知床の樹海の中にひっそりとたたずむ岩尾別温泉。知床半島の北側に位置する斜里町にある温泉で、標高約215mの山深い場所にある知床国立公園の秘湯。

釧網本線で網走駅から約47分の知床斜里駅よりバスで約1時間半。女満別空港からレンタカーで1時間50分。
例年11月から4月下旬はアクセス道路である道道93号が閉鎖されるため、冬季は休業。

知床五湖と岩尾別温泉との分岐の看板。ちょうどエゾシカが食事中だった。自然林に囲まれた大自然の中なので、ヒグマもたくさん棲息してる。

『岩尾別』とはアイヌ語で『硫黄の川』を意味し、古くからアイヌの人々には知られていた温泉。大正時代に温泉小屋が建ち、形ばかりの旅館ができ、昭和のはじめに羅臼岳の登山客を受け入れる木下小屋を開業、1963年にホテル 地の涯が開業した。

知床世界自然遺産内で唯一泊まれる温泉宿、ホテル 地の涯。『知床』はアイヌ語で『地の涯』を意味する。
樹海の森の中にぽつんと一軒宿。見渡す限り森。知床を五感で感じる地の涯。
2年前に経営者が代わり、2017年夏から休業。廃業⁈との情報も出ていたけど2018年6月に営業再開。昨日泊まったしれとこ村のグループになったそう。復活させてくれて有り難い、日帰り入浴もしていて、知床五湖ウォークの帰りに立ち寄りたい温泉。

温泉は一階のロビー階にあり、朝の8時半まで夜通し入ることができる。日帰りでの利用は11時から18時半まで。
暖簾をくぐると、手前に女湯、奥に男湯があり、この案内図の露天風呂の絵が描いてある部分(今は通路)を通り抜けると、男湯の奥に混浴露天風呂がある。

混浴露天風呂は、男女別の脱衣所でそれぞれ湯浴み着を着て

裸足で脱衣所のもう一つのドアから外に出る。

それぞれの暖簾をくぐると

途中に休憩所。そのまま男湯をぐるりと周るように進むと、露天風呂が現れる。

うっそうと生い茂る原生林の中に大きな岩風呂。

今朝は薄いエメラルドグリーン。日によって、グリーンだったりターコイズブルーだったり、乳白色だったり変化するそう。

岩風呂は上下2段になっていて、二つの湯船があり、湯温が違う。どちらも深さは少し深め。

上の段の湯船は少し小さめで、といっても浸かってしまえば結構な広さがあり、ひととき4人入ってたけど、全く狭さは感じなかった。

湯温は湯口から離れた端で41.5度前後。外気がかなり涼しいので、熱過ぎはしない。

湯船の中の岩が原形をとどめてない。湯の色と析出物から、あとアイヌ語で硫黄の川を意味する名前から、硫黄泉だと思い込んできたけど、硫黄の香りはしない。無色透明、無味無臭。

上の湯船から下の湯船へ湯が流れ込んでいる。

この湯は自噴泉で、泉質はナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物泉。
湯に溶けていた炭酸カルシウムが析出している。

下の段の湯口は別にあり、勢いよく湯がかけ流されている。

湯口付近は43度超えで熱い。離れた場所でも42度はある。

棚田のような析出物。すごい勢いで投入されているお湯。加水した温泉のかけ流し。

下の湯船は20人くらいは平気で入れる大きさ。いや、もっと入れるかな。湯の花は確認できなかった。やわらかくふわっとした湯感触。

真横には川が流れていて、目の前はヒグマが暮らす原生林。以前は時々、ヒグマ除けの空砲が鳴らされてたそう。
このパイプつたってやって来ないのかな、と少し心配だった。

下の湯船はV字型。湯口がない側の端にいても、42度近くあるのでこの時期は少し熱い。

湯はこのパイプから排湯されている。

脱衣所に戻り、湯浴み着を絞ってボックスに入れ、内湯へ。

窓が上下だけなので、夜はかなり暗めでライトアップされたような空間だったけど、朝は明るい。

男女別の内湯はL字型に二つの湯船がある。露天風呂もそうだし、昨日泊まった姉妹館のしれとこ村もそうだけど、こういう造りにしてくれてる宿は温泉を楽しませてくれる意志を感じる。すごく好感を持てる。

シャワーは片側に2つとこちら側に5つ。どの時間もまぁまぁ混んでた。シャワーやカランも温泉。

こちらの湯口は、ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物泉っぽい析出。

湯温は離れたところで41.5度くらい。湯口付近はもう少し熱い。
結構な湯量がかけ流されてた。

小さな湯船は足を伸ばして入るなら2人が限度。1人でゆったり入りたい大きさ。

こちらがぬるめになっていて、40.5度前後。時間によってはもっとぬるい時も。
大きな湯船との間にあるこの穴から湯が流れ込んでくる。かけ流されてく湯を見ても、それなりに湯が入り込んできてるのが分かる。

自然湧出なので湧出量は不明。

それほどぬるつる感がないお湯だったけど、クレンジング効果のある炭酸水素イオン、天然の保湿成分メタケイ酸もたっぷり入ってる美肌の湯。

温泉は別として、しれとこ村の姉妹館とは思えない。従業員もそんなに楽しそうじゃないし、食事もイマイチ。隣の夫婦は「おいしー。感動!」と言いながら食べてたけど、しれとこ村感は一切ない。
でも、知床まで来たからには一度は『地の涯』に泊まりたい。
岩尾別温泉 ホテル地の涯
★★
ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物泉
62.4度
pH 7.1
内湯(男女別)混浴露天風呂2
加水あり 加温循環消毒なし
2019.9.22 宿泊



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