日本三古湯のひとつ白浜温泉。1300年以上の歴史を持つ。白浜温泉 崎の湯(和歌山) – 温泉手帖♨︎に入りに来たことがあるけど、ひとつ下の椿温泉 海椿葉山(和歌山) – 温泉手帖♨︎に泊まってしまうので、宿泊は初めて。
白浜町に湧く温泉で、湯崎、大浦、古賀浦、綱不知、白浜、東白浜、新白浜の7ヶ所の温泉地を南紀白浜温泉と呼んでいるみたい。50本もの源泉があり、毎分1.2万ℓを超える湯量がある。
70軒以上の宿があるけど、源泉かけ流しとなるとかなり限られる。
空港からわずか7分の源泉かけ流し湯宿 長生庵。
白良浜の真東に位置し、真横に突っ切れば車で5分かからないけど、観光客がわさわさ歩いてるエリアとは全く違う。
観光地白浜の喧騒から離れ、海が間近にあることも忘れてしまいそうな、緑の中に静かに佇む宿。
向かいにある日帰り温泉施設「南紀白浜温泉 長生の湯(和歌山) – 温泉手帖♨︎」を運営する紀伊白浜温泉土地が2017年にオープンさせたばかりで、客室数はわずか7室。
中庭を囲むように本館や離れ、湯小屋が建っている。
「檜湯」と「岩湯」は男女入れ替え制。夜は24時までで、翌朝入れ替わり6時から10時まで。
左側の檜湯。清潔で簡素な脱衣所。アメニティはなかった気がする。
檜なのは縁だけ。シンプルな浴室。
シャワーは3つ。7室しかないし、別館1階に予約制の貸切温泉風呂「つぼ湯」もあるみたいで、誰にも会わなかった。
狭くも広くもない湯船だけど、手前は段差だし数人で入るのはちょっと嫌かな。
縁からは湯が滔々と溢れ出てる。
長生庵は2本の源泉を持っていて、それらをブレンドし適温にしてる。両方とも高温泉なので、熱交換もしてるみたい。
崎の湯など海側の温泉は、塩の塩化物泉が多いけど、長生庵の源泉は2本とも重曹泉。美肌のナトリウム-炭酸水素塩泉。どちらもpH 7.6の弱アルカリ性。
源泉、長生温泉はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉。塩化物イオンも1043mgとしっかり含んでる。源泉温度は78.9度。
もう1本の源泉、東谷温泉はナトリウム-炭酸水素塩泉で、温度は61.7度。どちらも熱いので、湯守の腕が問われる。
しっかり成分入ってる源泉をかけ流してるので、湯船の側面にこんなに立派な析出物が出来てる。
湯口からは47度の源泉が注がれてた。78度と61度の源泉。季節により配合を変えていて、夏には温度が若干低めの東谷源泉をメインにしてる。こちらの方が少し成分が薄い。
とはいえ、重曹成分の炭酸水素イオンは長生温泉が2000mgに対し、東谷温泉も1600mg以上も含んでいる。
無味無臭だけど、ほのかに土っぽい匂いがし、ほんのり塩気がある。
ただ、チェックイン直後の湯船は43度超えだったので、入れずに退散。
夏の暑い日は加水することもある。出来るだけ加水しないように工夫されてるようだった。
おそらく温泉がかけ流されてる水路だと思うけど、深緑色。
翌朝は岩湯へ。熱いだろうけどとりあえずシャンプーだけしよう、くらいの気持ちで。
こちらの方が脱衣所がこじんまりしてる気がした。
浴室のドアを開けると、窓が目線上にあり、爽やかな朝風呂。昨日感じた閉塞感はなく、ゆったりスペースに感じる。
改めて木造りの湯小屋。天井には湯気抜き窓かな。
さて、熱いんだろうなと思いながら入ると、そうでもない。上の方は熱いけど、混ぜたら41度ほど。
湯口から岩を伝うように注がれてる源泉は、48度超えだけど、湯量がちょろちょろ。
透明なとろりとした柔らかいお湯で、ふわぬるの肌触り。
薄茶色や白い湯の花がたくさん舞ってる。
縁の岩にはぶつぶつの析出物。
湯がかけ流されていく部分は白くコーティングされ、鍾乳洞みたいになってる。
塩分も結構含んでるので、熱くなくてもよく温まる。湯上がりの肌はねっとり。
さて。大浴場にあまり関心がなかったのは、部屋の半露天風呂がこの宿の最強湯船だから。
宿泊した部屋は「金木犀」。半露天の檜風呂がある。別館「雅」も温泉風呂付き。
シャワーも、シャンプーなどもある。
塀に囲まれた小さな庭に面していて、自由にガラス戸を開け閉めできる。
チェックイン直後は、湯口からは58度ほどの源泉が注がれていて、湯船の温度は47度だった。
でも全く慌てない。
だって、こんな素晴らしい蛇口付きだから。
とりあえず温泉を止めて、道路を挟んだ向かいにある日帰り温泉施設の「長生の湯」へ。宿泊者は無料で利用できる。
その後、宿の大浴場もチェックして、1時間半後に戻ってきたら42度まで下がってた。窓を全開にしてそこから1時間半で39度に。源泉100%のぬる湯の出来上がり。
ひとりでゆったり檜の湯船最高。透明なお湯が美しい。とぅるんとした浴感。土っぽい湿った木の匂いで、ほんのり塩気がある。薄茶色の細かな湯の花が舞ってる。
湯温の調節は簡単にできる。湯量も幅があるので、こんなにざばざば出すこともできて、あっという間に好みの温度にできる。
湯口で、東谷温泉は48度、長生温泉が64.5度。長生温泉の方が湯口のパイプに付いてる析出物が多いのを見て、成分も濃いんだろうなと、できるだけ長生温泉で調節。メタケイ酸も110mgと多く含んでた。
ざばざばかけ流しもったいないなぁと思ったけど、我が家はぬる湯一択なので、ほぼ蛇口を止めてた‥。
38度割れで入ってるのに、顔から汗が吹き出してくる。塩の効果か、長湯の効果か。
好みの湯温で源泉かけ流しさせてくれる。最高の湯船。
食事も美味しいし、早く着き過ぎたのに嫌な顔ひとつなく受け入れてくれ、丁寧な対応に感謝。
南紀白浜温泉 源泉かけ流し湯宿 長生庵
★★★★
[長生温泉]
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
78.6度
pH 7.6
255ℓ/分
[東谷温泉]
ナトリウム-炭酸水素塩泉
61.7度
pH 7.61
114ℓ/分
内風呂(男1女1)貸切風呂1
加水加温循環消毒なし ※夏季は加水あり
2021.6.19 宿泊
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