湯田中温泉 和風の宿 ますや(長野)

長野駅から長野電鉄特急で約45分の湯田中駅。駅からは送迎で5分足らずの湯田中温泉のますや。創業約140年、明治から続く和風の宿。

新幹線で長野駅の次の飯山駅まで行くと車で30分弱。

湯田中渋温泉郷は、夜間瀬川、角間川、横湯川沿いに広がる9つの温泉の総称。

中でも湯田中・新湯田中・星川・穂波・安代と5つの温泉を総称し湯田中温泉と呼ぶこともあるみたい。1350年以上前に田んぼから湯が湧き出たことが始まり。

残りの4つは渋・角間・上林・地獄谷(沓野温泉を含む10の場合も)。

ちなみに温泉郷内の共同浴場の数は別府温泉に次ぐ国内2位の軒数。

横湯川のほとり、渋温泉街へと続く小径沿いに建つますやは、湯田中温泉の端っこというより、渋温泉の端っこのような位置にある。

裏玄関の向かいの安代温泉が、湯田中温泉の中の安代温泉って昔から言われてたから、ますやも湯田中温泉なのだとか。

安代温泉は湯田中と渋の間、渋温泉に隣接した温泉地で、江戸時代1705年に横湯川の河川敷に湯小屋が作られたことが始まり。

安代温泉街は、石畳が敷かれた風情ある町並み。

6軒(7?)の温泉宿と2軒の共同浴場(大湯と開花湯)があり、共同浴場は地元の方と安代温泉の宿泊者のみが利用できる。

チェックイン時に、共同浴場のことは一切言われなかったので、ますやが安代温泉に含まれているのか、斜向かいの共同浴場に入れるのかどうかは分からず終い。

大浴場は1階に「瑠璃の湯」。夜の8時半まで男湯で、30分清掃後に男女入れ替え。翌朝9時まで女湯となる。

男女入れ替えのもう一つの大浴場「夢殿」は、瑠璃の湯の目の前の階段で地下へ降りていく。

地下1階にあるわけではなく、渡り廊下を進み、

今度は階段を上がる。つまり違う棟、東館の1階にあるということ。

手描き感はすきだけど、分かりにくい館内図。

こちらが夜の8時半まで女湯。

2つの大浴場の源泉は異なり、こちらの夢殿は地獄谷温泉を引き湯してる。

分析書が見当たらなかったけど、地獄谷温泉の源泉は、上林温泉 上林ホテル仙壽閣(長野)-温泉手帖♨︎と同じなら、旧湯がナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。pH 7.0で源泉温度68度。

洗い場の奥に大きな湯船が見える。

高い天井に湯気抜きの窓。

瓢箪型かな、丸みのある湯船の縁から、どんどん湯が溢れ出てる。

洗い場は仕切りがあるタイプのシャワーが7つ。

湯船のすぐ近くに少しへこんだ造りがある。

もしかしたら、昔は洗い場だったのかな。こちらの大浴場は創業当時からの大浴場。

自然湧出の地獄谷噴泉を引き湯して宿を始めたのだそう。

湯船の中央にある湯口。思わず話しかけてしまいそうなマッシュな佇まい。

湯口は47.5度、投入量が多いからか、深さも広さもしっかりある湯船だけど、熱めの43度弱。地獄谷源泉以外に3本の源泉があり、この大浴場は4本の混合。

高温泉なので、井戸水で加水し適温にしてる。塩素消毒なしのかけ流し。でもちょっと熱くて湯を味わえない。

露天風呂は4、5人サイズ。岩で囲まれた湯船で、屋外の歩く部分は、テラスのような板張りになってる。

奥には屋根があるけど、手前側はない。今日はあいにくの雨なので、濡れない部分は3人までかな。

岩の間からは47度ほどの源泉が注がれていて、湯船は41.7度。

こちらもしっかりかけ流し。

夜の9時から男女入れ替えとなる1階の大浴場、瑠璃の湯。

奥にパウダールームがあり、それとは別に洗面台も2箇所と、広々とした綺麗な脱衣所。

浴室に入るとまず上がり湯。この二斗瓶は先代の大切にしていた品だとか。

隣に温泉を利用したミストサウナがあり、

随分広いスペースの隅にぽつんと陶器風呂。

もちろんこの湯船もかけ流しで、竹の湯口からは静かに細く47度の源泉が注がれ、湯船は40度とぬるめにしてある。

このぽつんと陶器風呂エリアは完全な室内で、左の扉から出ると露天風呂、右が内風呂。

明るく、天井も高くて広々した浴室。

湯気抜き窓からも明かりが入る。

洗い場は左手前に2つ、右の壁際に6つのシャワー。

ピンクのツツジが咲く庭園風の眺め。

さらさらと縁から流れ出るかけ流しが気持ちいい。洗い場側の足元に流されていて、温かいし清潔で嬉しい。

水色のタイルの大きな湯船。

湯口は48度で湯船は42度。ふんわりした肌触り。ほんの少し塩気があり、湯から上がった肌がねっとり。

こちらの大浴場の源泉は含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。地獄谷源泉以外の3本の源泉の混合泉。硫黄臭は感じられず、沼っぽい匂い。

露天風呂は3人サイズ。

位置的にちょうど川沿いの玄関の横みたい。

湯口の温度は48度と内風呂と同じだけど、湯船は41.5度と少しぬるめ。

薄茶色の湯の花が溜まってる。

地獄谷以外の3本の源泉はますやの自家源泉。川の向こうに見える湯けむりが95度の源泉。

4口のうち2口、半分がますやの源泉だそうなので、これが2本の源泉ってことなのかな。夜間瀬川の対岸約50mから川の下を通して引き湯してる。

あと1本が崖の上にある源泉で、65度?なのだとか。あれかな。高温の混合泉を地下の冷水で薄めて利用してる。

全20室のうち4室が露天風呂付き。

壁や床は木造りで、窓は簾戸。シャワーも付いてる。

大きな樽風呂。ひとりで入るのにゆったり広々ちょうどいいサイズ。

客室風呂は1階の大浴場 瑠璃の湯と同じ源泉。地獄谷ではなく、自家源泉。

湯口が47度で湯船が40度の超適温。

大浴場よりぬるくて、一番お湯を味わえる湯船だった。ふんわりとした湯感触だけど、じっとりした肌触り。石のような匂い。

薄茶色の湯の花がちらほら舞っていて、たまに大きい塊も。

すごい源泉かけ流しにこだわっているし、細かく源泉のこと教えてくれて有り難かった。なのに、温泉分析書がないという不思議さよ。

 

湯田中温泉 和風の宿 ますや
★★★
[地獄谷源泉]
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
68.6度
pH 7.0
[ますやの源泉]
含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
95度
pH ?
瑠璃の湯(内風呂2 露天風呂1)夢殿(内風呂1 露天風呂1)
加水あり 加温循環消毒なし
2023.5 宿泊

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