この緑の看板にあるように4つのお風呂がある。
わけではなく、正確には、というか分かりやすくいうと、貸切露天風呂が2つ、内湯が2つ(混浴と女湯)、それから混浴の渓流露天風呂がある。
まずは正面にある外履きに履き替えて右手のドアから外へ。
至るところから湯が流れ出てる。
石段を降りていき、混浴の渓流露天風呂へ向かう。あ、渡り廊下のところに、女性用の赤い湯浴み着が用意されているので、必要であれば持って出る。
所々にランプ。渓流露天風呂も夜中じゅう入れる。全ての湯船が13時から翌朝の10時まで入れる。なんとも極楽。
湯船はどれも二つずつあって、大きな方が源泉かけ流しで、小さい方は加温した温泉。
加温湯船にはカランが付いていて、利用者が自由にお湯を出し入れできる。源泉は33度とかなりのぬる湯なので、加温湯と交互浴してくださいとのこと。
渓流の目の前の露天風呂。右手に脱衣小屋がある。男女分かれてはなかったと思う。
あまりの日差しの強さで、ちょっと入るのは無理。恐ろしい暑さ。裸足でコンクリートを歩くのも危険を感じる。
川が目の前。虻がめっちゃいるのかと覚悟して降りてきたけど、一匹も出会わなかった。けど、さすがに裸で入ってたら飛んでくるよね。
ここの温泉今まで見たことない、多分一番の湯量で、毎分2000ℓもの大量の温泉が川のように各湯船にかけ流されている。驚異の湯量。
どばどばと川にかけ流されている。
日に当たるからか薄いブルーっぽく見える。硫黄を含むアルカリ泉。
湯川内温泉 かじか荘(鹿児島) – 温泉手帖♨︎や、白木川内温泉 旭屋旅館(鹿児島) – 温泉手帖♨︎のサファイヤブルーと同じ綺麗な色。
湯面の波で、どれだけの湯が投入されてるか想像がつく。湯船の縁からどんどん溢れていってる。気持ち良さそう。
渓流沿いの真夏のぬるいプール。日焼け恐れない人にはたまらない極楽だろう。
渓流露天風呂からの帰り道に見上げたこの建物が、あとで入る貸切露天風呂。
さて、汗だくで屋内まで戻りスリッパに履き替えて、今度は左手側にある引き戸を開けると内湯が二つ並んでる。手前が女湯で奥が混浴。混浴へ行く女性は、女湯の脱衣所からも行けるように中が繋がってる。
女湯の脱衣所と浴室の間にランプ。夜もこれしか灯りはない。
小さな加温湯船と源泉かけ流し湯船。すんごい暑い日だったので、私は一度も加温湯に入らなかったけど、32.9度は夏以外は辛い。加温湯との交互浴は必須かと。
無色透明の湯で、細かい気泡と湯の花が舞ってる。白濁して見えるほどの大量の気泡。
スマホじゃ写らないけど、細かい大量の気泡が勢いよく流れていて、どんどん肌に付いてくる。ぬる湯の泡泡すごいわ。
内湯にはシャワーが一つ。シャンプーやボディーソープもあった。
お隣にある混浴の内湯。広さはそれほど変わらない。
右手前に湯口。
はい。勢いよく源泉が投入されてます。
内湯は朝ごはん終わってからだと、窓越しの日差しが強すぎて、きつかった。
内湯の通路の先のドアを出ると、貸切露天風呂が二つある。二階建てみたいなイメージで、一つは石段を降りた先に扉がある。
出入口の看板を裏返して入浴中にし、中から鍵をかけて入るしくみ。
まずはこの階にある上側の方に入ってみる。
下から見上げたテラスがこれだ。眩しいほどの緑。
広い脱衣所というか、湯上がり処というか、テラス?が独り占めの貸切露天風呂。真下には佐梨川。
この大きなテラスの奥に露天風呂。上には葦簀があるので、露天ではないけど、これぐらいの方が絶対にいい。
湯船は他と同じく二つ。脱衣籠には虫がたくさん亡くなっていたので、逆さまにして払ってから、湯船のすぐそばまで持ってきて、こちら側で脱ぎ着。
加温湯船はほとんど湯が入ってなかった。自分も使わないので触らず。
湯温は32.6度。気持ちいい!汗だくだった身体にちょうどいい。硫黄の匂いが結構する。
ざっばざっば新しいお湯。しぶきがまた気持ちいい。
すぐに身体に泡がつき、ふわふわの手触り。かなりの泡付きで、自分から離れていく泡がくすぐったい。
湯船にはアルカリ泉らしい、白いふわふわの湯の花が岩に付いてたり、たまに舞ってたり。
お湯は湯口の反対側から、きっと川の方にかけ流されてる。
どばどばと音を立てて注がれる大量の温泉と、ゴーゴーとかけ流されていく湯と川の激しい流れの音。周りは緑しかなくて、他には何の音もなくて、身体が少しずつ冷えていく。うぅ〜気持ちいい。
階段を降りた扉の向こうにあるもう一つの貸切露天風呂。
こちらも緑。川に近く、天井はあるけど囲いがない露天風呂。虻の危険がある。
加温湯船はどれも本当に小さい。
源泉湯船にはこちらもすごい量の湯が注がれ
川のようにかけ流されている。これ、湯船じゃなくて、縁から流れ出てるお湯。
私は入る勇気がないけど、こちらの方が緑の景色も川も近い、眺望の素晴らしい露天風呂。
もう充分過ぎる気もするけど、あと一つ露天風呂があって、実はそこが一番良かった。
最後の一つの露天風呂は玄関を出て、奥にある建物の中。右の出入口が混浴(男性)で左正面の赤い暖簾が女湯。
日帰り入浴はこの湯船だけみたい。
まずは混浴側の露天風呂。
広い脱衣スペース。シャワーも一つ完備。シャンプーなどもある。
間欠泉のように湯口から吹き出す温泉。あまりの湯量で、排水が間に合ってない。湯船の外に溢れるお湯。
2本の源泉で毎分2120ℓ。2tて‥。それがどばどばと注がれ、ゴーゴーとかけ流されている。
圧巻‥。
左側には加温湯船。
この混浴露天風呂へは女湯の脱衣所からも出入りできる。
左の木のドアの方は女湯の浴室。右の暖簾付きが混浴露天風呂への出入口。
小さな脱衣所には9個の脱衣棚があるけど、この女湯の湯船、2人しか入れないと思う。
ほら。
何回かのぞいてみて、1人先客がいるだけで、遠慮しとこうと出直すほどの狭さ。
2人で入ってた時間に、さらに1人入って来た時は、え⁈入ってくるの⁈どうやってどこに入るの⁈と‥。いや、無理でしょと、その人がシャワー浴びてる間に私は出ましたよ。
だってこんな勢いよく湯が噴射されてて、湯船の洗い場側には石段があって、どこに3人入るのー⁈
一度部屋に戻り休憩。
日当たりの良過ぎる角部屋で、ふと見た湯温計が37度を指してる。こわい。暑過ぎる。ここに居ては死ぬかもと、また温泉へ駆け込む。
32度のお湯最高。身体がいい具合に冷える。冷えるんだけど、さすがは温泉。身体の中はじんわりと暖かい。
噴射の途中からだった。
そう、こんな狭い湯船にこんな勢いでこんな量のお湯が投入されて、最高過ぎる。
湯口のすぐ左横に排湯口があるけど、全く間に合ってなくて、湯船の縁の向こう側にはお湯が溜まりっぱなし。
この勢いで逆側の縁からも溢れ続けてる。
湯船の中の岩にはぬるりとした白い湯の花がたくさん付いてる。
この女湯、虻避けなのか、年中そうなのか分からないけど、外との境に網を張ってくれてるから虫がいない!外の空気は感じるけど虫がいない!最高の湯船が出来上がってる。
もう、1人だと湯口の噴射を真正面から浴びちゃうこともできて、極楽。このまま飲んじゃう。芳ばしい美味しい硫黄泉。
アルカリ泉のぬるつる浴感。湯上がりの肌はぷるんとして、すべすべ。かなり最強の美肌の湯。
調査したら化粧水の成分だと判り、化粧水作っちゃったの分かる。
この夏入ったぬる湯で35度以下の源泉は、微温湯温泉 旅館 二階堂(福島) – 温泉手帖♨︎の31.8度、佐野川温泉 佐野川温泉旅館(山梨) – 温泉手帖♨︎の30.9度。ここ駒の湯が32.6度。どれもよかった。ほんとに夏の暑い日のぬる湯は最高だな。
駒の湯温泉 駒の湯山荘
★★★★★
32.5度・31.5度
pH 8.6
320ℓ・1800ℓ/分
内湯2(混浴、女湯) 露天風呂2(混浴、女湯) 貸切露天風呂2 混浴渓流露天風呂1
加温加水循環消毒なし
2019.9.7 宿泊
コメント
はじめまして
こちらの記事を拝見してとても興味が湧き、寺宝温泉+駒ノ湯に先週行ってきました。
ぬる湯で大量の掛け流しですと、ご存じかも知れませんが熊本の奴留湯温泉、こちらはいかがでしょうか?
URLはパッと検索したblog記事ですが、湯量的には駒の湯さんの日帰り露天よりさらに多いかも知れません。
としさん、コメントとご紹介ありがとうございます。
奴留湯温泉は、行きたい温泉のひとつですが、日帰りだけなのでまだ行けずにいます。
わいた温泉に行くときに合わせて立ち寄ろうかと思ってはいますが、豊礼の湯は出来れば寒い時期に行きたいし、奴留湯温泉は熱い時期に行きたくて、なかなか実現できずにいます。