貝掛温泉 貝掛温泉(新潟)

江戸時代より「眼の温泉」として知られる貝掛温泉。最近、目の温泉多いな。先月行った福島の微温湯温泉 旅館 二階堂(福島) – 温泉手帖♨︎は含アルミニウム泉で江戸時代からの眼病の名湯。眼病といっても症状は様々で、結膜炎や白内障に効くらしい。「日本三大目の温泉」の神奈川の姥子温泉も同じような泉質。

もう一つのここ貝掛温泉は、メタホウ酸を豊富に含み、白内障や眼底出血、眼精疲労などに効果があるという。

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明治には「快眼水」という名の目薬として製造販売許可も得ていて、平成になってサンテCL目薬とほぼ同じ成分だと判ったという。

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開湯は鎌倉時代で700年の歴史を持ち、文献上では室町時代の長享2年(1488年)京都相国寺の僧の旅文集に「岩の割れ目から湧き出る温泉への道は通じているといえども建物は見えず僅かに道行く人が教えてくれなかったら通り過ぎてしまうところでした」と記されている。

戦国時代には上杉謙信の隠れ湯として、江戸時代には目の湯として、湯治客も多く信仰されてきた温泉。

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東京から上越新幹線で1時間20分の越後湯沢駅からタクシーで20分弱という好アクセス。清津川に架かる細い貝掛橋を渡った先にある一軒宿で、秘湯を守る会の宿。国立公園内の高原に位置し、夏も涼しいためクーラーはなく、真夏の今日も窓から入る風が涼し過ぎるほど。

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庄屋造りの建物、玄関には米俵。さすが米どころ。南魚沼産のコシヒカリ。

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廊下にもお米が干してあった。

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ウェルカムドリンクはメグスリノキの水。ほんのり苦味がある。もうすでに目の温泉が始まってる。

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古い木材を用いた造りで、掃除が行き届いた綺麗な宿内。古くてぴかぴかの宿、好感が持てる。

大浴場へ続く廊下にはメグスリノキのお茶が大きなヤカンで置いてあり、湯上がりに飲める。

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大浴場は廊下を左へ右へ行った先に。上から見たあの奥の建物。

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奥までやって来て暖簾をくぐると、左右に二つの大浴場。19時までは右が女湯。19時半から朝の9時半までは男女が入れ替わる。19時から30分間は交換清掃時間。

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左側の大浴場の方に大きな源泉かけ流し露天風呂がある。右側の大浴場の露天風呂は加温湯船。

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とりあえず、19時まで女湯の右側の大浴場へ。広くて綺麗な脱衣所。

内湯には二つの湯船があり、大きな方が源泉かけ流し、小さい方が加温湯船。

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高い天井に、太い梁が渡された大浴場。暗めなんだけど、自然の光が入ってくる落ち着く静かな空間。

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シャワーは5つ。アメニティーは揃ってる。清潔で不快なところがない。女性客かなり多くて、5つとも使用中の時も。

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出入口のところにあるかけ湯。湯温から源泉だとは思うけど、こちらの大浴場の目を洗う場所は内湯の源泉湯船の湯口でと言われた。ので、湯上がりにだけかけ湯を利用。

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加温湯船は小さめ。小さいといっても、3人は十分ゆったり入れるくらい。手だけつけたけど、42度ちょい。暖まりに入る人、結構いる。

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深夜0時から4時までは、入浴事故防止のために加温はしてなくて、湯温は源泉温度に下がる。
湯船の縁は赤御影石。

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さて、お目当ての源泉湯船。湯温は36度弱のぬる湯だけど全く冷たく感じない。いい季節に来たな。

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大黒様が湯口を守ってる。かなりの勢いで注がれる湯。小さな粒子が無数に舞っている。湯の花じゃなくて、気泡。湯口から離れていても泡がたくさん付く。ものすごい泡付き。ふわふわと気持ち良すぎて、1時間くらいあっという間に過ぎる。

無色透明無臭で、ほんのり、ほんとにほんのり塩気がある。

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この湯口で顔や目を洗う。メタホウ酸やリチウムが目に効くといわれていて、ミネラルの濃度が涙の成分に近いそう。

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この檜の枕木がなかなか良くて、置いてあるだけなので、好きな場所で使える仕様。汗をかくようなお湯じゃないので、人が使った後もなんとか目をつぶって使える。

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かけ湯の向こうに山傘。露天風呂に入るとき、雨や雪が降ってたら被る用。

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露天風呂は岩造り。加温されて42度ちょいの湯温。残念だな。早く男女入れ替えして、源泉かけ流しの露天風呂の方に入りたい。

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ざばざばと湯が投入されて、水しぶきをあげてる。

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自然湧出の一本の源泉を一軒で使用していて、湯量は季節で変わるようだけど、全国屈指の毎分400〜650ℓとか。湯船は毎日完全換水清掃で、新鮮なお湯を楽しめる。

豊富な湯量があってこその、この源泉かけ流し露天風呂。これこれ。こちらがもう一つの大浴場の露天風呂。

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19時半から一晩中、翌朝の9時半までが女湯になる左側の大浴場。

貝掛温泉の代名詞ともいえる岩造りの大きな露天風呂は、緑の木々に囲まれた自然の中にある。

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露天風呂の側にある小屋の中に、自噴の源泉が湧いてる。

湯口は、大黒様の下の岩の間と、木の樋の二箇所。あれ。これ大黒様だと思い込んでたけど、大黒様であってるのかな。

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かなりの量が勢いよく注がれていて、水流がすごい。

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湯口近くは泡付きを楽しめないほどの水流。

広い湯船なので、湯口から離れれば静かなんだけど、やっぱり新鮮な湯がざーざー出てくるところが気持ちよくて、中央の石を囲むように人が集まる。

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さすがに源泉の湧出地そのものだけあって、もう一つの大浴場の湯温と比べると0.2〜0.3度高い。

涼しい真夏でちょうどいい、汗もかかない、少し寒くなり加温湯で暖まる人がいるくらいな、36度のぬる湯。いいタイミングで来れたなぁと自画自賛。

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こちらの大浴場には露天風呂は二つ。もう一つ小さな加温の湯船がある。

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個人的には、葉っぱや虫にビクビクと怯えながら入っているのは嫌なので、内湯の方がはるかに好き。

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さ、内湯へ。左が源泉かけ流し、右が加温湯船。

左の源泉湯船の向こう側がさっきの露天風呂。源泉に限りなく近いので、36度ちょい。

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室内の分だけ、露天風呂より暖かく感じる。

あぁ。やっぱり内湯は安心して入れる。ふわふわの暖かい布団に戻ってきたよう。

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源泉の湯口には大黒様。

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泡にまみれた肌をさすると、ふわふわの肌触り。ん〜。たまらん。ふわふわ〜。

この泡の炭酸が血行を促進してくれ、老廃物を流し、成分を体に吸収しやすくする。

ただもうそんな効果よりふわふわが気持ちよくて。自然湧出のぬる湯の泡泡恐るべし。

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このままあがると少し寒い。でも加温湯に若干の抵抗がある。これ、無意味な抵抗。36度でもあがればぽかぽかになるの分かってるから、あえて暖まりたくない、みたいな。

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洗い場とかけ湯。もう一つの大浴場とシャワーの数は同じだけど、洗い場の形が湯船から遠くて広いので、ゆったり。向こうは大浴場が長方形だったので、シャワーの水が湯船に入ってきてた。

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山傘が雪の露天風呂を想起させて、冬も来たいなぁと思わせるけど、雪の中36度って絶対に無理だから!だめだめだめ。

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天井も高く、立派な梁。

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こちらの湯船の方が少し狭いからか、湯のかけ流されていく量が多く、湯が滞留してない感じがした。

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泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉だけど、目にしみたりしょっぱくはない。湯から出たところがほんの少しねっとりする塩化物泉っぽさはあったけど、ひりひりとか後で赤くなったりはなく、塩が苦手な私も洗い流さなくていいレベル。

湯上がりの肌はするするすべすべ。

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結局、加温湯には入らず、脱衣所でさむさむってなりながら浴衣着たけど、部屋まで戻るとほんわかぽかぽか。汗もかかずにじんわり暖まる理想的。

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この日の宿泊客は女性率が高くて(もちろん満室)、朝の女湯こんな感じで絶えず15〜20人くらい入ってた。5時に入った時は2人だったので写真撮れたけど、5時半くらいからはすごい人。

帰りにふと男湯の下駄箱のぞいたら、4つしかスリッパなかったよ。

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夕食に出る薬膳玄米粥は、肝臓脾臓に活力を与える食材が目にいいとの貝掛名物。

夜はもちろん窓を開けてたら寒いので、窓を閉めて布団をかけて寝る。

翌朝、夏の暑い盛りのように蝉が大合唱してるけど、部屋には秋のような涼しい風が吹いていて、お風呂上がりに布団に潜り、顔だけ出して風を感じる。あぁ、真夏の極楽。また来夏も来よう。

 

貝掛温泉
★★★★★
ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
36.2度
pH 7.7
406ℓ/分(自然湧出)
内風呂(源泉2加温2) 露天風呂(源泉1加温2)
加温加水循環消毒なし
2019.8.24 宿泊

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