東海道新幹線の米原駅から、特急しらさぎで1時間弱北上した武生駅。古い町並みが残る城下町武生は、前田利家が初めて大名として封じられた地。武生駅から西へ30分ほどの日本海に面する越前温泉へ。
明治3年に塩湯治旅籠として開業し、創業150余年のふるさとの宿 こばせ。現館主で五代目の老舗宿。塩湯治とは海水浴のことらしい。
海辺に建ち、部屋からは日本海が一望できる。海沿いの部屋がとれなくて残念な気持ちでやって来たけど、通された部屋は海側で、
部屋から夕陽も漁火も見えた。ありがたや。
玄関には越前カニ専用の生簀。今夜のカニを選別する館主の弟さん。カニを食べに来たけど、温泉がないところには来たくない。
越前海岸エリアの越前温泉には3つの源泉、厨(くりや)温泉・南部温泉・玉川温泉があり、こばせは玉川温泉(越前1号温泉)。
越前岬の南東、越前海岸のほぼ中央に位置する越前玉川温泉は越前で最も古い温泉ではあるけど、湧出したのは昭和40年(1965年)と新しい温泉で、2ヶ所の源泉がある。
大浴場は2階にあり、夜は23時まで。朝は6時から。
男女入れ替えはなし。
決して綺麗ではないけど、従業員や家族の人たちも普通に使ってるので、最低限が保たれてる感じ。
浴室も日本海に面していて、窓から海が眺められる。
左手が洗い場で、壁にシャワーが6つ。
湯船は2つに分かれていて、
メインの方は真ん中に段差があり、
洗い場側の部分は底からぶくぶくと湯が出てる。
もう一方は右端の小さな湯船で、
2人サイズだけど、1人入ってたら入る勇気ないくらい。
とはいえ、従業員の人と一瞬かぶっただけで、あとはずっと独泉だったので、気兼ねなく入れた。
この小さな湯船に湯口はなく、メインからこの穴を通して入ってくるお湯だけ。
上の方だけ暖かくて、下の方は水のようにぬるかったので、入っていいところなのかしらと、ちょっと躊躇する。
しっかり混ぜながら入ると、39度前後に。
男湯には、ぬる湯はなく水風呂だったとか。
湯に浸かっていると、海は全く見えない。
石に囲まれた湯口からは42度後半から44度くらいのお湯が投入されてる。
加温循環なので、ここからだけじゃなく、湯船の中からも出てる。なんと湯船の温度は43度。
下風呂温泉の下風呂温泉 海峡の湯(青森) – 温泉手帖♨︎を思い出した。やっぱり海沿いの漁師の町の適温は高いのかしら。
さすがに43度のお湯には入れず、小さなぬる湯の湯船だけ。単純温泉の循環で、ほとんど特徴はないけど、しっとりなめらかな肌触り。塩素臭は意外にない。
メインの方は湯上がりに一瞬通るだけでも、熱過ぎて身震いする。
下風呂温泉は源泉温度が高いのをかけ流しだけど、ここは29.5度なので、加温してる。
泉質はアルカリ性単純温泉。pHの記載はないけど、おそらく13年ほど前に廃業した湯元 玉川ビューホテルの源泉だと思うので、それだと古いデータしかないけど、当時pH 9.3だったみたい。その時の源泉温度は30.5度。
越前岬の南の国道沿いにあったホテルで、越前温泉では唯一の源泉かけ流しだったらしい。自噴泉で、飲泉もできてたとか。
玉川温泉のもう一本の源泉は、10年前に閉業した国民宿舎まるいち玉川荘で利用されていた、昭和55年に湧出した越前1号温泉だと思う。こちらも26度のアルカリ性単純温泉。
2本の源泉が、玉川地区と梅浦地区の旅館や民宿に配湯されてるそうだけど、湯量が足りるわけないので、循環仕方ない。
こばせの名物、開高丼。これにお会いしたくて。
越前温泉 ふるさとの宿 こばせ
★
アルカリ性単純温泉
29.5度
pH 9.3?
内風呂(男1女1)
加水なし 加温循環消毒あり
2022.1.15 宿泊
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