裏磐梯の自然に囲まれた大府平温泉。東京から1時間20分の郡山駅で磐越西線に乗り換え40分の猪苗代駅へ。駅からタクシーで20分ちょっとのホテリ・アアルト。時間が合えば送迎もある。
会津・裏磐梯は、磐梯山や五色沼など豊かな自然に恵まれた地。東北北陸の3県にまたがる大きな国立公園の中にある。
曲沢沼の紅葉が見たくてやって来た。
裏磐梯の森にそっと佇む宿 ホテリ・アアルトは、会津の伝統工芸である漆器の“金継ぎ”のように、壊れたものを魅力いっぱいに蘇らせたいという想いで、建築家3人が築40年の山荘をリユースした宿。
「ホテリ」はフィンランド語でホテル。タクシーに乗って「ホテリ・アアルトお願いします」と言うと「はい。ホテル・アルトね」と言われた。無事に送り届けていただけるなら。
ラウンジから眺める中庭。左手に小径があり、敷地内の沼をぐるりと周る散歩道がある。
その沼のほとりから湧き出る源泉が『弁天の湯』。男女別の大浴場は一晩中いつでも入ることができる。
ほんのり硫黄が香る浴室には内湯と、その先に繋がるように露天風呂があり、木のぬくもりと柔らかさに包まれている。
浴室と露天風呂との境は大きな引き戸で、網戸とガラス戸の二枚仕立て。
その場に居るひとが如何様にもできる空間。
露天風呂の檜造りの湯船は超好みだけど、湯口付近で43度くらいと熱め。
そばにベンチもあり、あがって休むこともできる。
木の床は滑りやすいのでそっと歩いて内湯へ。
お湯はつるつるの湯感触。塩化物泉のねっとりじっとりした感じは薄いけど、湯上がりの肌はしっとり。時間が経つとさらさらするするに。
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。硫黄泉は古い角質を溶かす美肌の湯。皮脂分泌を抑さえるので、湯上がり後には保湿が必要。
シャワーは3つ。客室数17室、うち5室は温泉付きだから、大丈夫なのかな。最小限にシンプルに。脱衣所もそれほど広々ではない。
内湯のお湯がかけ流されていく木の部分が暖かくて気持ちいい。
湯口からは熱めの源泉が調整されながらかけ流されていて、湯口付近で42度弱。循環も消毒もない。
優しい塩味で、おかきのような芳ばしさ。
薄茶色の湯の花がたくさん舞っていて、それがたくさん集まると大きな雲丹みたいな湯の花に。大きな湯の花は触るとほろほろと溶けていく。
浅いところで座ったり、寝湯したりと、きちんと考えられた湯船。
湯口から離れた浅い部分は湯温も少し下がり、ゆっくり浸かりやすい。
翌朝、窓が開いていたからか昨夜よりぬるめの内湯。41度ちょっとで入りやすかった。浅い部分は41度割れ。手前を頭にして寝転がれば、目の前には紅く色づいた樹々が見え、涼しい風がそよそよ。
出入口にはかけ湯。秘湯や大型ホテル以外であんまり見ない。かけ湯の奥にはベンチ。こだわりの浴室。
この大浴場以外にもう一つ、別館にも浴室がある。
こちらは湯船が一つだけで、男女入れ替え制。着いた日の夜の12時までが女性、翌朝6時からチェックアウトの12時までが男性だった。
沼の風景を眺めながら。角の部分が窓になっていて、心地よい風が感じられる。
大浴場より熱く感じたけど、42度くらい。
シャワーは二つで、こちらもかけ湯あり。
どちらの浴場にもフェイスタオルが備え付け。アメニティはシュウウエムラ。
今年オープンした別館は4室で、どれも温泉付き。部屋に入るともう硫黄の匂いがする。
脱衣所の匂いがすごくて、どんだけ硫黄かと思ってお湯に入るけど、入ってる時はそれほど匂わない。湯上がり後も身体にほとんど匂いが残らない。
ぬるくはない湯温だけど、窓を開けると冷たい空気。気に入って何度も入ってたみたい。私は専ら大浴場。
温泉についての備忘録だけど、夕食の鮎のロティがすごく美味しかった。
それから、車で10分の曲沢沼の紅葉があまりにも綺麗だった。
また来たい宿。次は桜かな。
裏磐梯 大府平温泉 ホテリ・アアルト
★★★★★
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
51.8度
pH 7.9
85.4ℓ/分
男女別露天風呂付き大浴場 男女入替内湯1
加温加水循環消毒なし
2019.10.26 宿泊
コメント