盛岡駅からレンタカーで高速使って50分。青森、岩手、秋田にまたがる十和田八幡平国立公園の岩手側に位置する松川温泉。
松川は、日本で最初の地熱発電所が作られたほど温泉に恵まれた土地。松川大橋からは地熱発電所の向こうに雲海まで見えた。絶景。
八幡平に泊まるのは藤七温泉 彩雲荘(岩手) – 温泉手帖♨︎と、蒸ノ湯温泉 源泉・秘湯の宿 ふけの湯(秋田) – 温泉手帖♨︎に続いて3回目。どちらも至る所から湯煙があがり温泉が湧く圧巻の温泉地。
松川温泉は松川の清流沿いに3軒の宿があり、峡雲荘も高温の硫化水素泉が豊富な宿。館内の暖房は、温泉の蒸気を引っ張った地熱で行っている。秘湯を守る会の宿。
辺り一面素晴らしい紅葉の景色。
部屋からの眺めもすごかったけど、カメムシ大発生中で窓を二重に閉めてなきゃ防げなくて、一瞬覗いただけでやむ無く閉めた。
こんなに綺麗なのに。
大浴場は一階の奥にあり、一晩中入ることができる。男湯は朝の7時から30分、女湯は7時半から30分、清掃のため利用できない時間がある。
それぞれ内風呂と露天風呂があり、男湯の露天風呂は混浴露天風呂。
男女入れ替えはなし。
男湯の左手に混浴露天風呂の入り口がある。男性は男湯の内湯から混浴露天風呂へ出られるけど、女性が混浴露天風呂に行く場合はこちらから。
行く人いるのかな。女湯には女性専用の立派な露天風呂がある。
日帰り入浴の人が多くて、夕方はわんさか人がいたけど、脱衣所は2部屋あり、混み合っていてもなんとかなってた。
日帰り入浴は朝の8時から19時まで。9時にチェックアウトした時、すでに日帰り入浴の人たちがいるほど盛況。
奥の脱衣室からは外の景色が見えて、紅葉した木々も露天風呂も見下ろせる。
大浴場は内風呂と露天風呂がひとつずつ。
床と同じ高さの湯船から、湯が溢れてる。山の秘湯感満載。湯煙と硫黄の匂いが立ち込めてる。
青みがかった乳白色のお湯が美しい。
夜だと白く発光してるように見える。
洗い場はこんな感じで、シャワーはなくカランが3つか4つ。でもお湯は出ない、水のカラン。シャンプーが置いてはあるけど、安易には洗えない。だって冷たい水しか出ないから。
そしてこの桶。しっかり湯の花が溜まってる、源泉かけ流し湯桶。
秘湯によくあるやつで、ここのお湯をすくって身体を洗ったり流したりするための。って思ったら、これはあがり湯だから、かけ湯は湯船のお湯でするようにとわざわざ注意書きがある。
たまにあるよ。髪の毛を洗い流すために、湯船の縁のところで何度も何度もお湯をすくうしかないところ。印象的だったのは、人吉温泉 しらさぎ荘(熊本) – 温泉手帖♨︎。
湯桶があるけど、成分が濃すぎるから、結局はカランの冷たい水を使うことになる二股らじうむ温泉 二股らじうむ温泉旅館(北海道) – 温泉手帖♨︎とか。
でも、湯桶があるところで、そのお湯使っちゃいけないってなかなか。
夜はこの湯桶のお湯は止まっていて、ほとんど湯が入ってなかった。
湯船の形はちょっと珍しい。長方形じゃなくて、一つの角がでこぼこ階段状に。
広い湯船だし濁り湯なので、多くの人が入っていてもなんとかなる感じだった。
湯気で、もやぁっとくもった浴室に、硫黄の匂いが充満してるのだけど、湯に浸かっていると樟脳のようなきつさがある。
白い湯の花がべったり付いた湯口。48度近いお湯が勢いよく投入されてる。
3本の源泉を利用しているみたいで、源泉温度はそれぞれ54、62、67度。熱い源泉なので、加水してのかけ流し。
朝晩、湯守のご主人が自ら湯船に浸かって、湯加減をみているそう。
湯船の温度は42.5度くらい。
pH5、5.3、5.4と弱酸性の肌に優しいお湯。湯の中で肌をさすると少しきしみがあり、きゅうっと肌に吸い付くような肌触り。
硫黄以外の成分は少ない、単純硫黄泉。一本だけ400mg近い遊離二酸化炭素を含んでいる源泉があるのが、ちょっと気になる。
湯船の縁はおそらく木で、ほんの少しの段差がある。
縁全面から湯が溢れ、滔々とかけ流されている。
露天風呂は、内湯から二重の引き戸を通り外に出たところに、ちょっと歪な三角形の湯船。清々しい空気に、硫黄の匂いが心地いい。
青みがかった乳白色。白骨温泉 泡の湯(長野) – 温泉手帖♨︎や、白骨温泉 白船荘 新宅旅館(長野) – 温泉手帖♨︎の湯色と同じような青みがある。
実際に入っている時はそれほど感じないのだけど、写真で見ると高湯温泉 吾妻屋(福島) – 温泉手帖♨︎や、姥湯温泉 桝形屋(山形) – 温泉手帖♨︎ほどのミルキーブルーにも映る。
紅葉があまりに目に鮮やかで、湯色に目がいかないほど、ブナやミズナラの原生林に囲まれているので、とにかく紅葉が素晴らしい。
湯口からは47度ちょっとの源泉が流されていて、周りの岩が真っ白になってる。
湯船が広いので、湯口のところだけ極端に熱くて離れるとぬるいという温度差がありそうだけど、それほど差がなく全体的に39度前後。いくらでも入っていられるぬる湯。
夜中や朝は38度切るくらいのぬるさだった。あ、男湯の混浴露天風呂は熱いくらいで、全然ぬる湯じゃなかったそう。
湯口のすぐそばにぼこぼこと音と振動を出してるパイプがあるのだけど、ここから湯が出てるのかはよく分からなかった。近くに座ってると振動がすごい。
湯口付近には湯葉の塊のような湯の花がたくさん積もっていて、岩の上をさすると舞い上がる。
源泉は元々は無色透明。空気に触れると乳白色に変化する。
湯船の中には白い湯の花が大量に舞ってる。
白く濁った乳白色のお湯はどんどん溢れ、
三角形の湯船の、湯口がない2つの角からかけ流されていく。
湯船の中や側面は真っ白だけど、所々にグリーンの析出物もある。
そういえば、宿のホームページには、露天風呂の湯色は緑がかった乳白色と表現されてた。季節によっても気温によっても、毎日毎時、変化してるだろうから、どんな湯色に遭遇できるか楽しみでもある。
夜は乳白色。
朝はブルーが強い。空の色より青く感じる。
朝日が湯船に届き始めると、青よりも緑がかった乳白色に。
湯船の中には大きな岩が2つあり、絶妙な目隠しというか、空間を隔て分けてくれている。
夕暮れ時、15人以上の人が露天風呂に入ってたけど、まぁ がやがやはしてるけど、岩がうまい具合に作用していて、それぞれの空間がなんとか守られてた。
湯上がりの肌はさらさらで、指の先を合わせるとするする。身体にも鼻の奥にも硫黄の匂いがこびりついていて、しばらく続きそう。
松川温泉 峡雲荘
★★★★
単純硫黄温泉
54.7度 62.2度 67.4度
pH 5.0 5.4 5.3
内湯(男1 女1) 露天風呂(混浴1 女1)
加水あり 加温循環消毒なし
2020.10.17 宿泊
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